第21回太宰治賞を受賞した、芥川賞作家・津村記久子のデビュー作を、佐久間由衣主演、奈緒共演で映画化する『君は永遠にそいつらより若い』が、2021年に公開される。このほど、本作のティザービジュアルがお披露目となり、併せて、追加キャストとして笠松将、小日向星一、葵揚、森田想が出演することが発表された。
本作は、卒業間近の大学生である主人公がなんとなく過ごす日常の中で、ふとした折に“暴力”“児童虐待”“ネグレクト”などの社会の闇と、それに伴うやり切れない“哀しみ”に直面する物語。
ティザービジュアルは、堀貝(佐久間由衣)と猪乃木(奈緒)が共に強い眼差しで正面を見据えており、映画の一部で描かれるシリアスな世界観を感じさせる。
新たなキャストとして、堀貝と同じ大学に通う学生で、彼の死が物語の大きな転換点となるキーパーソン・穂峰直役に、『花と雨』『ドンテンタウン〜曇天街
〜』などの主演作が続く笠松将。堀貝と穂峰の二人が繋がるきっかけとなる友人・吉崎壮馬役に、『向こうの家』『星屑の町』などで活躍する小日向星一。堀貝のバイト先の後輩・安田貴一役に、『HiGH&LOW THE WORST』に出演し広告や雑誌のモデルとしても活動する葵揚。そして、堀貝の気の置けない女友達・岡野あかり役に、『アイスと雨音』にて主演を果たし今年は小路紘史監督作『辰巳』の公開が控える森田想が扮する。佐久間由衣、奈緒と共に、日本映画界の若手注目株たちが一堂に会する。
■吉野竜平(監督) コメント
欠落感を抱えたまま、他者や社会とどう関わって生きていくのか…。多種多様なテーマが織り込まれた、津村記久子先生の小説「君は永遠にそいつらより若い」を映画化するにあたり、そこへ重点的にスポットをあてて描きました。長所の何倍もの短所を抱えているような主人公ホリガイが、就職を目の前にして「自分には何かとても大切なものが欠けている」という想いに駆られ、そんな自分が果たしてこれから社会の中でちゃんとやっていけるのだろうかと悩み、焦り、もがく姿。しかしこの悩みは、多くの人が人生のある時期に経験する普遍的な通過儀礼ではないでしょうか。内へ内へと向かって悩んでいた主人公が、様々な人との出会いや出来事を経て、最後は外へと向かって爆発する行動を起こします。欠落感を抱えたまま、他者や社会とどう関わって生きていくのか。「ありのままでいいんだよ」みたいな無責任な言葉ではない、自分なりのメッセージを主人公の姿に託しました。
『君は永遠にそいつらより若い』
2021年 公開予定
監督・脚本:吉野竜平
原作:津村記久子「君は永遠にそいつらより若い」
出演:佐久間由衣 奈緒 笠松将 小日向星一 葵揚 森田想
配給:Atemo
【ストーリー】 児童福祉職への就職が決まり、大学卒業を間近に控え手持ちぶさたな日々を送る堀貝(佐久間由衣)は、身長170cmを超える22歳、処女。変わり者とされているが、さほど自覚はない。バイトと学校と下宿を行き来し友人とぐだぐだした日常を過ごしている中、同じ大学の猪乃木(奈緒)と知り合うが、過去に痛ましい経験を持つ猪乃木とは、独特な関係を紡いでいく。そんな中、友人の友人、穂峰が自ら命を絶ち、堀貝を取り巻く日常の裏に潜む“暴力”と“哀しみ”が顔を見せる…。
©『君は永遠にそいつらより若い』製作委員会