『セノーテ』公開延期 新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて

『サタンタンゴ』『ニーチェの馬』で知られるタル・ベーラ監督が後進の育成のために設立した映画学校「film.factory」で3年間学び、ベーラ監督監修のもと製作した『鉱 ARAGANE』が鮮烈な印象を残した小田香監督の最新作『セノーテ』が、6月20日に公開される予定であったが、新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて公開を9月中旬に延期することとなった。今後の公開予定は、決定しだい発表される。

『セノーテ』
9月中旬より、新宿K’s cinemaほか全国順次公開
監督・撮影・編集:小田香
ナレーション:アラセリ・デル・ロサリオ・チュリム・トゥム フォアン・デ・ラ・ロサ・ミンバイ
配給:スリーピン

【作品概要】 メキシコ、ユカタン半島北部に点在する、セノーテと呼ばれる洞窟内の泉。かつてマヤ文明の時代、セノーテは唯一の水源であり雨乞いの儀式のために生け贄が捧げられた場所でもあった。現在もマヤにルーツを持つ人々がこの泉の近辺に暮らしている。現世と黄泉の世界を結ぶと信じられていたセノーテをめぐって交錯する、人々の過去と現在の記憶。そこに現地の人たちの語りで流れる「精霊の声」、「マヤ演劇のセリフテキスト」など、マヤの人たちにより伝えられてきた言葉の数々。カメラは水中と地上を浮遊し、光と闇の魅惑の映像に遠い記憶がこだまする。

©Oda Kaori