東西に分断されていたドイツで1979年に実際に起きた、平凡な家族による奇跡の脱出劇を基にしたサスペンス『バルーン 奇蹟の脱出飛行』の公開日が7月10日に決定し、予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。
1979年、旧東ドイツのドイツ民主共和国では、大勢の市民が西側への逃亡を試みた。しかし秘密警察(シュタージ)が国民の日常生活に厳しい監視の目を光らせていたこの国では、他国への脱出を計画することは容易でなく、ベルリンの壁を越えようとした多くの人々は国境警備隊に射殺された。それでも自由を追い求める市民は後を絶たず、ある者は川を泳いで渡り、ある者は地下にトンネルを掘って国境を突破しようとした。
そんな時代に実行された、自家製の熱気球に乗って空を飛び、西ドイツを目指すという奇想天外な大作戦。ハリウッドのアドベンチャー映画さながらの脱出劇を成功させた、ごく平凡な一般市民、子ども4名を含む総勢8名の二つの家族の冒険は、1982年にウォルト・ディズニー・カンパニー製作で『気球の8人』として映画化された。このたびリメイク権を手に入れた本作のミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ監督らは、当事者たちへの取材、膨大な資料をもとに入念な時代考証と役作りを行い、新たな映画化に挑んだ。
予告編では、迫り来る秘密警察(シュタージ)と、怯えながらも気球作りに取り組む命懸けの家族たちの攻防戦の様子がサスペンスフルに映し出される。
ポスタービジュアルには、夜空に浮かぶ熱気球が大きく収められ、「空に壁はつくれない」というコピーが添えられている。
『バルーン 奇蹟の脱出飛行』
7月10日(金)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
監督・脚本:ミヒャエル・ブリー・ヘルビヒ
脚本:キット・ホプキンス ティロ・レーシャイゼン
出演:フリードリヒ・ミュッケ カロリーヌ・シュッヘ デヴィッド・クロス アリシア・フォン・リットベルク トーマス・クレッチマン
配給:キノフィルムズ 木下グループ
【ストーリー】 1979年、東ドイツ・テューリンゲン州の電気技師ペーターとその家族は、手作りの熱気球で西ドイツを目指すが、国境までわずか数百メートルの地点に不時着してしまう。東ドイツでの抑圧された日常を逃れ、自由な未来を夢見ていたペーターは、準備に2年を費やした計画の失敗に落胆の色を隠せない。しかし妻と二人の息子に背中を押されたペーターは、親友ギュンターの家族も巻き込み、新たな気球による脱出作戦への挑戦を決意する。ギュンターが兵役を控えているため、作戦のリミットはわずか6週間。二つの家族は一丸となって不眠不休の気球作りに没頭するが、国家の威信を懸けて捜査する秘密警察の包囲網が間近に迫っていた…。
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