ベネチア国際映画祭でユニセフ賞受賞!ホロコーストの源流を辿り、戦争と人間の本性に迫る問題作『異端の鳥』初夏公開!

2019年のベネチア国際映画祭で『ジョーカー』以上に話題を集めユニセフ賞を受賞した映画『The Painted Bird(原題)』が、邦題『異端の鳥』として初夏に公開されることが決定した。

第二次大戦中、ナチスのホロコーストから逃れるために、たった一人で田舎に疎開した少年が差別と迫害に抗いながら強く生き抜く姿と、異物である少年を徹底的に攻撃する“普通の人々”を赤裸々に描いた本作。ベネチア国際映画祭のコンペティション部門で上映されると、少年の置かれた過酷な状況が賛否を呼び、途中退場者が続出。しかし、同時に10分間のスタンディングオベーションを受け、ユニセフ賞を受賞し、同映画祭屈指の話題作となった。その後も多くの批評家から絶賛を浴び、アカデミー賞国際長編映画賞のチェコ代表にも選出された。

原作は、自身もホロコーストの生き残りである、ポーランドの作家イェジー・コシンスキが1965年に発表した代表作「ペインティッド・バード(初版邦題「異端の鳥」)」。ポーランドでは発禁書となり、作家自身も後に謎の自殺を遂げた“いわくつきの傑作”を映画化するために、チェコ出身のヴァーツラフ・マルホウル監督は3年をかけて17のバージョンのシナリオを用意。資金調達に4年をかけ、さらに主演のペトル・コラールが成長していく様を描くため、撮影に2年を費やし、実に11年もの歳月をかけて映像化した。撮影監督を務めたウラジミール・スムットニーは、『コーリャ 愛のプラハ』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞し、チェコのアカデミー賞であるチェコ映画賞最優秀映画賞を7度も受賞した経験のあるチェコ映画界の巨匠である。舞台となる国や場所を特定されないように使用される言語は、人工言語「スラヴィック・エスペラント語」を採用。シネスコ、モノクロームの圧倒的な映像美で描かれる約3時間の物語は、映画的な驚異と奇跡に満ちている。

迫害を生き抜くうちに徐々に心を失っていく少年を体当たりで演じ切ったのは、新人のペトル・コラール。そのほか、ステラン・スカルスガルド、ハーヴェイ・カイテル、ジュリアン・サンズ、バリー・ペッパー、ウド・キアーなどのいぶし銀の名優たちが脇を固める。

『異端の鳥』
初夏 TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督・脚本:ヴァーツラフ・マルホウル
原作:イェジー・コシンスキ「ペインティッド・バード」
出演:ペトル・コラール ステラン・スカルスガルド ハーヴェイ・カイテル ジュリアン・サンズ バリー・ペッパー ウド・キアー
配給:トランスフォーマー

【ストーリー】 東欧のどこか。ホロコーストを逃れて疎開した少年は、預かり先である一人暮らしの叔母が病死した上に火事で叔母の家が消失したことで、身寄りをなくし一人で旅に出ることになる。行く先々で彼を異物とみなす周囲の人間たちの酷い仕打ちに遭いながらも、彼はなんとか生き延びようと必死でもがき続ける…。

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