妻夫木聡「僕はこうならないように気をつけたい」、柄本佑「大人のキラキラしたデトックス効果のある映画」

「ナラタージュ」、「ファーストラヴ」などを手掛けた直木賞作家・島本理生が初めて官能の世界に挑んだ小説を、主演に夏帆、共演に妻夫木聡を迎えて映画化する『Red』が、2月21日に公開初日を迎えた。それを記念して、2月22日にTOHOシネマズ 日本橋にて公開記念舞台挨拶が行われ、夏帆、妻夫木聡、柄本佑、間宮祥太朗、三島有紀子監督が登壇した。

塔子役の夏帆は「三島監督から『今まで見たことのない夏帆ちゃんの顔が見たい』と言われて、そこを出すのにはどうしたらいいのだろうかと悩んでいました」と葛藤を明かしながら、「この作品のために、自分ができることはなんだってやってやろうという気持ちで現場に挑みました。凄く悩みましたが、それだけ役に没頭できる時間は自分にとって幸せな時間でした」と完走しきった表情を浮かべていた。

塔子が一度愛した男・鞍田役の妻夫木は、塔子との禁断の愛について「“宿命”という関係性は演じていて心地よかったけれど、僕自身は、我慢せずに心を開放して、自分でいられることの方がいいのかなと…。僕は鞍田と塔子のようにならないように気をつけたいです」と照れ笑い。

塔子に思いを寄せる小鷹役の柄本は本作について「日常生活ではやってはいけない様な、鞍田と塔子の関係性を疑似体験することで、すっきりして頑張ろうと思えるはず。『Red』は大人のキラキラしたデトックス効果のある映画です」と独特な表現でアピールした。

塔子の夫・真役の間宮は「僕の役は一方通行になりながら、塔子に対してどう生きていきたいのかを要求・懇願していく役。ただ最後に塔子から言われたセリフは…、その言葉に勝るものはありません」と役柄を振り返った。

またこの日は主演の夏帆に対して、キャスト・監督から公開を祝したバラの花束をプレゼントするサプライズ企画が行われた。真っ赤な5本のバラの花束の花言葉は「あなたと出会えた喜び」ということで、夏帆と対面した間宮は「夏帆さん、アナタと出会えてよかったです!」と花言葉を引用して告白しながら「初共演ではないことから、夫婦役もすんなりできて、様々なシーンで夏帆さんは素晴らしい女優さんだと思いました。…アナタに出会えてよかったです!」と感謝を述べながら花束を渡した。

柄本は「アナタと出会えてよかった!」と笑わせつつ、「たくましくも救ってあげたくなるようなアナタの魅力にくぎ付けでした。が、あまりにもウチの弟と仲が良すぎてアナタの斜め後ろから弟が僕を見ているような目も若干感じました。でもあなたと出会えてよかった!これなんだ!?」と爆笑していた。

続けて妻夫木も「アナタと出会えてよかった!」と夏帆と対面し「包み隠さず自分の弱い部分を出してくれて、役から逃げずに向き合ってる夏帆ちゃんは本当に素敵でした。覚悟を持った強い方。また共演したいです」と再会を願ってねぎらいの言葉をかけた。

三島監督は目を潤ませながら「夏帆ちゃんとはだいぶ前から出会っているけれど、一緒に辛い思いも共感しながら…。今作では夏帆ちゃんにいい思いをしてほしかったし、思う存分演技をしてほしかった。夏帆ってもっと凄いんだ!私が夏帆ちゃんのいいところを見せるんだ!という気持ちでいました。また来世も出会ってくださいね」と親愛の情を口にしていた。

キャスト・監督の思いとバラを受け取った夏帆は「ここにいる皆さんとご一緒できて、そして何よりもこの作品と出会えてよかったです。30代に向けてのターニングポイントになる作品でしたし、できないことも沢山あったけれど、それでもちゃんと悩む時間を許してもらえたのはありがたかったです。これを糧に、皆さんとまたご一緒できたら嬉しい」とさらなる飛躍を誓っていた。

『Red』
2月21日(金)より新宿バルト9ほか全国ロードショー
監督:三島有紀子
原作:島本理生「Red」
脚本:池田千尋 三島有紀子
出演:夏帆 妻夫木聡 柄本佑 間宮祥太朗 片岡礼子 酒向芳 山本郁子 浅野和之 余貴美子
配給:日活

【ストーリー】 平凡な結婚、可愛い娘、“何も問題のない生活”を過ごしていた、はずだった村主塔子(夏帆)。10年ぶりに昔の恋人・鞍田秋彦(妻夫木聡)に再会をする。「君は、変わってないな…」鞍田は、塔子の気づかなかった心の隙間に悪魔のように入り込んでくる。そして運命は予想もしない方向へ走り出す…。

©2020『Red』製作委員会