2020年、松竹映画は記念すべき100周年を迎える。そんな松竹映画100周年のメモリアルイヤーを記念して、山田洋次監督が沢田研二、菅田将暉のダブル主演、永野芽郁、宮本信子共演で贈る『キネマの神様』が、2021年に公開される。このほど、RADWIMPSの野田洋次郎が、菅田演じる若きゴウの盟友・テラシン役で出演することが発表され、併せて、テラシンのキャラクタービジュアルがお披露目となった。
本作は、無類のギャンブル好きで家族にも見放された主人公・ゴウに“映画の神様”が奇跡をもたらす愛と友情の物語。今年3月にクランクインし、3月下旬に主演に決定していた志村けんが逝去、現今の状況下による撮影中断、全国の映画館が休館とあらゆる困難を乗り越え、新たに沢田研二の出演を迎え撮影が再開されていた。
野田洋次郎が演じるのは、ゴウ(菅田将暉)とともに撮影所で青春を駆け抜け、映画に夢を見た盟友・テラシン。野田といえば、言わずと知れた4人組ロックバンド・RADWIMPSとして活動し、独特の世界観で特に若い世代から熱狂的支持を集めている。さらに、illionとしてのソロ活動をはじめ、大物アーティストへの楽曲提供や、映画『君の名は。』の主題歌・劇中歌を手掛け空前の大ヒットを生み出すなど、まさに日本を代表するアーティストである。一方、野田は誰もが認める“俳優”でもある。2015年公開の『トイレのピエタ』で初主演を務め、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後も数々のドラマや映画に出演し、今年はNHK連続テレビ小説「エール」で、その存在感に世間が注目した。そんな彼がついに、巨匠・山田洋次監督作品に初出演を果たす。菅田将暉とは、ドラマ「dele」の第4話にゲスト出演して以来、約2年半ぶり2度目の共演となる。
野田演じる若き日のテラシンは、主人公のゴウと共に撮影所で映写技師として働き、「将来は自分の名画座を持ちたい」と熱く夢を語る真面目で誠実な男だが、女性に対してはめっきり不器用という役どころ。芯があり愛情深い、それでいて哀愁漂う、深みのある役を見事に演じ切り、俳優・野田洋次郎の新境地を見せる。
キャラクタービジュアルには、その誠実でひたむきな、心優しいテラシンの姿が収められる。そして、沢田研二と菅田将暉演じるゴウ、宮本信子と永野芽郁演じる淑子と連なった5名のビジュアルは、先日公開された4名のビジュアルとともに虹の架け橋で繋がるデザインとなっており、野田が物語に新しい風を吹き込むことを表す。今後新たに発表されるキャストも、一人一人のビジュアルが徐々に繋がっていく予定だ。
■野田洋次郎(テラシン役) コメント
この度『キネマの神様』に参加させて頂きました。物心ついた時からずっと山田監督の映画の世界に触れていた者として、今回頂いたお話はどこか絵空事のようでした。山田監督の演出は明確で、緻密で、何より映画への愛が溢れ出していました。もっともっと触れていたいと、監督の話を聞いてみたいと終盤に向かうに連れ名残惜しくなりました。きっとご覧になった誰しもが映画の持つ魔法に心を強く打たれることと思います。『キネマの神様』をどうぞお楽しみに。
『キネマの神様』
2021年 全国ロードショー
監督・脚本:山田洋次
原作:原田マハ「キネマの神様」
脚本:朝原雄三
出演:沢田研二 菅田将暉 永野芽郁 野田洋次郎 宮本信子
配給:松竹
【ストーリー】 ギャンブル漬けで借金まみれのゴウ(沢田研二)は妻の淑子(宮本信子)と娘の歩にも見放されたダメ親父。そんな彼にも、たった一つだけ愛してやまないものがあった。それは“映画”。若き日のゴウ(菅田将暉)は助監督として撮影に明け暮れる傍ら、食堂の娘・淑子(永野芽郁)に恋をし、映写技師・テラシン(野田洋次郎)とともに夢を語らい、青春の日々を駆け抜けていた。しかしゴウは初監督作品『キネマの神様』の撮影初日に転落事故で大怪我をし、その作品は幻となってしまう。半世紀後の2020年。あの日の『キネマの神様』の脚本が出てきたことで、沈みかけていたゴウとその家族は再び動き始める。
©︎2021「キネマの神様」製作委員会