中村倫也「非常に難易度の高い役」、安田顕「原作読んだら自分の役が出てこず…」共演陣決定!綾野剛 × 松田龍平『影裏』

2017年文學界新人賞に輝き、同年第157回芥川賞を受賞した沼田真佑の傑作小説を、大友啓史監督、主演に綾野剛、共演に松田龍平を迎えて映画化する『影裏』の公開日が、2020年2月14日に決定し、併せて、追加キャストとして、國村隼、筒井真理子、中村倫也、安田顕、平埜生成、永島暎子の出演が決定した。

本作は、人間の心の裏側や、現代社会における繊細なテーマを描くヒューマンミステリー。赴任した慣れない土地・岩手盛岡での生活に戸惑う今野(綾野剛)。彼を孤独から救ってくれた唯一の友人・日浅(松田龍平)が、突然姿を消した。足跡を辿る今野の前に、次々と明るみになる事実。それは、彼の知らない日浅のもう一つの影の顔、裏の顔を浮かび上がらせる。

昨年夏の撮影を経て、本年7月末に完成した本作。来年2月の公開を前に、大友監督からは「タイトル通り、この映画は誰もが持つ影の部分、裏の部分に踏み込みでいく作品です。本音では言えないところに、人それぞれの真実、社会との葛藤が潜んでいる。その『影裏』を、深く刻み込むかのように体現してくれる役者たちが揃いました。役者たちの見事なアンサンブルと共に、自分の魂を作品の奥底に深くしのばせたつもりです。大人の皆様に楽しんでいただける作品になったと思います。是非ご覧ください」との熱いコメントが届いている。

追加キャストとして、日浅の行方を捜し訪ねてきた今野に隠された真実を告げる物語のキーマン、日浅の父・日浅征吾役には、『哭声/コクソン』で青龍映画賞の男優助演賞と人気スター賞を外国人俳優として初受賞するなど、近年海外での活躍も目覚ましい國村隼。今野と日浅の同僚で、自らも必死で日浅を探し求めている謎めいた女性・西山には、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞作『淵に立つ』で数多くの賞を受賞し、『よこがお』での鮮烈な演技も記憶に新しい筒井真理子。今野を深く理解する昔の友人・副島和哉には、NHK連続テレビ小説「半分、青い」でブレイク、カメレオン俳優と呼ばれる変幻自在の演技力と独特の存在感で次々と話題作に出演が続く中村倫也。今野と同じアパートに住み、些細なことで今野を悩ませる口うるさい隣人・鈴村早苗には、ブルーリボン賞助演女優賞受賞の『竜二』、『ハゲタカ』などに出演した永島暎子。疎遠になってしまった弟に複雑な感情を抱く、日浅の兄・日浅馨には、演劇ユニット「TEAM NACS」での活動を始め数々の話題作に出演、社会派作品からコメディまで幅広い顔を見せる安田顕。そして、今野の年下の友人・清人を、舞台で演技力を磨き、大河ドラマ「おんな城主 直虎」、映画『斉木楠雄のΨ難』、『劇場版コード・ブルー』など映像作品への進出が著しい期待の若手実力派、平埜生成が演じる。

■國村隼(日浅征吾役) コメント
大友監督とご一緒するのは初めてなのですが、登場人物のそれぞれの心象風景を静かに描きながら、そこにはダイナミックな背景がかくされている、違う側面のものがひょいと立ち現れる面白い世界観だと感じました。今までの監督の作品イメージとはまた少し違った新たな大友監督の世界なのだと。私の演じた日浅征吾という人物の元に、主人公の今野が息子の事を聞きたいと訪ねてきて、二人が話すうち、だんだんと会話の中から親子の微妙な人物像と関係性がほの見えてくるという、とても濃密なシーンとなりました。緊張感を目一杯楽しんで、そこから解放されての盛岡駅でした。

■筒井真理子(西山役) コメント
震災のような理不尽な事が起きると社会は無意識のうちに“見えにくい人たち”について触れなくなる。そこに切り込んだ物語に命を吹き込んだ大友監督をリスペクトすると共に、今野と日浅をリアルに生きた綾野剛さんと松田龍平さんをぜひ劇場に観に来てください。

■中村倫也(副島和哉役) コメント
今回も非常に難易度の高い役でした。綾野さんの呼吸を感じながら、大友監督の眼差しを頼りに、人間関係の生暖かい歪みが垣間見えるように慎重に演じました。伸び伸びとした切なさを、作品の中に残せていたら嬉しいです。ぜひご期待ください。

■安田顕(日浅馨役) コメント
脚本を拝読し、静かに流れる時間の中、登場人物の心のチラチラとした灯火が随所に垣間見えるような作品に感じました。撮影で岩手に向かう道中、原作の『影裏』を読んでましたら、自分が演じる役が出てこなくて、ちょっとだけびっくりした思い出があります。大友監督の映画として登場の場を作っていただき、心より感謝申し上げます。

■平埜生成(清人役) コメント
平埜生成と申します。大友啓史監督に宝物を頂きました。綾野剛さん、松田龍平さんとともに過ごした時間は大きな財産になりました。岩手の空気を吸い、お祭り見物をし、宮沢賢治に触れ、美味しい食事、そして、山の中で美しい自然と肉体を調和させる時間。短い時間でしたが、全てが心地よく撮影に臨む事ができました。ナマの生命が鼓動をうつ瞬間まで映っている映画だと思いました。是非、劇場で体感していただきたいです。

『影裏』
2020年2月14日(金) 全国ロードショー
監督:大友啓史
原作:沼田真佑「影裏」(文藝春秋)
脚本:澤井香織
音楽:大友良英
出演:綾野剛 筒井真理子 中村倫也 平埜生成 國村隼 永島暎子 安田顕 松田龍平
配給:ソニー・ミュージックエンタテインメント

【ストーリー】 今野(綾野剛)は、会社の転勤で移り住んだ岩手で同僚の日浅(松田龍平)と出会う。慣れない地でただ一人、日浅に心を許していく今野。二人で酒を酌み交わし、二人で釣りをする、まるで遅れてやってきたかのような成熟した青春の日々に、今野は言いようのない心地よさを感じていた。しかし、日浅は突然、今野に一言も告げずに会社を辞めてしまう。しばらくして再会をするものの、一度生まれた距離は埋まらず、ふたりは会わないまま時が過ぎていく…。そんな中、実は日浅が行方不明になっていることを耳にする今野。日浅を探そうとその足跡を辿るうちに、彼の周囲の人々の話から、今野は日浅の数々の影の顔、裏の顔を知ってしまう。日の光の下、ともに時を過ごしたあの男の“本当”はどこにあるのか…。