『鉱 ARAGANE』小田香監督最新作 メキシコの泉・セノーテをめぐって交錯する人々の過去と現在の記憶『セノーテ』6月公開!

『サタンタンゴ』『ニーチェの馬』で知られるタル・ベーラ監督が後進の育成のために設立した映画学校「film.factory」で3年間学び、ベーラ監督監修のもと製作した『鉱 ARAGANE』が鮮烈な印象を残した小田香監督の最新作『セノーテ』が、6月に公開されることが決定した。併せて、ティザービジュアルがお披露目となった。

メキシコ、ユカタン半島北部に点在する、セノーテと呼ばれる洞窟内の泉。かつてマヤ文明の時代、セノーテは唯一の水源であり雨乞いの儀式のために生け贄が捧げられた場所でもあった。現在もマヤにルーツを持つ人々がこの泉の近辺に暮らしている。現世と黄泉の世界を結ぶと信じられていたセノーテをめぐって交錯する、人々の過去と現在の記憶。そこに現地の人たちの語りで流れる「精霊の声」、「マヤ演劇のセリフテキスト」など、マヤの人たちにより伝えられてきた言葉の数々。カメラは水中と地上を浮遊し、光と闇の魅惑の映像に遠い記憶がこだまする。

前作『鉱 ARAGANE』(2015)で、ボスニア・ヘルツェゴビナのブレザ炭鉱に赴き、坑夫たちを密着取材して、暗闇の中で行われる過酷な労働とその環境を、静謐な映像で記録し注目を集めた小田香監督。本作で小田監督は、いまもこの地に住む人々にも取材し、集団的記憶や原風景を映像として立ち上げようと試みた。小田監督はセノーテの水中撮影のため、自らダイビングを学んで8mmフィルムカメラやiPhoneなどを駆使してこれまで誰も見たことのない世界を映し取った。

本作は、2月7日より東京都写真美術館で開催される「第12回恵比寿映像祭」にてプレミア上映される。

『セノーテ』
6月 新宿新宿K‘s cinemaにてロードショー、以後全国順次公開
監督・撮影・編集:小田香
ナレーション:アラセリ・デル・ロサリオ・チュリム・トゥム フォアン・デ・ラ・ロサ・ミンバイ
配給:スリーピン

【作品概要】 メキシコ、ユカタン半島北部に点在する、セノーテと呼ばれる洞窟内の泉。かつてマヤ文明の時代、セノーテは唯一の水源であり雨乞いの儀式のために生け贄が捧げられた場所でもあった。現在もマヤにルーツを持つ人々がこの泉の近辺に暮らしている。現世と黄泉の世界を結ぶと信じられていたセノーテをめぐって交錯する、人々の過去と現在の記憶。そこに現地の人たちの語りで流れる「精霊の声」、「マヤ演劇のセリフテキスト」など、マヤの人たちにより伝えられてきた言葉の数々。カメラは水中と地上を浮遊し、光と闇の魅惑の映像に遠い記憶がこだまする。

©Oda Kaori