2017年文學界新人賞に輝き、同年第157回芥川賞を受賞した沼田真佑の傑作小説を、綾野剛主演、松田龍平共演で、大友啓史監督が映画化する『影裏』が、2020年2月14日より公開中。このほど、2月15日に新宿バルト9にて公開記念舞台挨拶が行われ、綾野剛、松田龍平、筒井真理子、大友啓史監督が登壇した。
舞台挨拶の冒頭から、綾野は旧友の副島役で出演した中村倫也について、「むちゃくちゃ可愛かった。美しくて可憐で。ねえ?」と観客に同意を求めた。「この映画の中で全ての表現を彼はしている。僕たちはそれを削いでいったので、彼のプレッシャーはあったはずなんですが、それも感じさせず」と、中村の役者魂を絶賛した。綾野は、中村との共演シーンで「とにかく美しい彼に見とれしまったことで、彼の役に嫌な思いをさせてしまったような気がして…。撮影が終わった後に、『倫也、ごめん。俺、すごく淫らな気持ちで、都合よく会いに来ちゃった』と言ったら、『どうしたんですか? すごく最高でした! ありがとうございます』って、あの可愛い笑顔で言われて…。もう良しとしようと(笑)」と、中村の笑顔に救われた話を明かした。
『影裏』というタイトルにちなんで、人に知られず実はやってみたかった職業を聞かれた松田は、「スポーツ選手になりたい」とポツリ。綾野から「本当にそう思ってる?」とツッコまれながらも「すごいしなやかで、とんでもない動きをするので憧れる。僕はすごく身体が硬いので、まずは身体を柔らかくすることから始めようと思ってストレッチをやっていたんですけど、効果がすぐ切れちゃう。永遠にやらないとダメなんだと思ったらキツいなと思って…」と、柔軟体操も続かなかったことを告白していた。
昨日がバレンタインデーだったということで、バレンタインの思い出を披露することに。松田は小学校のときにチョコを10個もらったそうで、「それを机に並べて、賞味期限まで食べない。勲章みたいなものがあって、それを自信にして日々を生きていた」と持論を展開。綾野は「年々、ファンの方からいただくチョコが減っていっている…」とつぶやくと、一同から「切実…(笑)」という失笑が。苦笑いの綾野は「でも、バレンタインってなんですか?」と開き直ったように問いかけて、会場を笑わせていた。
『影裏』
2020年2月14日(金) 全国ロードショー
監督:大友啓史
原作:沼田真佑「影裏」
脚本:澤井香織
音楽:大友良英
出演:綾野剛 筒井真理子 中村倫也 平埜生成 國村隼 永島暎子 安田顕 松田龍平
配給:ソニー・ミュージックエンタテインメント
【ストーリー】 今野(綾野剛)は、転勤で移り住んだ岩手で日浅(松田龍平)に出会う。慣れない地でただ一人心を許せる存在の日浅だったが、ある日、突然姿を消してしまう。日浅を探し始めた今野は、彼の父に捜索願を出すことを頼むが、何故か断られてしまう。そして見えてきたのは、これまで自分が見てきた彼とは全く違う別の顔。ともに時を過ごしたあの男の“本当”とは?
Ⓒ2020「影裏」製作委員会