「妖怪人間ベム」の生誕50周年を記念して、2019年に完全新作アニメとして制作・放送されたTVアニメ「BEM」を映画化する『劇場版BEM~BECOME HUMAN~』が10月2日より公開される。それに先立ち、9⽉19⽇に都内劇場で完成披露上映会が開催され、ベム役の⼩⻄克幸、ベラ役のM・A・O、ベロ役の⼩野賢章、そして本作で声優に初めて挑戦したバージェス役の宮⽥俊哉(Kis-MyFt2)が登壇した。
本作のアフレコが⾏われたのは昨年の12⽉ごろ。その後、新型コロナウイルスの感染が拡⼤し、アフレコ当時は予想もしなかったような⼤きな変化が社会にもたらされたが、⼩⻄は「率直にいまの気持ちは、こうして映画を公開することができてよかったなという思いです。⾒ていただかなければ作品は完成しないので、、公開できることが嬉しいです」とホッとした様⼦。M・A・Oも⼩⻄の⾔葉にうなずき「劇場で公開できることが嬉しいし、こんな状況の中で、⾜を運んでくださるみなさんがたくさんいることがすごく嬉しいです」と満⾯の笑み。⼩野も、無事にお披露⽬を迎えたことを喜びながら「作品⾃体、すごく⾯⽩くなっているので早くみなさんに⾒てほしいです」と出来栄えに⾃信をのぞかせた。
⼀⽅、ジャニーズきってのアニメ好きとしても知られる宮⽥は、錚々たる声優陣に囲まれて「ここに⽴ってていいのか…」と緊張の⾯持ち。「⼩⻄さん、M・A・Oさん、⼩野さんという、僕が散々、(視聴者として)⾒たり聴いたりしてきた⽅とここに並んでいるというのは、プレッシャーでしかないです」と困惑しきり。これに対し、⼩⻄は「逆ですよ!こっちが散々⾒てました」と返し、⼩野は⾐装を指して「⾊がかぶってしまってすみません(笑)!」とイジリ、和気あいあいとした仲の良い様⼦をうかがわせた。
アニメ好きとあって宮⽥は、今回の声優のオファーに、⼆つ返事でひきうけたのかと思いきや、好きだからこそ安易に声の仕事をすることにためらいもあったそう。「昔からアニメが好きだったので『ちょっと無理です…。できないよ』と思い、お話をいただいたのは嬉しかったですが、やるからにはレッスンとか指導していただける環境がないと、好きなアニメを台無しにしてしまうと思いました」と振り返る。レッスンでは「マイクの前で⽚⼿で台本を持ってめくったら『それだと紙の⾳をマイクが拾ってしまうのでとダメです』というところから教えていただきました」と全くのゼロからのスタートだったと述懐。完成した作品を⾒ての感想を問うと「アニメから⾃分の声がするということに、違和感というか、恥ずかしいです!」と苦笑まじりに恥ずかしそうに語っていた。だが、そんな宮⽥の声優ぶりについて、⼩⻄は「すごいです。声優さんですよ。俺たちの商売あがったりですよ!」と絶賛。「第⼀声からうまいなと思ったのは、ちょっと(会話の相⼿と)距離のあるシーンだったんですが、その距離感をちゃんと出している」と語り、「ジャニーズさんは、絶対に(宮⽥さんを)声優業界に⼊れた⽅がいい!」とイチオシ!M・A・Oも「⾃分が⼀番最初に声優をやったとき、こんなに上⼿にできたか…?と思いまいた」と初めてとは思えない宮⽥の演技⼒の⾼さに驚いた様⼦。⼩野も「よく声が通りますよね」と宮⽥の声優としての適性の⾼さに太⿎判を押していた。
1968年に放送された伝説的アニメのリブート版への出演という点について、⼩⻄は「僕らが作る作品も、さらに50年続いてつないでいける作品になればいいなと思っていました。キャラもリニューアルされていたので、これから始まる新しいベムを作れればと思っていました」と振り返る。M・A・Oは「最初は『あのベムをですか?』という気持ちがあったけど、その世代ごとの⾊を⼊れながら作ってくださっていたので、今回のベラなら私にもさせていただけるのかな?ご縁があったのかなという思いで、いい緊張感で携われたと思います」と語る。出演が決まった当初は、ベロ役をやるということが「全然ピンと来なかった」という⼩野だが、「(オリジナル版と⽐べて)だいぶ変わっていたので、⾃分が思うベロを⼀から作っていき、⼒を抜いて楽に演じさせてもらいました」と語った。
