TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2015で準グランプリを受賞した、加藤卓哉の監督デビュー作『裏アカ』の公開日が6月12日に決定した。併せて、主演の瀧内公美、年下の相手役の神尾楓珠、そのほかメインキャストが発表された。
本作の題材は、今の社会や時代が持つ二面性を象徴する“SNSの裏アカウント”。裏アカウントを通して出会う男女の姿から、現代に生きる者が抱える葛藤や欲望、そして性への衝動を赤裸々に描き出す。
主演は、映画『火口のふたり』で第44回報知映画賞主演女優賞ノミネート、第74回毎日映画コンクール主演女優賞ノミネート、第41回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞受賞などその確かな演技力で今注目を集める実力派女優・瀧内公美。思い描いていたものとは違う毎日に行き場のない気持ちを抱え、ふとしたきっかけでSNSの裏アカウントにハマっていく女性をリアルに演じる。また、相手役の年下の男には、話題のドラマ「3年A組 ―今から皆さんは、人質です―」などへの出演をきっかけにブレイク中の若手俳優・神尾楓珠。表の顔と裏の顔を巧みに使い分けながらも、心に深い闇を抱えて生きる複雑な青年を繊細に演じ切る。そのほか、真知子が働くアパレルショップのバイヤー・佐伯崇役に市川知宏。年下のカリスマ店員・新堂さやか役にSUMIRE。社長の北村圭吾役に名バイプレイヤーの田中要次が扮し、真知子が訪れる大衆食堂「ふじ食堂」のシーンでは、神戸浩、松浦祐也、仁科貴、ふせえりといった個性豊かな俳優陣が揃って参加する。
監督を務めるのは、木村大作、降旗康男、原田眞人、成島出ら日本を代表する数々の名監督の下で厚い信頼とともに助監督を務めてきた加藤卓哉。TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2015で準グランプリを受賞した本作でついに監督デビューとなった。
■瀧内公美(伊藤真知子役) コメント
加藤監督の初監督作品に参加することができ、無事公開されることをとても嬉しく思います。『裏アカ』は監督はじめスタッフの方々と、どんな形にしていきたいかを共有し、何度も話し合いを重ねて撮影に挑んだ、私にとって思い入れのある作品です。主人公・伊藤真知子の孤独と満たされない日常に、一人の女性として、脚本を初めて読ませてもらった時から共感していました。撮影中も、真知子と同じように、“これでいいのだろうか”と悩みながら、光を追い求めるかのように、必死に駆け抜けた日々でした。もがきながら、一生懸命生きている女性の姿をぜひ劇場でご覧ください。
■神尾楓珠(原島努/ゆーと役) コメント
今回、原島とゆーとを演じさせていただきました。自分の中でもすごく挑戦的な役柄とストーリーだったので、どう演じるべきか苦労しましたが、加藤監督のこの作品で挑戦できたことを嬉しく思います。この役を演じて、僕が演じたような人物が実際にいるかもしれないということだったり、映画の中に出てくる事柄がもしかしたら身近で起こってるかもしれないということをSNSが発達した現代だからこそ感じました。刺激的なシーンも多々ありますが、ぜひ劇場へ足を運んでいただけると嬉しいです。
『裏アカ』
6月12日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
監督:加藤卓哉
脚本:高田亮 加藤卓哉
出演:瀧内公美 神尾楓珠 市川知宏 SUMIRE 神戸浩 松浦祐也 仁科貴 ふせえり 田中要次
配給:アークエンタテインメント
【ストーリー】 青山のアパレルショップで店長を務める伊藤真知子(瀧内公美)は、どこか満たされない毎日を送っていた。自分の意見は採用されず、年下のカリスマ店員・新堂さやか(SUMIRE)に仕事を取られ、ストレスが溜まる日々。そんなある日、さやかの何気ない一言がきっかけで真知子はSNSの裏アカウントを作り、胸元の際どい写真を投稿する。表の世界では決して得られない反応に快感を覚えた真知子の投稿はどんどん過激になっていき、それに呼応するようにフォロワー数も増えていった。「リアルで会いたい」「もっと自分を解放して」そんな言葉に誘われ、フォロワーの一人と会うことになった真知子。その相手は、“ゆーと”という年下の男だった。真知子は自分と同じ心の乾きを持つ彼に惹かれていく。しかし、その関係は一度きり。それがゆーととの約束だった。ゆーとと会えないことから、真知子は他の男と関係を持つようになるが、その心は満たされない。裏の世界でフラストレーションがたまっていくのとは裏腹に、表の世界は、店の売り上げ不振回復への施策に自身のアイデアが採用され、大手百貨店とのコラボレーション企画が決まるなど充実していく真知子。やりがいのあるプロジェクトに意気込む真知子だったが、その百貨店担当者の原島努(神尾楓珠)こそが、あのゆーとだった。表の世界で再会を果たした二人。平静を装う原島に対し、心乱れ動揺を隠せない真知子。原島ではなく、ゆーとに会いたいという思いが日増しに募っていく。表と裏、愛情と憎悪、真実と嘘、理性と欲望…相反する二つが激しく交錯する中、真知子に突然訪れる結末とは…。
©2020映画『裏アカ』製作委員会