今まで理解されにくかった自閉症者の内面の感情や思考、記憶を分かりやすい言葉で伝えた内容が大きな注目と感動を呼び、30ヶ国以上で出版、発行部数117万部を超える東田直樹によるベストセラーをドキュメンタリー映画化する『The Reason I Jump(原題)』が、邦題『僕が跳びはねる理由』として4月2日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルがお披露目となった。
会話のできない自閉症という障害を抱える作家・東田直樹がわずか13歳の時に執筆した作品「自閉症の僕が跳びはねる理由」を映画化する本作は、「自閉症と呼ばれる彼らの世界が“普通”と言われる人たちと、どのように異なって映っているのか?」を世界各地の5人の自閉症の少年少女たちの姿やその家族たちの証言を通して追い、明らかにしていく。そして「自閉症者の内面がその行動にどのような影響を与えるか」を斬新な映像表現や音響効果を駆使し、彼らが見て、感じる世界をあたかも疑似体験するかのように体感できる、これまで誰も観たことのなかった驚きと発見に満ち溢れている。2005年当時わずか13歳だった少年が紡いだ言葉が海を越え、今もなお世界中の自閉症者やその親たちに希望を与え続け、また“普通”と言われる人たちにも新しい気付きを与えてくれる。
原作を英訳したのは、トム・ハンクス、ハル・ベリー主演の映画『クラウド・アトラス』の原作などで知られるイギリスのベストセラー作家デイヴィッド・ミッチェルとその妻ケイコ・ヨシダ。日本に滞在していた経験もあるデイヴィッド・ミッチェルは自らも自閉症の息子を育てており、対応に困り果てていた我が子の行動に対する疑問の答えをこの書籍の中に見つけ、「世界中の自閉症の子を持つ親にもこの本を読んで欲しい・伝えたい」という願いから翻訳、2013年「The Reason I Jump」として出版した。現在では世界30ヶ国以上で出版され、瞬く間に117万部を超えるベストセラーとなり、その後、この英語版書籍「The Reason I Jump」が、本作にも出演するジョスの両親ジェレミー・ディアとスティーヴィー・リーの目にとまったことで、映画『僕が跳びはねる理由』が誕生した。
デイヴィッド・ミッチェルは「東田直樹の『自閉症の僕が跳びはねる理由』がそうであるように、この映画は私たちに“普通とは何か?”という抽象的な疑問を改めて我々に問いかけている。自閉症と自閉症ではない人たちの世界を繋ぐ架け橋となる、優しい革命的な作品だ」とコメントを寄せる。
本作は、世界最大のインディペンデント映画祭としても有名な第36回サンダンス映画祭にてワールド・シネマ・ドキュメンタリーコンペティション部門観客賞を受賞、同年2020年に開催されたバンクーバー国際映画祭では長編インターナショナルドキュメンタリー部門観客賞&インパクト大賞をダブル受賞したほか、世界各国から高い注目を得ている。
ポスタービジュアルには、澄み切った青空の下で “跳びはねる”少年の姿が収められる。自分の気持ちの赴くままに跳びはねるように見えるこの少年の姿は、「みんな同じ空の下、“普通”の君と 自閉症の僕との未来はきっとつながる」というキャッチコピーをそのまま体現するかのような“希望”を感じさせる。
『僕が跳びはねる理由』
4月2日(金)より、角川シネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国順次公開
監督:ジェリー・ロスウェル
プロデューサー:ジェレミー・ディア スティーヴィー・リー アル・モロー
原作:東田直樹「自閉症の僕が跳びはねる理由」
配給:KADOKAWA
©2020 The Reason I Jump Limited, Vulcan Productions, Inc., The British Film Institute