ドイツの巨匠クリスティアン・ペッツォルト監督が“水の精”の神話を現代に置き換えて映画化『水を抱く女』3月公開!

第62回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)を受賞した『東ベルリンから来た女』をはじめ、『あの日のように抱きしめて』、『未来を乗り換えた男』などで知られるドイツを代表する名匠クリスティアン・ペッツォルト監督最新作で、第70回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(最優秀女優賞)と国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞をダブル受賞した『Undine(原題)』が、邦題『水を抱く女』として2021年3月26日より公開されることが決定した。併せて、場面写真がお披露目となった。

本作は、「愛する男に裏切られたとき、その男を殺して水に戻る」という宿命を背負った美しき“水の精・ウンディーネ(オンディーヌ)”の神話をモチーフにした物語。この魅惑的な神話は、古くから多くのアーティストたちにインスピレーションを与えてきた。アンデルセンは童話「人魚姫」を書き上げ、チャイコフスキーはオペラ、ドビュッシーは楽曲を創作した。またゲーテが「ドイツの真珠」と絶賛したロマン派のフリードリヒ・フーケが発表した傑作小説「ウンディーネ」は現代でも読み継がれており、近年、再評価される三島由紀夫の「仮面の告白」にも登場する。

神秘的なウンディーネを妖艶に演じたのは、フランソワ・オゾン監督『婚約者の友人』や、フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督『ある画家の数奇な運命』などの注目作に出演する若き実力派パウラ・ベーア。本作でベルリン国際映画祭とヨーロッパ映画賞にて女優賞受賞という快挙を成し遂げた。そして心優しい潜水作業員のクリストフ役には、ダンサーや振付師としても活躍する『希望の灯り』のフランツ・ロゴフスキが扮する。この主演の二人は、ペッツォルト監督の前作『未来を乗り換えた男』にも出演しており、稀有な才能の親密な再タッグが、濃密な映像世界へと観客を誘引する。

『水を抱く女』
2021年3月26日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督・脚本:クリスティアン・ペッツォルト
出演:パウラ・ベーア フランツ・ロゴフスキ マリアム・ザリー ヤコブ・マッチェンツ
配給:彩プロ

【ストーリー】 ベルリンの都市開発を研究する歴史家ウンディーネ(パウラ・ベーア)。彼女はアレクサンダー広場に隣接する小さなアパートで暮らし、博物館でガイドとして働いている。恋人のヨハネスが別の女性に心移りし、悲嘆にくれていたウンディーネの前に、愛情深い潜水作業員のクリストフ(フランツ・ロゴフスキ)が現れる。数奇な運命に導かれるように、激しく惹かれ合う二人。幸せで無垢な新しい愛を大切に育むも、彼女が必死に何かから逃れようとしているような違和感をクリストフが感じとった時、ウンディーネは再び自分の宿命と直面することになる…。

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