松田龍平「信じられない…ただただ感謝」中国の映画祭で最優秀俳優賞受賞!綾野剛も参加『影裏』

2017年文學界新人賞に輝き、同年第157回芥川賞を受賞した沼田真佑の傑作小説を、綾野剛主演、松田龍平共演で、大友啓史監督が映画化する『影裏』が、2020年2月14日より公開される。このほど、現地時間12月8日に中国の海南島で行われた第2回海南島国際映画祭にて、松田龍平がベストアクター(最優秀俳優賞)を受賞した。松田が海外の映画賞を受賞するのは初となる。併せて、同日昼に、今年から創設されたコンペティション部門に選出された本作のワールドプレミア上映が実施され、綾野、松田、大友監督が舞台挨拶に登壇した。

中国の4大国際映画祭の一つとして知られる海南島国際映画祭(Hainan Island International Film Festival)は、中国最大のリゾート地・海南島にある三亜、海口、瓊海の3市をつなぐ「島全体での映画祭」を目指し、昨年初めて開催。2回目となる今年はフランス人女優のソフィー・マルソーがアンバサダーを務め、「マスタークラス」には黒沢清監督を招待して同監督の特集上映を実施。過去にカンヌ国際映画祭の審査委員長でもあったイザベル・ユベールが本映画祭でも審査委員長を務め、さらに2度のアカデミー賞外国語映画賞・ベルリン映画祭の金熊賞・銀熊賞など世界中の映画賞に輝く映画監督アスガル・ファルハーディー、そして、イーサン・ホークなどハリウッドスターも来場するなど、世界中の映画ファンから多くの注目を集めている。

『影裏』は日本から唯一、今年から新たに創設されたコンペティション部門に選出された。現地時間12月8日昼、ワールドプレミアの舞台挨拶に登場した綾野が「こんにちは、中国のみなさん、僕のことをガンズと呼んでください」と中国語で挨拶すると、満席の場内からは綾野の中国語での挨拶に驚きと喜びの声が。続いて今回の今野役へのアプローチを問われた綾野は、「まずは演じるというよりもその人物を生きるという感覚が強いです。映画の中でちゃんと生活するということを心掛けました。龍平君との時間が長かったので彼との時間をすごく大切にしました」と語った。松田は、「この作品は決してわかりやすいエンタテイメント映画ではないので、こうやってみなさんと触れ合える機会を作ってくれた海南島国際映画祭に感謝します」と述べ、最後は、大友監督の「映画を上映した後に皆さんの前に立つといろいろなものが伝わってくるものです。自分自身、完成した映画を再発見することにもなり、そういう意味では海南島国際映画祭で多くの人に見ていただけて、僕自身も思うところがあり、とても感謝しています」とワールドプレミアを締めくくった。

ワールドプレミアに続き、同日夜に行われた閉会式前に、3人はレッドカーペットイベントに参加。海沿いのデッキに敷かれた眺望抜群のオレンジ色をしたレッドカーペットならぬオレンジカーペットイベントには多くのメディアとファンが詰めかけ、熱い声援が送られた。ワールドワイドなファンの熱気を目の当たりにした綾野は、「第2回目でこれだけの規模の映画祭を僕はほかに知らないです。映画は世界の共通言語、ノーボーダーだなと改めて思いましたし、ワールドワイドいろいろな国の方がいらっしゃって、わくわくするしすごく心地がいいです。参加できてよかったです」とコメントした。

そして、音楽と映像で構成された閉幕式で発表されたコンペティション部門のベストアクター(最優秀男優賞)に、松田龍平の名がコールされると、驚いた表情のまま松田はステージへ。「信じられないです。胸がどきどきしています。賞をいただけると思ってなかったので言葉の準備をしていなくて何を言ったら良いか…ただ、海南島国際映画祭に本当にただただ感謝しています。賞をありがとう。それから、映画にかかわった監督をはじめスタッフのみんな、とても素晴らしい賞をいただきました」と感無量の表情で感謝を述べた。

『影裏』
2020年2月14日(金) 全国ロードショー
監督:大友啓史
原作:沼田真佑「影裏」
脚本:澤井香織
音楽:大友良英
出演:綾野剛 筒井真理子 中村倫也 平埜生成 國村隼 永島暎子 安田顕 松田龍平
配給:ソニー・ミュージックエンタテインメント

【ストーリー】 今野(綾野剛)は、転勤で移り住んだ岩手で日浅(松田龍平)に出会う。慣れない地でただ一人心を許せる存在の日浅だったが、ある日、突然姿を消してしまう。日浅を探し始めた今野は、彼の父に捜索願を出すことを頼むが、何故か断られてしまう。そして見えてきたのは、これまで自分が見てきた彼とは全く違う別の顔。ともに時を過ごしたあの男の“本当”とは?

Ⓒ2020「影裏」製作委員会