2003年に妻夫木聡、池脇千鶴主演で実写映画化もされた、芥川賞作家・田辺聖子の代表作を、タムラコータロー監督が劇場アニメ化する『ジョゼと虎と魚たち』の公開日が12月25日に決定し、中川大志と清原果耶がW主演を務めることが発表された。併せて、特報映像と場面写真がお披露目となった。
芥川賞作家・田辺聖子の名編で、2003年に妻夫木聡・池脇千鶴主演で実写映画化もされた「ジョゼと虎と魚たち」。趣味の絵と本と想像の中で、自分の世界を生きる車椅子のジョゼ。自分の夢を追いかける、大学生の恒夫。ある晩、ジョゼは恒夫と出会い、意を決して彼とともに外の世界へ飛び出すことに決める。瑞々しく真っすぐな純愛の中、誰かを通じて自分とお互いを知って前に進む姿を、楽しさと切なさ、痛みと喜びを交えて描き出す。
留学する夢のためにアルバイトに勤しむ大学生・恒夫には、テレビドラマ「家政婦のミタ」で注目を集め、以後、NHK大河ドラマ「真田丸」をはじめ数々の映画・ドラマに出演する中川大志。可愛らしい見た目とは裏腹に口が悪い、車椅子のヒロイン・ジョゼにはNHK連続テレビ小説「あさが来た」で女優デビューを果たし、その魅力と演技力で一躍脚光を浴びた清原果耶。さらに、彼らを取り巻く主要キャラクターには、宮本侑芽、興津和幸、Lynnなど豪華声優陣が扮する。また、本作の主題歌はEveの「蒼のワルツ」に決定した。
中川は「恒夫を演じていけばいく程、僕はジョゼが愛おしくて堪らなくなりました。ジョゼと出逢って、見慣れたはずの景色がこんなにもカラフルに見えるなんて。お客様にも、ジョゼと恒夫と共に、劇場でその景色を観て頂ければ嬉しいです」と語り、清原も「出会うべくして出会ったような、そんな2人が手を取り合って新しい世界へ飛び出すお話です。ジョゼを演じると聞いた時、とても嬉しく思った事を覚えています。アニメーションでしか描けない映像の美しさを、是非スクリーンで感じて頂ければ幸いです」とコメントした。
主題歌を担当するEveも「最初に監督から頂いた絵コンテはまるで登場人物が今にも動き出しそうで、映像が飛び込んでくるかのような繊細さと美しさに感動したのを覚えています。この作品の一部分を担えることができてとても嬉しいです」とコメントを寄せている。
特報映像では、前半、恒夫に対して「お前は今日から管理人や」と言い放って様々な命令を下すジョゼと、それに対して不満一杯の恒夫とのコミカルなやり取りが繰り広げられる。後半は人魚のような姿になって自由に泳ぎ回るジョゼの映像と共に、彼女の「ええなぁ、お前は好きな場所に行けて」という内面を吐露するような台詞が。恒夫の「欲しいものに手を伸ばすのがどれだけ怖いことか…」という台詞も入り、彼らの関係性や行く先に一抹の不安がよぎる。果たして2人は自分たちの望むものを手に入れることが出来るのか…?
■中川大志(鈴川恒夫役) コメント
恒夫を演じていけばいく程、僕はジョゼが愛おしくて堪らなくなりました。ジョゼと出逢って、見慣れたはずの景色がこんなにもカラフルに見えるなんて。お客様にも、ジョゼと恒夫と共に、劇場でその景色を観て頂ければ嬉しいです。
■清原果耶(ジョゼ役) コメント
出会うべくして出会ったような、そんな2人が手を取り合って新しい世界へ飛び出すお話です。ジョゼを演じると聞いた時、とても嬉しく思った事を覚えています。慣れない演技に足踏みをしたりしましたが監督が丁寧に指導して下さり、中川さんが雰囲気を引っ張って下さったお陰で無事に撮り終えることが出来ました。役者が声を吹き込む、という事の意味や、監督・スタッフの皆様の、この作品に対する情熱を現場で教えて頂いた気がします。本当に有難い経験でした。ジョゼと恒夫のみならず、観て下さった方々に愛されるような登場人物が沢山出てきます。アニメーションでしか描けない映像の美しさを、是非スクリーンで感じて頂ければ幸いです。
『ジョゼと虎と魚たち』
12月25日(金) ロードショー
監督:タムラコータロー
原作:田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」
脚本:桑村さや香
主題歌:Eve「蒼のワルツ」
声の出演:中川大志 清原果耶 宮本侑芽 興津和幸 Lynn 松寺千恵美
配給:松竹/KADOKAWA
【ストーリー】 趣味の絵と本と想像の中で、自分の世界を生きるジョゼ(声:清原果耶)。幼いころから車椅子の彼女は、ある日、危うく坂道で転げ落ちそうになったところを、大学生の恒夫(声:中川大志)に助けられる。海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコにしか生息しない幻の魚の群れをいつかその目で見るという夢を追いかけながら、バイトに明け暮れる勤労学生。そんな恒夫にジョゼとふたりで暮らす祖母・チヅ(声:松寺千恵美)は、あるバイトを持ち掛ける。それはジョゼの注文を聞いて、彼女の相手をすること。しかしひねくれていて口が悪いジョゼは恒夫に辛辣に当たり、恒夫もジョゼに我慢することなく真っすぐにぶつかっていく。そんな中で見え隠れするそれぞれの心の内と、縮まっていくふたりの心の距離。その触れ合いの中で、ジョゼは意を決して夢見ていた外の世界へ恒夫と共に飛び出すことを決めるが……
©2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project