伊藤沙莉「説明がつかない」アンシュル・チョウハン監督の長編第2弾『コントラ KONTRA』予告編&ポスタービジュアル

インド出身の異才アンシュル・チョウハン監督の長編第2弾で、数々の映画祭で高い評価を獲得してきた衝撃作『コントラ KONTRA』が、3月20日より公開される。このほど、予告編とポスタービジュアル2種がお披露目となり、併せて、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられた。

高校生のソラは、父親と二人暮らしだが、その関係は冷え切っている。そんなある日、急死した祖父が第二次世界大戦時の日記の中に遺していた、記号化された宝の存在を知ることとなる。彼女が密かに宝の探索を試み始めたとき、突然無言で後ろ歩きをする見窄らしい男と遭遇する。ソラの身に、ほぼ同時に起こった二つの事象。それは果たして何かの啓示なのか?

監督を務めるのは、インド出身の異才アンシュル・チョウハン。この映画の全ては“車の事故で家族を亡くしたある男性が、過去に戻ろうと後ろ向きに歩き出した”という記事から始まったと語る。全編を通して、モノクロームの圧巻の映像と、プリミティブと哀感が絡み合う美しい旋律で独特の映像世を紡ぎ出す。アニメーターと言う経歴を持つアンシュル・チョウハンだから成し得た世界観が、観客の目前に具現化されていく。

ソラを演じた円井わんは、ドラマ「全裸監督」、映画『タイトル、拒絶』ほか、2021年には5本の公開待機作が控える期待の俳優。謎の男を演じた間瀬英正は、本作で大阪アジアン映画祭最優秀男優賞を獲得し、彼もまた将来が嘱望される。また父親役の山田太一は、映画『パッチギ』への出演やTBS「報道特集」のナレーションなどで活躍する傍ら、本作では演者としてだけでなく、ロケ地の提供、製作費のサポートなど、アンシュル監督のクリエイションを公私にわたって支えた。

本作は、ワールドプレミアとして上映されたエストニアのタリン・ブラックナイト映画祭でのグランプリ&最優秀音楽賞受賞をはじめ、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭での国内長編コンペティション部門優秀作品賞受賞、ニューヨークで開催されたジャパンカッツ大林賞など、数々の映画祭で高い評価を獲得した。

配給を担当するリアリーライクフィルムズは、これまで新人監督や女性監督を中心に外国映画に限定して配給してきたが、本作を第一回作品として、越境する映画作家たちの作品を積極的にラインナップしていく。日本人でありながら外国を拠点に創作活動を続ける映画作家や、アンシュル・チョウハン監督のように外国籍でありながら日本をベースにクリエイションを続ける映画作家の作品のラインナップを近日中に発表する予定だ。

予告編は監督自らが手掛け、モノクロームの力強いイメージの連打はただならぬ才気のほとばしりを感じさせると同時に、主人公ソラ(円井わん)の抑えきれぬ感情をも活写している。

ポスタービジュアルは、『COLD WAR』『ヴィタリナ』『あさがくるまえに』の渡辺純がデザインを担当。映画の主要人物である二人のイメージを中心に据え、モノクロームにシルバーを敷いたスタイリッシュなデザインに仕上がった。

▼著名人 絶賛コメント

■伊藤沙莉(俳優)
説明がつかない。言葉にならない。

■マイク・ニューウェル(映画監督)
「幾重にも折り重なった素晴らしい物語構成」と「真の映画体験」と。

■行定勲(映画監督)
息苦しさを緩和する幻惑する音楽に誘われる予測不能な物語。

■アダム・トレル(米映画配給会社代表)
なんと壮大で挑戦的な作品だろう。

■暉峻創三(大阪アジアン映画祭プログラミングディレクター/映画評論家)
『コントラ』は今年日本映画のベスト10は間違いない!パワフルで感動的で考えさせられる映画。

■杉本学子(スタイリスト)
映画なのに、演劇のようで。その戯曲は、崇高なダンスのようで、古典と現代劇をうまく交差させていた。

■近森基(アーティスト/デザイナー)
どこにでもありそうな日本の田舎の情景が、別世界のように見えてくる。にもかかわらず、自分の中の何かとコネクトしている感覚がじわりと残る。

■吉泉聡(デザイナー)
変わらず日常にある日本的な鬱屈と重さ、そこに切り込む奇妙で唯一無二な世界観に魅了された。

■嶌村吉祥丸(アーティスト)
家族関係から戦争や日本の体制まで描かれた今作は狂気的でもあり、美しい物語だった。

■Naomi(ミュージシャン)
冷たくて暖かい、暗くて明るい、夜明けの晩のような世界。止まない憂いは、少女を大人にする。

■池貝峻(ミュージシャン)
“美しい”田園風景とコントラストを描くように、過去や負の感情と上手く向き合えない我々の不器用さと残酷さが暴かれていく気がします。アンシュルの羨望でも投影でもない、日本への静かな目線を僕らは受け止めないといけないと思う。

『コントラ KONTRA』
3月20日(土)より、K’s cinemaほか全国順次公開
監督・製作:アンシュル・チョウハン
製作総指揮:海老原信顕
脚本:アンシュル・チョウハン
出演:円井わん 間瀬英正 山田太一 清水拓蔵
配給:リアリーライクフィルムズ Cinemaangel

【ストーリー】 高校生のソラ(円井わん)は、父親(山田太一)と二人暮らしだが、その関係は冷え切っている。そんなある日、急死した祖父が第二次世界大戦時の日記の中に遺していた、記号化された宝の存在を知ることとなる。彼女が密かに宝の探索を試み始めたとき、突然無言で後ろ歩きをする見窄らしい男(間瀬英正)と遭遇する。ソラの身に、ほぼ同時に起こった二つの事象。それは果たして何かの啓示なのか?

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