高畑充希「大好きなタナダユキさんの作品」福島県に実在する映画館“朝日座”が舞台の映画『浜の朝日の嘘つきどもと』2021年公開!

『百万円と苦虫女』『ふがいない僕は空を見た』『ロマンスドール』のタナダユキ監督が、主演に高畑充希を迎え、オリジナル脚本で贈る『浜の朝日の嘘つきどもと』が、2021年に公開されることが決定した。

本作は、震災後の福島・南相馬に実在する映画館「朝日座」を舞台に、一人の20代女性が東奔西走し映画館の存続を守ろうとする物語。

舞台となった映画館「朝日座」は、福島県南相馬市に実在する。1923年7月2日に芝居小屋・常設活動・写真小屋「旭座」として開館。開館時には坂東勝三郎、中村翫十郎の一座により「旭座舞台開き」が行われ、地方回りの芝居も上演される中、無声映画も数多く上映され、多くの地元住民が足しげく通い、大衆文化の殿堂として賑わいを見せた。様々な災禍も免れ、戦後、映画全盛の時代となった1952年には「朝日座」へ改名し、長年街の人々の暮らしに寄り添い、数多くの思い出を育んでいる。

監督は、本映画館を舞台にオリジナル脚本を執筆したタナダユキが自ら務める。2004年、フォークシンガー・高田渡を追ったドキュメンタリー映画『タカダワタル的』が東京国際映画祭に特別招待作品として上映、さらに同年、劇映画『月とチェリー』が英国映画協会の「21世紀の称賛に値する日本映画10本」に選出され、大きな話題となった。2008年には、監督・脚本を務めた『百万円と苦虫女』で日本映画監督協会新人賞を受賞。その後も映画『俺たちに明日はないッス』、『ふがいない僕は空を見た』、『四十九日のレシピ』、『ロマンス』、『お父さんと伊藤さん』、『ロマンスドール』を発表。また、テレビドラマや配信ドラマでも数多くの作品を世に送り出し、CMやミュージックビデオなどの演出も手掛ける。

主演は、『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』で第43回日本アカデミー賞・優秀助演女優賞を受賞し、映画やテレビドラマ、舞台など幅広く活躍する国民的女優・高畑充希。タナダユキ監督とは初タッグとなる。高畑演じる茂木莉子は、経営が傾く映画館・朝日座を立て直すべく、地元住民と共に東へ西へ奔走し、くじけそうになりながらも奮闘していく。

そのほか、バラエティ番組で人気を博すほか、女優としてテレビドラマや映画など数多くの作品に出演する大久保佳代子が、莉子の高校時代の恩師・田中茉莉子を演じ、今最もチケットが取れないと言われる落語家・柳家喬太郎が、朝日座の支配人・森田保造に扮する。

映画と同じく、監督・脚本はタナダユキが務め、竹原ピストルと高畑充希がダブル主演として出演するドラマ「浜の朝日の嘘つきどもと」が、福島中央テレビ開局50周年記念作品として本日10月30日に放送された。本ドラマでは映画の物語の続きが描かれており、ドラマは今後、配信などで放送される予定。どちらから観ても楽しめる仕掛けになっているため、映画と合わせて注目だ。

■タナダユキ(監督) コメント
映画には、人の人生が様々に映し出されますが、客席からその映画を観る人たちにも当然、それぞれに人生の模様があります。自分の力ではどうにもならないことが起こり、それに翻弄されても、私たちは生きなければならないのでしょう。何があっても前を向かなければいけないというのなら、せめてほんの少しだけの優しさのある映画が作れないものだろうか。そう思ってこの映画を作りました。映画の灯が消えないこと、そして自分を育ててくれた小さな映画館たちがなくならないことを願って止みません。

■高畑充希(茂木莉子役) コメント
大好きなタナダさんの作品に参加出来て、大変幸せな時間でした。明るくポップではありながら、タナダさんの伝えたいメッセージがぎゅっと詰まった絶妙なバランス感覚の台本の中の世界にお邪魔できて、毎日ストレスなく、心地よい時間が流れていたように思います。これがコロナ自粛明け、私にとって一つ目のお仕事だったこともあり、撮影現場の福島では本当に色々なことに思いを巡らせていました。今となりにいる人、今近くにあるものは全て当たり前ではないんだな、という事を脳みそではなく皮膚で直接感じるような、そんな時間でした。舞台となった朝日座、という映画館もノスタルジックな空気感がそこかしこに漂っていて、現代を少し俯瞰で見ているような、カッコよさがありました。震災から10年ということや、コロナも踏まえたストーリーではありますが、どのキャラクターも愛おしく、観ていて明るく前向きな気持ちになれる作品になっていますので、ぜひ楽しんでいただけると嬉しいです。

『浜の朝日の嘘つきどもと』
2021年 全国公開
監督・脚本:タナダユキ
製作プロダクション:ホリプロ
出演:高畑充希 大久保佳代子 柳家喬太郎
配給:ポニーキャニオン

【ストーリー】 100年近くの歴史を持つ映画館「朝日座」。シネコンと呼ばれる複数のスクリーンを持つ複合映画館が活況を見せる中、主に旧作映画を上映する名画座として、地元住民の思い出を数多く育んできた。時代の流れには逆らえず、支配人の森田保造(柳家喬太郎)はサイレント映画『東への道』をスクリーンに流しながら、ついに決意を固める。ほどなく、一斗缶に放り込んだ35mmフィルムに火を着けた瞬間、森田の背後からその火に水をかける若い女性が現れた。茂木莉子(高畑充希)と名乗るその女性は、経営が傾いた「朝日座」を立て直すため、東京からやってきたという。しかし、「朝日座」はすでに閉館が決まり、森田も打つ手がないと決意を変えるつもりもない。地域に密接した映画館を守ろうとする都会の人間と、積年の思いを断ち切り閉館を決めた支配人。果たして「朝日座」の運命やいかに…。

©2021 映画『浜の朝日の嘘つきどもと』製作委員会