佐久間由衣「自分の作品で涙を流したのは初めて」、奈緒「人を明日に連れて行ってくれる」

第21回太宰治賞を受賞した、芥川賞作家・津村記久子のデビュー作を、佐久間由衣主演、奈緒共演で映画化する『君は永遠にそいつらより若い』が、9月17日より公開される。このほど、8月30日にテアトル新宿にて特別先行上映会舞台挨拶が実施され、キャストの佐久間由衣、奈緒、小日向星一、吉野竜平監督が登壇した。

本作は、卒業間近の大学生である主人公がなんとなく過ごす日常の中で、ふとした折に“暴力”“児童虐待”“ネグレクト”などの社会の闇と、それに伴うやり切れない“哀しみ”に直面する物語。

主演を務めた佐久間は、映画を観た感想について「自分の作品で涙を流してしまったのは初めて」とコメント。「それぐらい心に響く映画を観てしまったという感覚と、素晴らしい映画に自分が関わることができて本当に幸せ」と喜びを噛み締めた。

共演の奈緒は「原作が持つパワーがそのまま映画に残っていて、魅力的な作品。明日まで頑張って生きてみようとか、人を明日に連れて行ってくれる作品」と本作の感想を語った。

等身大の大学生が描かれた作品ということで、「今から大学に行くとしたらどの学部に行きたいか」という質問が。佐久間は、「もし行けたら、語学を学びたいので外国語学部で英語を」学びたいとコメント。「文学部哲学科に行きたい」とした奈緒は、「哲学はすごく興味がある。高校を卒業してから、哲学というものがあると知って」と、未知の文学に興味津々の様子だった。

最後の挨拶で佐久間は、「当たり前の日常なんて存在しない。生きていることだけで充分だし、それだけで素晴らしいことだと、この映画を通して伝えたい」と熱弁し、イベントを締めくくった。

『君は永遠にそいつらより若い』
9月17日(金) テアトル新宿ほか全国順次公開
監督・脚本:吉野竜平
原作:津村記久子「君は永遠にそいつらより若い」
主題歌:小谷美紗子「眠れない」
出演:佐久間由衣 奈緒 小日向星一 笠松将 葵揚 森田想 宇野祥平 馬渕英里何 坂田聡
配給:Atemo

【ストーリー】 大学卒業を間近に控え、児童福祉職への就職も決まり、手持ちぶさたな日々を送るホリガイ(佐久間由衣)は、身⻑170cmを超える22歳、処女。変わり者とされているが、さほど自覚はない。バイトと学校と下宿を行き来し、友人とぐだぐだした日常をすごしている。同じ大学に通う一つ年下のイノギと知り合うが、過去に痛ましい経験を持つイノギとは、独特な関係を紡いでいく。そんな中、友人、ホミネの死以降、ホリガイを取り巻く日常の裏に潜む「暴力」と「哀しみ」が顔を見せる…。

©「君は永遠にそいつらより若い」製作委員会