東は太平洋のイースター島、西はインド洋のマダガスカルに至るまで16の島国に残る伝統的な音楽とパフォーマンスを記録した音楽ドキュメンタリー『大海原のソングライン』の公開月が5月下旬に変更となり、予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。併せて、ブロードキャスターのピーター・バラカンと、ラッパーのダースレイダーより本作を絶賛するコメントが寄せられた。
5000年前、太平洋には海を渡る人々がいた。彼らは数千年にわたって大海原を攻略し、地球の半分を覆う島々にたどり着いた。文字が普及する前の時代なので、彼らはその先々で音楽を残しながら交流していった。その勇敢な船乗りたちの子孫は今や4億人にまで増えた。
音楽プロデューサーでもある監督のティム・コールとプロデューサーのバオバオ・チェンは、3年間にわたりその航路をたどった。台湾から出発してオーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、さらに太平洋の向こう側に位置するマダカスカル、そしてイースター島に至るまで実に16の島国に残る伝統的な音楽やパフォーマンスを記録していった。そして、「Small Island Big Song」と名付けられたこの試みは単なる伝統音楽の記録に留まらなかった。オーストラリアの先住民には、古来より受け継がれてきた、生活の中で動植物や岩、湖などを歌い世界を表現するソングラインという思想/信仰がある。それは一曲を歌うというよりも数珠つなぎに様々な歌が重なり合う独特の表現方法を持つ。本作はその“ソングライン”という思想に基づいて、かつて同じ言葉や音楽で繋がっていた島々の歌をもう一度集結させる壮大な音楽プロジェクト。
予告編には、それぞれの島々で演奏する人々がやがて壮大なアンサンブルを奏でる様子の一部分が映し出される。出演するソロモン諸島のチャールズ・マイマロシアは、「この5000年、同じルーツをもつ人々が一緒に何かを作り上げたのは、初ではないでしょうか。すごいことです」と本プロジェクトに参加できた喜びを語っている。
▼著名人 絶賛コメント
■ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
音楽の心地よさと映像の美しさでずっとリピートにしたくなる映画です。
■ダースレイダー(ラッパー)
言葉より前に歌があった。海に漂い、風に流されるが如く音と歌に身を任せる。すると自分の奥底にさざ波が起きてくる。その波が自分より大きな存在へと導いてくれるのだ。
『大海原のソングライン』
5月下旬 シアターイメージフォーラムにてロードショー、以後全国順次公開
監督:ティム・コール
プロデューサー:バオバオ・チェン
出演:クアナ・トレス・カヘレ タリカ・サミー ホロモナ・ホロ アレナ・ムーラン チャールズ・マイマロシア ポエモアナ
配給:ムーリンプロダクション
【作品概要】 東は太平洋のイースター島、西はインド洋のマダガスカルに至るまで16の島国に残る伝統的な音楽とパフォーマンスを記録した音楽ドキュメンタリー。
©Small Island Big Song