千原ジュニア、川谷絵音(indigo la End)らが登壇!映画『ごっこ』初日舞台挨拶レポート

社会の暗部をファンタジックに描いた小路啓之による同名漫画の実写化となる、千原ジュニア主演の映画『ごっこ』が10月20日に公開初日を迎え、同日、渋谷・ユーロスペースにて初日舞台挨拶が行われ、主演の千原ジュニア、平尾菜々花、熊澤尚人監督、主題歌を担当したindigo la Endの川谷絵音が登壇した。

満員の客席、上映後の熱気冷めやらぬ中、「撮影は3年前で、当時は川谷君が世間を騒がせていて…」と場内爆笑の口火を切った主演の千原ジュニア。脚本を読んだときには「女の子の役が誰かによって大きく変わるんやろなと思っていた」と語った。ヨヨ子を演じた平尾菜々花は撮影当時9歳ながら、千原ジュニアも「完ッ全にただの天才!」というほどの逸材。ヨヨ子をビンタするシーンでは「ほんとに思いっきりいけるんかな?と思っていたんですけど、いざ撮影になると脳がばっちーんと行くくらいといってもうて。あれは完全にイニシアチブをとられてる感じでしたね」と撮影時を振り返った。平尾は「いえいえそんな…天才とかじゃないんですけど…」とかわいらしくはにかむと、「千原さんが撮影中すごく優しくしてくださって、リラックスして演技することができました」と語り、千原は「当時は結婚したばかり、兄弟の子供も男の子ばかりで普段女の子と接することがなかったので楽しかったですね。カラフルな輪ゴムで編んだブレスレットくれたり。撮影以外のときはずっとつけてました」と笑顔で語り、仲睦まじい絶妙なコンビネーションが伺えるエピソードを披露した。

平尾は、撮影での大変だった思い出のシーンとして「カレーを投げるシーン。わたしはカレーを投げたことがなかったので…テストのときにはあんまりうまくできなくて。本番の時には思いっきり投げていいよと監督に言われました。気持ちよかったです!」と笑顔で答えていた。将来は「女優を続けていきたいです。できれば、コメディとかアクションもやってみたい」と夢を語った。熊澤監督はキャスティング当時のことを回想し、「(パパやんは)ジュニアさん以外ありえないと思っていた。原作は少し違うのですが、ジュニアさんの何が起こるかわからない演技を大切に映画を作っていきました。(平尾は)100人以上オーディションして選んだんですが、決め手は、彼女は子役ではなく、“女優”だったので」と語った。『ごっこ』の後に撮影された監督作『ユリゴコロ』『心が叫びたがってるんだ』にも彼女を起用している。

また、主題歌を手掛けたindigo la Endの川谷絵音は「熱海でこの作品を見たんですけど、最初はめっちゃ暗いなと思っていました。でもどんどん映画に引き込まれていって、見終わるころには“早く曲作りたい”という感じでした。夢で作曲したとコメントしたんですけど、半分くらいはそうなんですけど…ちょっと盛っちゃいましたね…(笑)」と突然の吐露。千原も「1回聞いただけで夜まで頭の中にインプットされてるって、名曲なんやろなと思ってました。僕の数少ない友人の音楽プロデューサーが聞いて“これはえげつない!この曲を聴くためだけに映画館に行くくらいの名曲や!!”と言っていて。“あ…そうなんや”と思いました(笑)」と語り、場内を沸かせていた。主題歌「ほころびごっこ」のMVには平尾が起用されているが「映画を見たときから表情がすごいなと思っていて、表情だけでMVが作れるんじゃないかなと思っていました。(MV撮影で)普通の子供なのかなと思っていたら、スタートがかかったとたんに変わる。彼女の演技を間近で見ると本当にすごいですね」と絶賛した。(「ほころびごっこ」MV:https://youtu.be/EaYQhvwXGs4

ちなみに10月20日は、2015年に映画がクランクインした日であり、2016年に原作者の小路啓之が亡くなった命日でもある。熊澤監督は「ちょうどこの映画がどうなるかわからない、というタイミングで先生がお亡くなりになってしまいました。今日、一般の方に見ていただけるスタートの日なので、先生にご報告したいと思います」と語った。千原は「原作者の奥様から『旦那が喜んでると思います』というお言葉をいただけたので、やったかいがあったなと思っております。いろんな方に伝えていただけたらと思います」と締めくくった。

『ごっこ』
10月20日(土)よりユーロスペースほか全国順次ロードショー中
監督:熊澤尚人
原作:小路啓之「ごっこ」(集英社刊)
脚本:熊澤尚人 髙橋泉
主題歌:indigo la End「ほころびごっこ」
出演:千原ジュニア 優香 平尾菜々花 ちすん 清水富美加 秋野太作 中野英雄 石橋蓮司
配給:パル企画

【ストーリー】 大阪の寂れた帽子店には、40歳目前にも関わらずニートの城宮と、5歳児・ヨヨ子の親子が仲睦まじく暮らしていた。実はこの二人、他人に知られてはいけない秘密を抱えた親子だった。十数年ぶりに城宮が実家に戻ったことを知る幼馴染で警察官のマチは、突如現れたヨヨ子に疑いの目を向ける。ごっこ生活のような不安定な二人のその日暮らしはある日突然、衝撃の事実によって崩壊してしまう…。

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