女優・池田エライザの監督デビュー作で、原案も手掛けた『夏、至るころ』が、12月4日より公開される。このほど、本作の予告編がお披露目となり、併せて、主題歌が、シンガーソングライター・崎山蒼志による書き下ろし楽曲「ただいまと言えば」に決定した。
10代で東京に出た池田エライザ監督自身のエピソードを原案にした本作は、田川市を舞台に、緑あふれる故郷の山々に抱かれながら友情を育んできた男子高校生の翔と泰我が、夏祭りを前に初めて自分の人生と向き合い、それぞれの一歩を選びとる物語。
予告編は、翔(倉悠貴)と泰我(石内呂依)が打ち鳴らす力強い太鼓で始まる。青春の意味さえ知らない少年たちの悩みや焦り、人生への希求、人の温もりを求める叫び、さらには、彼らを見守る親世代の温かいまなざしが映し出され、本作がどんな時代のどんな世代にも届く映画であることを予感させる。さらに、翔を演じた倉悠貴、泰我を演じた石内呂依、そのほか、さいとうなり、リリー・フランキー、原日出子、高良健吾、安部賢一、杉野希妃、大塚まさじなどのキャストも登場する。
主題歌「ただいまと言えば」の作詞・作曲・歌を担当したのは、リリー・フランキーが「天才です」と賞賛を惜しまない現役高校生シンガーの崎山蒼志。池田エライザたっての希望で、このコラボレーションが実現した。崎山は、本作の脚本を何度も読み、10代の震える心で、大切な人や故郷への愛を登場人物に寄り添って優しく歌い上げている。
■崎山蒼志(主題歌) コメント
このような貴重な、素晴らしい機会を与えてくださった池田監督に多大なる感謝を申し上げます。まず、この楽曲は昨年2019年の7月頃、池田監督が司会をしていらっしゃるNHK「The Covers」の収録後に翌日の学校に備えバタバタと品川駅から新幹線に駆け込み、席に座り、すとーんとした気持ちで不意に生まれた「ただいまと言えば〜」というフレーズがベースになっています。その後、有難いことにこの映画の主題歌をやらせていただくことになり、脚本を読ませていただき、「ただいまと言えば〜」というフレーズが頭をよぎりました。そのフレーズを核に、脚本を読んでインスピレーションを受けながら他の部分の歌詞を書き、曲をかき上げました。力強く美しく素晴らしい映画です。静かに滾るような、今悩む多くの方々に観てほしいと僭越ながら思います。この映画に関われたことを、誇りに思います。
『夏、至るころ』
12月4日(金)より、渋谷ホワイトシネクイント、ユナイテッド・シネマキャナルシティ13ほか全国順次ロードショー
監督・原案:池田エライザ
プロデューサー:三谷一夫
脚本:下田悠子
音楽:西山宏幸
主題歌:崎山蒼志「ただいまと言えば」
出演:倉悠貴 石内呂依 さいとうなり 安部賢一 杉野希妃 大塚まさじ 高良健吾 リリー・フランキー 原日出子
配給:キネマ旬報DD 映画24区
【ストーリー】 翔(倉悠貴)と泰我(石内呂依)は高校最後の夏を迎えていた。二人は幼い頃から祭りの太鼓をたたいてきた。だが、泰我が突然、受験勉強に専念するから太鼓をやめると言い出す。ずっと一緒だと思っていた翔は急に立ちすくんでしまう。自分はどうしたらよいのか、わからない…。息子の将来を気にかける父と母、やさしい祖父と祖母、かわいい弟。あたたかい家族に囲まれると、さらに焦りが増してくる翔。ある日、そんな翔の前にギターを背負った少女、都(さいとうなり)が現れる…。
©︎2020「夏、至るころ」製作委員会