伊藤沙莉「いけないことをしたら“牢屋”なんだと勉強した…」人生最大の危機を告白!

日本で最高視聴率20.5%を記録し、尾田栄一郎による漫画「ONE PIECE」のモチーフにもなった名作アニメを、完全オリジナルストーリーでCGアニメーション化した『小さなバイキング ビッケ』が、10月2日より公開される。このほど、6月29日にAMG ホールにて公開アフレコ&記者会見が行われ、主人公・ビッケ役の声を担当した伊藤沙莉が登壇した。

伊藤は公開アフレコにて、弓矢のコンテストの準備をするビッケが、ハンマー好きな不思議なリスと出会い、話しかけるシーンの吹替えを披露。笑顔も見せていたが、実は“初”の公開アフレコにかなり緊張していたという。

記者会見がスタートすると、多くのマスコミが集まった会場に少し驚いた様子で改めて伊藤が登場。初めに、ビッケ役に決まったときの感想を「いつかは、男の子の声のお仕事をやらせていただきたいと思っていたんです。なのですごく嬉しかったです。海賊というのも夢がありますし」と語り、「私の母が(かつてのアニメ作品に)ドンピシャ世代なので、母に話したときが一番緊張しました」と口にした。

先ほど行われた公開アフレコに触れられると、「やりづらかったです」と苦笑い。「来ていただいたのに本当に申し訳ないんですけど、緊張しました。普通にアフレコするだけでも緊張するのに、みなさんに見られているので。普段の撮影やお芝居とは違って、(声優は)顔が映らないお仕事、声で表現するお仕事なので、そういうときの私は顔がオフというか、見られちゃまずい顔をしているんです(笑)。今日はそれが出ないように気を付けました」と明かした。

続けて、作品の感想を「すごく勇気をもらえる作品だと思いましたし、心からビッケを応援したくなりました。ビッケは、『まだ早い』『まだそこまでじゃない』とまわりから言われるんですけど、これって、一般的にも置き換えられることだと思うんです。決めつけられてがんじがらめになっちゃう。でもビッケはそこをパンって解き放って成長に繋がっていく。すごく温かい気持ちになれる作品だと思いました」と語り、「私は3兄弟の末っ子なんですけど、私もいつまで経っても子供扱い。自分はもっと成長してるのにというもどかしさを感じることがあるので、ビッケに共通するものがあるなと、自分の家族がよぎりました」と自身とも重ね合わせたことを口にした。

伊藤は、実の兄であるお笑いコンビ「オズワルド」の伊藤駿介と、普段からSNSなどでも仲の良い関係を見せている。そんな兄に「明日、ビッケの会見をしてくる」と伝えると、「え!また声やるの!?吹き替えるねぇ〜」と言われたそうで、「何言ってるんだろうと思いました」と兄弟らしいやりとりに素顔を覗かせた。

また、子供役ということで、伊藤自身の少女時代についても質問が。伊藤は「今考えると、ぞっとするくらい怖いもの知らずでした。気になったら一直線でした」と振り返りながら、「今は変わった」と続け、「今は真逆です。“石橋を叩いて渡らない”タイプです。なんですかね。失敗することを知って、怖くなっていったんじゃないですかね」と分析しながら、今までで一番危機だったこととして、「警察に連れていかれたこと」と耳を疑う告白を始めた。「幼稚園くらいのときに、スーパーで売っていた『Dr.スランプ アラレちゃん』のノートがどうしても欲しくて、一枚だけ破いちゃったんです。まだ判断能力が欠けていたので。そしたらお母さんに見つかりまして。そのノートをすぐに買ってくれたんですけど、そのまま警察に連れて行かれて、『もうあなたとは二度と会えない。牢屋に入ることになるから』と言われました」と、「いけないことをしたら牢屋なんだと勉強しました」と人生最大の危機と、母親からの教えを明かした。

また、自粛期間中は何をしていたか聞かれ、「一生(分)、家にいました」と回答。「ネットのコンテンツや映画を観たり、自宅にカラオケを搭載しまして、マイクも買って、家で一生(分)歌ってました」と話すと、会場からは笑いが。さらに、「あとは料理をしたり…」と続けると、思い立ったように「花嫁修業のような期間でした!」とコメント。「ヒゲのおじさん(兄:伊藤駿介)とずっと一緒だったんですけど、かなり鍛えられました」と振り返り、すかさず記者から「花嫁になる予定はあるんですか?」と切り込まれるも、「ないんです。悲しいけれども!」と大きな声で即答。「だいぶ鍛えられたので、これから出会う人とはうまくいきそうです」と希望的観測を語り、会場を笑わせた。

最後に、「第57回ギャラクシー賞」並びに「日本映画批評家大賞助演女優賞」受賞を祝福され、満面の笑みを見せた伊藤。「頑張っていれば誰かが見ていてくれるんだなと実感しました。また新たなスタートだなと感じています。ここからまたもっともっと頑張っていきたいと思います。ビッケでの男の子役もそうですが、やったことがないことができるのが毎回楽しいです。自分にはこんな役こないだろうと、想像もしていなかった役が舞い込んできたりする瞬間がすごく嬉しい。これからも伊藤沙莉の、また違った一面を何かの役で表現させていただけることが出来たらいいなと思っています」と目標を語り、記者会見が幕を閉じた。

『小さなバイキング ビッケ』
10月2日(金)より、イオンシネマほか全国公開
監督:エリック・カズ
アニメーター:ティモ・ベルク
声の出演:伊藤沙莉
配給:イオンエンターテイメント AMGエンタテインメント

【ストーリー】 ビッケはバイキング・フラーケ族の族長ハルバルの息子。ハルバルは元気な力持ちだがどうも頭の回転が鈍く族長としては頼りない。そんな父とは正反対にビッケは小さくて力もないが、知恵は誰にも負けませんでした。ある日、母のイルバが魔法の剣の力で黄金に姿を変えられてしまいます。ハルバルは案内役のレイフと船員たちと海賊船で剣の秘密を解く旅に出発。おいてきぼりを食らったビッケはそっと樽に隠れ海賊船に乗り込みます。知恵と仲間の力で困難を乗り越え、ビッケたちが辿り着いたのは謎の島。人間界に追放されたアズガルドに住む神、ロキが待ち受ける。ビッケたちの運命とは…!?

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