小説すばるで新人賞を受賞するなど、その表現力で多くのファンを魅了する作家・野中ともその人気小説を、『新聞記者』の藤井道人監督が清原果耶主演で映画化する『宇宙でいちばんあかるい屋根』が、今秋、公開されることが決定した。
平穏でも悩みはあって、時々息苦しくなる14歳のつばめは、満天の星が輝くある夜、ド派手な身なりで底意地の悪い、キックボードに乗ったあやしい老婆“星ばあ”と出会う。いつしか二人はお互いの心のどこかに空いた穴を埋め合うように距離を縮めていく。つばめの前に起こる事件、最後に明かされる星ばあの正体…。本作はひと夏の大切な何かを探す、二人のキュートで、愛おしい、感動のファンタジードラマ。
主人公の女子中学生・大石つばめを演じるのは、ドラマ「なつぞら」、「俺の話は長い」ほか多数のTVドラマ、映画では藤井道人監督、山田孝之プロデュースの『デイアンドナイト』、そしてCM・雑誌と幅広く活躍し、今最も注目を集める若手女優・清原果耶。本作が映画初主演となる。実父と、血の繋がりのない母との間に子どもが生まれることで感じる疎外感、実母への想い…。そんな思いを胸の内に抱えながら、幼馴染に抱く恋心や、星ばあとの出会いから成長していくひと夏の少女の姿を、等身大かつ圧巻の演技力で表現する。「今の清原果耶を切り取ることは誰もができることではない、とてもラッキーな機会を戴けた」と語る藤井道人監督が、彼女の魅力を最大限に引き出し、かつてない作品世界を完成させた。また、謎の老婆・星ばあや、つばめが恋する大学生の亨、そしてつばめの両親、実の母親と、清原を取り巻くキャスト陣にも豪華な面々が集結した。共演者は後日発表となる。
■清原果耶(つばめ役) コメント
現場の雰囲気に突き動かされ続けた色濃い撮影でした。まだ完成したものを観ていないので、どうなっているのだろうとふつふつ考える日々ですが、撮影中に私自身がつばめちゃんから貰った希望や勇気が、映画を観て下さる皆様にも伝わると良いなと思います。是非お楽しみにしていて下さい。
■藤井道人(監督) コメント
『デイアンドナイト』で素晴らしい演技を見せてくれた清原果耶さんと再び映画を撮れたこと、そして、清原さんの初主演映画を監督出来たことをとても光栄に思っています。本作は、大人になったすべての人たちへ捧げる物語です。心温まる、素敵な映画が出来ました。是非、お楽しみに!
■野中ともそ(原作) コメント
最初に映画化のお話をいただいた時から長い長い時を経て、敬愛する藤井監督のもと、遂に撮影が始動したと聞いた時は胸が高鳴りました。同時にこの突拍子もない物語が本当に映像となりえるのか、わずかな不安がよぎったのも覚えています。けれどごく短いラッシュを見せていただいた瞬間に不安は綺麗に拭われました。まっすぐまなざしに揺れる感情が透けるような清原さんの佇まいに、ああ、つばめがいる!と。そして星ばあも亨くんも両親も皆、画面からはみ出るくらいに彼らの人生を生きている…!驚きと感謝をもって、今は一観客として公開を心待ちにしているところです。4月に装いをあらたに再文庫化される原作もお手にとっていただければ幸せです。
『宇宙でいちばんあかるい屋根』
今秋 全国ロードショー
監督・脚本:藤井道人
原作:野中ともそ「宇宙でいちばんあかるい屋根」
出演:清原果耶
配給:KADOKAWA
【ストーリー】 隣に住む大学生の亨に密かに恋心を抱くごく普通の14歳、つばめ(清原果耶)。父と母と3人で幸せな生活を送っているように見える彼女だったが、父と、血の繋がっていない母親との間に子どもができると知り、彼女はどこか疎外感を感じていた。誰にも話せない恋心や家族への思いを抱え、もどかしい日々を過ごす毎日。そんな彼女にとって、通っている書道教室の屋上は唯一の憩いの場だった。屋上でひとり、風を感じながら星を眺める時間は、少しの間彼女を自由にさせた。ある夜、いつものように屋上に上がったつばめは、見慣れないキックボードを見つける。なんとなく漕いでみると、突然誰かの声が聞こえてきた。「人のものに勝手に触って」驚いたつばめの前にカラフルな布をまとった派手な装いの老婆が現れる。不気味に感じその場を立ち去ろうとするつばめだったが、空を見上げると、老婆がキックボードに乗って空を飛んでいる姿を見て思わず立ち止まってしまった。「年をとったらなんでもできるようになんだよ」不思議な雰囲気を漂わせる星ばあに、つばめはふと恋の悩みを打ち明けてしまう。口の悪い星ばあに閉口しつつも、つばめは次第に心を開き始め、恋の話や、家族の話をするようになる。打ち解けていく二人だったが、ある日、亨が交通事故に遭ったとのしらせを耳にし…。恋に家族に、様々な悩みを抱えた14歳のつばめと謎めいた星ばあの、ひと夏の青春が今、走り出す。
© 2020『宇宙でいちばんあかるい屋根』製作委員会