中川大志「清原果耶さん演じる女の子が本当に可愛いくて…!」アフレコ時の裏話を明かす!

2003年に妻夫木聡、池脇千鶴主演で実写映画化もされた、芥川賞作家・田辺聖子の代表作を、タムラコータロー監督が中川大志と清原果耶のダブル主演で劇場アニメ化する『ジョゼと虎と魚たち』が、12月25日より公開される。このほど、10月7日に第33回東京国際映画祭にて特別招待部門正式出品作品として上映され、ジャパンプレミアイベントに中川大志とタムラコータロー監督が登壇した。

日本では初めてのお披露目となる本イベント。はじめに、中川とタムラ監督は「東京国際映画祭の場に立たせていただくのは初めてで光栄です。そして日本で初めてお客様に見てもらえるということもありドキドキしてます」、「このような大舞台で皆さんにお目にかかれることができて嬉しく思ってます。最初にプロットを書き始めたのが 2017年の4月で、皆さんのお目に書かれるまで3年半以上かかりました。今日この日を迎えられることを嬉しく思います」と順に挨拶しイベントはスタートした。

これまで声優を務めた経験のある中川は、「演じた鈴川恒夫は自分と同い年の設定だったので、素の自分に近い話し方でお芝居させていただきました」と等身大のままアフレコに臨んだことを振り返った。するとタムラ監督は「自然に見せたいシーンと記号的に見せたいシーンの二つを使い分けてほしいと(中川には)伝えてました。どちらか一方に片寄りすぎず、バランスのいい作品にしたいと思っていました」と中川へリクエストしていたことを明かした。

次に、清原と一緒に行ったアフレコについて聞かれた中川は、「私も清原さんも声優専門の仕事をしているわけではないので、不安に思っていること、分からないことは共有していきました。ただ清原さん演じるジョゼと言う女の子が本当に可愛いくて、(演技をしている時も)どんどん引き込まれていったので、気持ちを乗せて演技することができました!」と話し、現場を見ていたタムラ監督も「これまで清原さんが演じたことのなさそうなトリッキーな役柄だったので、下駄をはかせた方がいい部分もあったりしてたくさん指示を出させていただきました。中川さんが『次こうしてほしい!』と前向きな姿勢を見せると、清原さんも刺激をもらってなのか一緒に頑張ろうという空気がブースの中に出来ていましたね」とアフレコの際の裏話を語った。

一足先に本作を観賞している中川は、「とにかくこの映画の中のあたたかい世界観や色、空気感がやさしく感じられると思います。ジョゼは世界を普段見ていない視点から捉える女の子なのですが、ジョゼが想像する世界、夢で見る世界がすごくきれいな映像で感動しました」、タムラ監督は「(ジョゼと恒夫の)二人の感情をうまく表現できればと思い、モノトーンにはしすぎないバランスを模索するなど、色はとても気を付けました。二人の距離感がコロコロと変わるので、キャラクターの絵、背景、色彩などを意識して表現しました。前半と後半の違いを感じてほしいなと思います!」と細かなところまでこだわりぬいた映像を見てほしいと本作の魅力を語り合った。

そして中川は、昨今Go Toキャンペーンが実施される中、この冬行きたい場所を聞かれ、「この映画を見て思ったのですが、大阪が舞台となっていて、皆さんにも映画を見てもらえれば分かると思うのですが、大阪でジョゼ巡りをしたいなと思います!」と自分自身で本作の舞台となった大阪の各地を訪れたいと明かした。

最後に、中川は「監督の指示が細かくて、前のテイクと何が違うのか分からないくらい細かいところまでタムラ監督とこだわりました。以前アニメーション監督の役を務めたこともあるのですが、自分がこの作品の一部になることができてよかったです」、タムラ監督は「アニメーションは人員と時間がとてもかかるもの。長編は特に労力がかかっています。(アニメーション監督役の経験がある)中川さんにその重みを分かっていただいている上で、やってもらえたことは本当によかったです。これから作品を見る皆さんにもエンドロールを見ながらそのようなことも少しだけ感じてもらえたら嬉しいです」とメッセージを送り、イベントは幕を閉じた。

『ジョゼと虎と魚たち』
12月25日(金) ロードショー
監督:タムラコータロー
原作:田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」
脚本:桑村さや香
主題歌:Eve「蒼のワルツ」
挿入歌:Eve「心海」
声の出演:中川大志 清原果耶 宮本侑芽 興津和幸 Lynn 松寺千恵美 盛山晋太郎(見取り図) リリー(見取り図)
配給:松竹 KADOKAWA

【ストーリー】 趣味の絵と本と想像の中で、自分の世界を生きるジョゼ(声:清原果耶)。幼いころから車椅子の彼女は、ある日、危うく坂道で転げ落ちそうになったところを、大学生の恒夫(声:中川大志)に助けられる。海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコにしか生息しない幻の魚の群れをいつかその目で見るという夢を追いかけながら、バイトに明け暮れる勤労学生。そんな恒夫にジョゼとふたりで暮らす祖母・チヅ(声:松寺千恵美)は、あるバイトを持ち掛ける。それはジョゼの注文を聞いて、彼女の相手をすること。しかしひねくれていて口が悪いジョゼは恒夫に辛辣に当たり、恒夫もジョゼに我慢することなく真っすぐにぶつかっていく。そんな中で見え隠れするそれぞれの心の内と、縮まっていくふたりの心の距離。その触れ合いの中で、ジョゼは意を決して夢見ていた外の世界へ恒夫と共に飛び出すことを決めるが…。

©2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project