カナダ・ケベック州の深い森を舞台に、人生の晩年をいかに生きるかというテーマをつづる『やすらぎの森』5月下旬公開!

アンドレ・ラシャペル、ジルベール・スィコット、レミー・ジラールとケベックの名優たちが共演するヒューマン・ドラマ『And the Birds Rained Down(英題)』が、邦題『やすらぎの森』として5月下旬に公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルがお披露目となった。

本作は、80代の男女を主人公に据え、人生の晩年をいかに生きるかというテーマを詩情豊かにつづる愛と再生の物語。カナダ・ケベック州、人里離れた深い森。湖のほとりにたたずむ小屋で、年老いた世捨て人たちが密かに暮らしていた。ある日、彼らのもとに思いがけない来訪者が現れる。その80歳の女性ジェルトルードは、少女時代に不当な措置によって精神科療養所に入れられ、60年以上も外界と隔絶した生活を強いられていたのだった。ジェルトルードは、マリー・デネージュという新たな名前で新たな人生を踏み出すが…。

カナダ10州の中で最も広大な面積を誇り、フランス語を公用語とするケベック。国際的な多文化都市モントリオールを擁するケベックは映画製作も盛んに行われ、ドゥニ・アルカン、ドゥニ・ヴィルヌーヴ、グザヴィエ・ドランといった世界的なフィルムメーカーを輩出してきた。そのケベックから新たに届いた本作は、カナダのアカデミー賞にあたるカナダ・スクリーン・アワードで5部門にノミネート、助演男優賞を受賞した。

ジェルトルード/マリー・デネージュを演じるのは、金髪とクラシックな美貌を持つがゆえに“ケベックのカトリーヌ・ドヌーヴ”とも呼ばれたアンドレ・ラシャペル。カナダの演劇、映画、テレビ界で約70年のキャリアを築いたこの名女優は、惜しくも2019年11月に他界し、本作が遺作となった。世捨て人のひとり、チャーリー役には、本作でカナダ・アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたジルベール・スィコット、親友のトム役にドゥニ・アルカン監督作『みなさん、さようなら』の主演俳優としても名高いレミー・ジラールが扮し、ケベックの名優たちが集結した。監督は、本作が3本目の長編劇映画となったケベック出身のルイーズ・アルシャンボー。本作の舞台でもあるケベック州アビティビ在住の作家、ジョスリーヌ・ソシエがフランコフォニー5大陸賞を受賞した原作小説に感銘を受け、登場人物の息づかいや自然の鼓動までも伝わる繊細な世界観を見事に作り上げた。

ポスタービジュアルは、まるでマイナスイオンが漂っているようで、世捨て人のチャーリー(ジルベール・スィコット)とトム(レミー・ジラール)、そして60年間、精神科療養所に入れられていたマリー・デネージュ(アンドレ・ラシャペル)の3人が目の前に広がる穏やかな湖を見つめている後ろ姿が印象的。下部には、愛犬やギターを弾き語るカット、ひっそりと佇む小屋が配され、森の中での彼らのやすらいだ暮らしぶりがうかがえる。一方で、「雨のように鳥が降り やがて、悲しい雨は愛に変わる」のキャッチコピーが切なさを物語る。ケベックを代表する俳優たちが紡ぐ、愛と再生の物語は果たしてどのような結末が待っているのか?

『やすらぎの森』
5月下旬 シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
監督・脚本:ルイーズ・アルシャンボー
原作:ジョスリーヌ・ソシエ「Il Pleuvait des Oiseaux」
出演:アンドレ・ラシャペル ジルベール・スィコット レミー・ジラール
配給:エスパース・サロウ

【ストーリー】 カナダ・ケベック州、人里離れた深い森。湖のほとりにたたずむ小屋で、年老いた3人の男性が愛犬たちと一緒に静かな暮らしを営んでいた。それぞれの理由で社会に背を向け、世捨て人となった彼らの前に、思いがけない来訪者が現れる。その80歳の女性ジェルトルード(アンドレ・ラシャペル)は、少女時代に不当な措置によって精神科療養所に入れられ、60年以上も外界と隔絶した生活を強いられてきた。世捨て人たちに受け入れられたジェルトルードは、マリー・デネージュという新たな名前で新たな人生を踏み出し、澄みきった空気を吸い込みながら、日に日に活力を取り戻していく。しかし、その穏やかで温かな森の日常を揺るがす緊急事態が巻き起こり、彼らは重大な決断を迫られていくのだった…。

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