2016年に初版発行されて以来、世代を超えて共感の声が広まり続ける、燃え殻によるベストセラー小説を、森山未來主演で映画化する『ボクたちはみんな大人になれなかった』が、2021年にNetflixにて全世界同時配信されることが決定した。
本作は、ある朝の満員電車の中で、昔フラれた大好きだった彼女に間違えてフェイスブックの「友達申請」を送ってしまった主人公「ボク」の混沌とした1日から始まる、過去と現在をSNSが繋ぐ異色のラブストーリー。
作家・燃え殻のデビュー作である「ボクたちはみんな大人になれなかった」は、ウェブメディアの連載やSNS上で大きく話題を呼び、あいみょんを始め、糸井重里、小沢一敬、会田誠、吉岡里帆、EXITの兼近大樹といった様々なジャンルのクリエイターや著名人から悶絶する程に絶賛された。誰もが感じる切なさや懐かしさが凝縮されたこの物語は、10代や20代からは時代を超えて感情に訴える「エモさ」で話題を呼び、30代や40代からは舞台となる90年代を代表するミニシアター、渋谷の街、流行した音楽や映画のタイトルなど当時のカルチャーを懐かしみながら楽しめると様々な年代を魅了し続けている。若い世代から熱く支持されるシンガーソングライターのあいみょんは、共感のあまり原作の文庫本にエッセイを寄せている程だ。そんな本作が、遂に映画化される。
主演は、数々のヒット作で大役を務めるだけでなく、舞台やコンテンポラリーダンスなど幅広い活躍を見せてきた森山未來。昔の大好きだった彼女にSNSを介して再会してしまう主人公「ボク」を熱演する。『世界の中心で愛を叫ぶ』、『モテキ』といった大ヒットラブストーリーで主役を演じてきた森山の本作での演技に期待が高まる。
監督を務めるのは森義仁。犬童一心、阪本順治他名だたる監督に助監督として師事。その後様々な企業のCM、欅坂46やサカナクションなどのMV を手掛け演出家としての手腕を発揮。2015年にはカンヌ広告祭ではフィルムクラフト部門でゴールドを受賞。「恋のツキ」でドラマ初監督を務め、本作が映画監督としてのデビュー作となる。
▼スタッフ&キャスト コメント
■森山未來(ボク役)
「失われた10年」とも言われる1990年代。そんな不安定な時代に、恋に音楽に仕事に燃えたどこの馬の骨ともしれない主人公。過ぎ去った、その後には何が残っているのだろう。今になってその燃え殻をどう見つめるのだろう。視線をそむけようとも、ただ静かに見守るしかない。この物語にはエンドロールはひとつしかない、ですよね。
■燃え殻(原作)
映像業界の裏方の仕事を20年以上やってきた者として、自分が書いた小説が映像化されることは、この上ない喜びです。2017年、深夜作業をこなしながら明け方寝る前に、この物語を少しずつ書き上げていったことを、脚本家の高田さんと森監督のシナリオを読みながら思い出しました。東京に圧倒されながらも、もがき続ける主人公、インターネットのない時代に文通で知り合ったヒロインのかおり。六本木の夜の天使、スー。社会の数にも入っていなかった頃に出会った同僚の関口。90年代、渋谷系といわれた音楽たちがあって、「裏原宿」という言葉に酔っていた人たちの物語。ノストラダムスの大預言がまだ健在で、何かが始まりそうで、終わりそうだった時代。簡単には過去にできない、過去にならなかったボクたちを、森山未來さんを含めた最高のキャストの皆さんで観られることを、今から楽しみにしております。
■森義仁(監督)
燃え殻さんとはじめてお会いしたのは2年前の渋谷。山本プロデューサーと3人でこの小説の映画化が動き出しました。燃え殻さんの半自伝的なこの小説はエモいと話題になりましたが、そのエモさの裏にある文体には今の時代の村上春樹とでもいうような、映像では表現しづらい人間描写があり、そのニュアンスを大事にしたいと思いました。脚本作りは中々難しかったです。平成から令和という混沌とした時代をただただ生きてきた普通の主人公の25年間と向き合い続けた結果、出来上がった脚本は全く普通ではなく、今まで観たことのないような不思議な脚本になりました。普通の主人公だからこそ、絶対的な個性のある俳優に演じて欲しいと思いました。誰しも誰かに出会うことで自分を形成し、自分がみる風景を変えていく。そういうどこにでもある人生。森山未來さんが演じる主人公の人生と観ているあなたの人生が交差するような新しい感覚を持った映画にしたいと思います。
Netflix映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』
2021年 Netflixにて全世界同時配信
監督:森義仁
原作:燃え殻「ボクたちはみんな大人になれなかった」
脚本:高田亮
出演:森山未來