「聞き分けの悪い犬ね」鞭の音が鳴り響く!SMクラブで出会った男女の愛の行方『ブレスレス』予告編

2019年カンヌ国際映画祭監督週間で上映され注目を浴び、今年度のユッシ賞(フィンランド・アカデミー賞)では9部門にノミネートされ、主演男優賞ほか6部門を受賞したフィンランド映画『ブレスレス』が、12月11日より公開される。このほど、本作の予告編がお披露目となった。

妻を不慮の事故で失い、死んだように毎日を送る外科医のユハ。救いを求めた先は、ふと迷い込んだSMクラブだった。喉元を締め付けられ、窒息寸前の生死をさまよう中でだけ、妻と再会できるのだ。失意の中を生きてきた男と、痛みを与えることでしか生きられない女。出会ってしまった二つの悲しみは、誰にも奪えない唯一無二の愛へと発展していく。

予告編は、全編にわたり、湿度と北欧特有の薄暗さを感じさせる映像となっており、怪しげなネオンに誘われるようにSMクラブに足を踏み入れる主人公・ユハ(ペッカ・ストラング)と、部屋の主であるドミナトリクスのモナ(クリスタ・コソネン)との出会いから始まる。首を締められることで、ありし日の妻の幻影を見るユハ。“普通”の世界では生きられないと自覚するモナ。出会ってしまった二人は、日常生活と非日常的な空間であるSMクラブで次第に価値観が逆転していく。ユハが“生”の実感を求めるように、モナとのプレイにのめり込んでいくが、時としてそれは死と隣り合わせな危険な行為で…。不穏さに満ちた鞭の音、子供の声、そしてEDMが次第に神経を昂らせていき、もう戻れないところまで観客を誘う。「犬はズボンをはかない」「聞き分けの悪い犬ね」といったボンテージに身を包んだ“絶対的女王様”モナのセリフも印象的で、痛覚を伴う映像表現で魅せるユッカペッカ監督が描き出す究極の愛の行く末を期待させる。

『ブレスレス』
12月11日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー
監督・脚本:ユッカペッカ・ヴァルケアパー
プロデューサー:アレクシ・バルディ ヘレン・ヴィノグラードフ
出演:ペッカ・ストラング クリスタ・コソネン イロナ・フッタ ヤニ・ヴォラネン オーナ・アイロラ アイリス・アンティラ エステル・ガイスレロヴァー
配給:ミッドシップ

【ストーリー】 不慮の事故により突然妻を失った外科医のユハ(ペッカ・ストラング)。彼は、妻を救えなかったという自責の念から、毎日を無気力で死んだように過ごしていた。十数年後、ふと迷い込んだSMクラブ。そこには、ボンデージ衣裳に身を包んだドミナトリクス(女王様)のモナ(クリスタ・コソネン)がいた。客と間違えられたユハは、そこで思いもかけない体験をする。首を締められ酸欠状態の中、目の前に現れた映像は妻の死の直前の姿。この先に妻がいる。僅かながらも生きる糧を見つけたユハは、その日を境に、モナの元に通いはじめる。次第に内に秘めた衝動を抑えられなくなり、少しずつ仕事や私生活にも支障をきたしていく。ユハの求めるプレイは激しさを増し、二人はさらに危険な領域へと踏み込んでいく…。

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