ポストパンク時代を生きた破滅的な若者たちと、“カジュアルズ”の黎明期を描いた『アウェイデイズ』10月公開!

2009年本国公開のイギリス映画で、1979年のマージーサイドを舞台に破滅的な若者たちと、英国フットボール発祥の文化“Football Casual”<カジュアルズ>の黎明期を描いた映画『アウェイデイズ』が、10月16日より公開されることが決定した。

圧倒的な暴力とセクシャル、そしてロックンロールに満ち溢れ、現代人にとってはどこか滑稽にも映ってしまう本作は、ケヴィン・サンプソンが1998年に上梓した同名小説を基に、ポストパンク時代の研ぎ澄まされていたエナジーを記録した真実の物語。ジョイ・ディヴィジョン、ザ・キュアー、マガジン、エコー&ザ・バニーメン、ウルトラヴォックスの音楽をバックに、若者たちが自らの拠りどころを探し、絶対的な者へ憧憬を抱き、そして形成された“族”の中で避ける事の出来ない運命にもがき苦しむさまをリアルに映し出す。また、これまで日本ではほとんど紹介されることの無かった英国フットボール発祥の文化“Football Casual”<カジュアルズ>(※)の黎明期を初めて切り取った映画でもある。

※“Football Casual”とは、毎週末にサッカースタジアムに通う労働者階級のファッションを指す。フーリガンの別称として“カジュアルズ=Casuals”という言葉を使う向きがあるが、Football Casualという言葉自体は80年代に入ってから雑誌がカテゴライズして広まった言葉であり、70年代の終わりに、何千というリヴァプールのサポーターたちがチームに帯同してヨーロッパをまわりアディダスのスニーカーを手に入れ、それを履いてロンドンのチームとの試合に行く、それを見たロンドン子たちが衝撃を受け真似ていったという大きな流れがある。リヴァプールでは自分たちを“Scallys”と呼び、カジュアルズはロンドンでの呼称として広まった。まずフットボールありきで、スタジアムに入り易くするためにスポーツブランドに身を隠す様になったと言われている。

本国では公開当時『スタンド・バイ・ミー』、『さらば青春の光』、『トレインスポッティング』、『コントロール』等の映画を例えに、さらにはこれら全ての要素を詰め込んだ、若者の生き辛さを描いたJ・D・サリンジャーによる小説「ライ麦畑でつかまえて」のジャックナイフ版であると紹介された。本国公開より11年の月日を経て、遂に日本での劇場公開が決定した。

『アウェイデイズ』
10月16日(金)より、新宿シネマカリテほかロードショー、以後全国順次公開
監督:パット・ホールデン
プロデューサー:デヴィッド・A・ヒューズ
原作:ケヴィン・サンプソン「AWAYDAYS」
脚本:ケヴィン・サンプソン
出演:ニッキー・ベル リアム・ボイル スティーブン・グレアム イアン・プレストン・デイビーズ ホリデイ・グレインジャー サシャ・パーキンソン オリヴァー・リー ショーン・ワード マイケル・ライアン リー・バトル レベッカ・アトキンソン ダニエレ・マローン デヴィッド・バーロウ アンソニー・ボロウズ
配給:SPACE SHOWER FILMS

【ストーリー】 母親を1年前に亡くした19歳のカーティは下級公務員として働きながら、郊外の中産階級の家庭で悲しみにくれる父、そして血気盛んな妹モリーと暮らしていた。収入のすべてはクラブ遊び、レコード、サッカー、ライブに費やしている。そんなある日、「エコー&ザ・バニーメン」のライブでカーティはエルヴィスに出会う。エルヴィスはカーティが魅了されていた悪名高いギャング集団“パック”の一員だった。彼らはピーターストームにフレッドペリー、ロイスのジーンズ、そしてアディダスのスニーカーを履いてスタジアムで常に問題を起こしていた。エルヴィスはカーティに“パック”と付き合うことが危険であることを警告した。それよりもエルヴィスはカーティの様に芸術、音楽、詩、そして死について語り合える友人をずっと待っていた。そして、いつしかエルヴィスはカーティに夢中になっていく。しかし、カーティの“パック”への憧れはエスカレートして行き、エルヴィスの警告にもかかわらず、危険な世界の扉を徐々に開いていくのだった。ある日の遠征でカーティは成果を得るが“パック”のボス、ゴッドンに認められることはなかった。自分よりも、謎に包まれた存在のエルヴィスが尊敬を集めていることに苛立つカーティ、自分の想いが届かないことに苦悩するエルヴィス。次第に綻びは大きな傷になっていくのだった…。

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