吉岡里帆「最高の一本」、小説家・平野啓一郎「リヒターを誤解していたのではと疑い…」著名人絶賛!『ある画家の数奇な運命』場面写真

『善き人のためのソナタ』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞したフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督が、現代美術界の巨匠であり、ときにオークションで数十億円の価格がつくアーティスト、ゲルハルト・リヒターの半生をモデルに、祖国ドイツの“歴史の闇”と“芸術の光”に迫った最新作『ある画家の数奇な運命』が、10月2日より公開される。このほど、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられ、併せて、場面写真がお披露目となった。

ナチ政権下のドイツ。少年クルトは叔母の影響から、芸術に親しむ日々を送っていた。ところが、精神のバランスを崩した叔母は強制入院の果て、安楽死政策によって命を奪われる。終戦後、クルトは東ドイツの美術学校に進学し、そこで出会ったエリーと恋に落ちる。元ナチ高官の彼女の父親こそが叔母を死へと追い込んだ張本人なのだが、誰もその残酷な運命に気付かぬまま二人は結婚する。やがて、東のアート界に疑問を抱いたクルトは、ベルリンの壁が築かれる直前に、エリーと西ドイツへと逃亡する。晴れて美術学校で創作に没頭するが、教授から作品を全否定され、もがき苦しむ。だが、魂に刻む叔母の言葉「真実はすべて美しい」を信じ続けたクルトは、ついに自分だけの表現方法を発見し新作を完成させる。それは、罪深い過去を隠し続けた義父を震え上がらせる作品でもあった…。

場面写真には、ナチ政府が彼らの美の概念にそぐわないとみなした近代美術や前衛芸術に「退廃芸術」の烙印を押し、晒しものにした“退廃芸術展”に、幼少時のクルトと彼に多大な芸術的影響を与えた叔母が訪れる、クルトにとっての芸術の原体験となるようなシーンや、悩みながらも“自分にとっての真実”を求めるクルトが、西ドイツのデュッセルドルフ芸術アカデミーで実験的な絵画に触れ、自身でも挑戦する姿などが収められる。

▼著名人 絶賛コメント

■奈良美智(画家・彫刻家)
歴史に翻弄される人生映画と、真剣に美術に向かい合うひとりの青年の成長の描き方が、数々ある素晴らしい映画以上のものにしている。

■平野啓一郎(小説家)
リヒターを誤解していたのではと疑い、また、やはり正しく理解していたのだとも思う。韜晦(読み:とうかい)の隙間に真相がちらつく。

■前田エマ(モデル)
「芸術は無くならない」その意味を教えてくれる、苦しくも美しい戦いの日々がここに在りました。

■滝本誠(映画評論家)
ナチス“退廃芸術展”以降、リヒターの目、行動を通しての20世紀西欧美術史3時間フルコース、前菜がヘヴィ!

■椹木野衣(美術批評家)
ナチスの退廃芸術から戦後ドイツ、東の社会主義リアリズム、西の現代美術、そして伝説のヨーゼフ・ボイスの講義までが再現される、激動の20世紀美術史=映画。

■SYO(映画ライター)
魂を溶いて描いたような、無二の力作。戦禍も災厄すらも、芸術の前では養分なのだ。

■吉岡里帆(女優)
ずっと出会いたかった映画。様々な幸せの捉え方があるが、真実に希望を見出す人生はその中でも最も強く逞しくゆるぎない。最高の一本でした。

■和田彩花(アイドル)
立場を超えて、生活から見出される人間の営みや苦悩に寄り添う本ストーリーの姿勢に心を揺さぶられた。

■小野正嗣(作家)
画家自身は言葉にしない創造の原風景に想像力を携えて近づくこと。そのとき絵は、映像は、人の絆を破壊する暗い力に屈しない生命の脈動で私たちを震わせる。

■藤原ヒロシ(音楽プロデューサー)
官能的で感動的。激動の時代を客観的に眺めた少年の心が芸術を通して溢れ出る。

『ある画家の数奇な運命』
10月2日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督・脚本・製作:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
音楽:マックス・リヒター
出演:トム・シリング セバスチャン・コッホ パウラ・ベーア オリヴァー・マスッチ ザスキア・ローゼンダール
配給:キノフィルムズ 木下グループ

【ストーリー】 ナチ政権下のドイツ。少年クルトは叔母(ザスキア・ローゼンダール)の影響から、芸術に親しむ日々を送っていた。ところが、精神のバランスを崩した叔母は強制入院の果て、安楽死政策によって命を奪われる。終戦後、クルト(トム・シリング)は東ドイツの美術学校に進学し、そこで出会ったエリー(パウラ・ベーア)と恋に落ちる。元ナチ高官の彼女の父親(セバスチャン・コッホ)こそが叔母を死へと追い込んだ張本人なのだが、誰もその残酷な運命に気付かぬまま二人は結婚する。やがて、東のアート界に疑問を抱いたクルトは、ベルリンの壁が築かれる直前に、エリーと⻄ドイツへと逃亡し、創作に没頭する。美術学校の教授から作品を全否定され、もがき苦しみながらも、魂に刻む叔母の言葉「真実はすべて美しい」を信じ続けるクルトだったが…。

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