宮⽥は、ベムの親友のバージェスを演じているが「⼦どもの頃に(オリジナル版を)再放送で拝⾒し、去年のTVシリーズも⾒ていて思ったのは、⼦どもの頃は『怖いな』としか思わなかったけど、⼤⼈になって⾒たらメッセージがあって、世代ごとに捉え⽅が違う作品だなということ。そこに⾃分が⼊るというのは『どうしよう?』という気持ちでしたが、ジャニーズの先輩である⻲梨(和也)くんが実写ドラマ版をやってて、ジャニーズともつながりある作品なので、頑張らなきゃ!という思いでした」と作品の魅⼒と思いを⼝にした。ちなみにバージェスという役は、宮⽥⽈く「宮⽥史上最も軽薄な役」とのことだが「裏のある役ということで、僕は裏でも表でもこんな調⼦で裏がないので(笑)、裏がある⼈間ってどういう⼈間かな?と考えました。『軽薄ってなんだ?』『裏があるってなんだ?』とノートに書いたりして作っていきました。監督にバージェスはどういうキャラクターかを聞いたら『深夜の通販番組のノリ』と⾔われて、全然ピンと来なかったんですけど(苦笑)、やってるうちにだんだんそんな気持ちになってきました」とキャラクターを作っていく過程を明かした。
さらに、この⽇のイベントでは、9⽉14⽇に32歳の誕⽣⽇を迎えた宮⽥をサプライズで特製ケーキでお祝い。何も知らされていなかった宮⽥は、突然現れた巨⼤なケーキに驚きつつ「今年はこういう状況で、近い距離でお祝いしてもらうのは無理かなと思っていたので嬉しいです」と満⾯の笑み。「去年は『⽇本⼀かわいい31ちゃい(歳)です』と⾔ってたので(笑)、今年は『⽇本⼀かわいい32ちゃい』で頑張りたいと思います!」と抱負を⼝にした。最後に声優陣を代表して⼩⻄が「映画のコピーで『ついに願いは叶えられる』とありますが、どういう願いが叶えられるのか?みなさんの⽬で確認していただければと思います」と呼びかけ、舞台挨拶は幕を閉じた。
『劇場版BEM~BECOME HUMAN~』
10月2日(金) 全国ロードショー
監督:博史池畠
原作:ADKエモーションズ
脚本:冨岡淳広
キャラクター原案:村田蓮爾
キャラクターデザイン:松本美乃
アニメーション制作:Production I.G
主題歌:「unforever」(歌:りぶ 作詞・作曲・編曲:TK)
声の出演:小西克幸 M・A・O 小野賢章 内田真礼 乃村健次 諏訪部順一 高木渉 伊藤静 水樹奈々 宮田俊哉(Kis-My-Ft2) 山寺宏一
配給:クロックワークス
【ストーリー】 リブラシティの事件から2年。行方不明となったベムたち妖怪人間の行方を探し続けていた刑事・ソニアは、目撃情報を元に「ドラコ・ケミカル」という製薬会社を訪れる。そこで出会ったのは、逞しく成⻑し、たった一人で悪と戦い続けるベロ、戦いを拒み、普通の女の子としての暮らしを望むベラ、そして、ベムにそっくりな姿の“ベルム”という男だった…。ベルムは、自分のことをベムと呼ぶソニアとの接触以来、毎夜、悪夢にうなされることになる。愛する妻と子どもに囲まれた暖かい家庭。優しい街の人々とのいつもの交流。気の置けない同僚と、やりがいのある仕事。そんな、自分にとってごく普通の、変わらないはずの日常が、音を立てて崩れ落ちていく…。「俺は一体、誰なんだ…?」彼らの運命はすれ違い、交錯し、やがて妖怪人間誕生の秘密へと繋がる。⻑年抱いていた夢の答え。果たして妖怪人間が選び取った未来とは…!?
©ADK EM/劇場版 BEM 製作委員会