岩手県の新幹線請願駅「新花巻駅」の設置を巡る14年間の物語『ネクタイを締めた百姓一揆』11月公開!

市民運動の末、決定事項を覆し、新幹線の駅の設置を実現した実話を映画化する『ネクタイを締めた百姓一揆』が、11月6日より公開されることが決定した。併せて、予告編、ポスタービジュアル、場面写真がお披露目となった。

本作は、1971年(昭和46年)10月に日本国有鉄道(国鉄)が発表した東北新幹線基本工事計画には設置予定として名前のなかった、実在する岩手県の新幹線請願駅(※)「新花巻駅」が、市民運動の末、1985年(昭和60年)3月に開業するまでの奇跡の逆転劇を、労働組合の隆盛から国鉄分割民営化へとつながる時代を背景に描いた群像劇。
※「請願駅」とは、地方自治体・地元住民・新駅周辺企業等の要望により開設された鉄道駅のこと。

新幹線のみならず、昭和の物的インフラ整備に懸けられた想い。そこには様々な人々・地域の思惑があった。昭和の時代に“駅”言わば“街作り”に全力を尽くした人たちの、決定事項を覆した「不屈の精神」は、令和の時代を生きる我々の勇気の源になるに違いない。

本作は、地元・岩手県の5つの映画館での先行上映を経て、11月6日よりアップリンク渋谷を皮切りに全国公開される。

■河野ジベ太(監督・脚本・編集・撮影) コメント
これは実在する新幹線の一つの駅に纏わる物語ですが、同時に昭和に整備されてきた様々なインフラに込められた普遍的な物語でもあります。今の私達にとって当たり前の便利な日本は、かつての人々の熱い思いによって実現されてきたものです。本作の舞台は、1971年からの14年間の岩手県花巻市です。激動の70年代、理想と現実、人と人の思いが真っ向からぶつかった時代。駅を素人の市民が作ろうとすれば当然、知らないことだらけ、一筋縄で行きません。不器用に間違えて回り道してぶつかって、それでもくじけず前を向くエネルギーを大切にしようと思いながら脚本を書きました。おじさんたちの映画なのに青春映画のようになっているのはきっと新しいことに挑戦したときに人は誰でも若者のようなエネルギーを持つからだと思います。みんなのために本気だったからこそ傷つき、喜び、前に進んだ。現代の令和という個人を尊重するデリケートな時代にも、きっと心に響く物語だと思っています。

『ネクタイを締めた百姓一揆』
11月6日(金)より、アップリンク渋谷ほか全国ロードショー
監督・脚本・編集・撮影:河野ジベ太
出演:金野佳博 千田秀幸 堀切和重 藤原俊春 小原良猛 佐藤正明 東海林浩英 小野智明 高橋広朗 穂坂栄一 高橋洋
配給:アルミード

【ストーリー】 東海道新幹線の大成功から、新幹線が日本中で期待の的になっていた1971年(昭和46年)10月、日本国有鉄道(国鉄)は、東北新幹線基本工事計画を発表。停車駅設置が有力視されていた岩手県花巻市の市民は大きく期待していたが、市の誘致運動の結果、発表された設置予定停車駅は一関、北上、盛岡。そこに花巻の名は無かった。その上、線路も街の中心部を大きく外れていた。その時、数名の市民が立ち上がり、「東北新幹線問題対策花巻市民会議」を発足。市民総決起大会を開催し、一市民の会議ながら、国鉄に直談判に行くなど、駅設置運動を始める。一方、日本国有鉄道は赤字を抱えたまま解消できる算段もつかず、労働組合は暴走し、国民からの非難は大きくなるばかりであった。そして勃発した「スト権スト(ストライキ権奪還ストライキ)」。国鉄は大きな方向転換を迫られていた。果たして、数十億かかるという予算の問題などを解決し、駅は出来るのか?