俳優・フィルムメーカーとマルチに活躍する斎藤工が、お笑い芸人の永野、ミュージシャン・俳優の金子ノブアキ、CMや金子のMVを手掛ける清水康彦とともに結成した映像制作プロジェクトチーム「チームMANRIKI」による長編第一弾作品『MANRIKI』が、11月29日に公開初日を迎えた。このほど、同日にシネマート新宿にて初日舞台挨拶が行われ、主演の斎藤工をはじめ、永野、金子ノブアキ、SWAY、小池樹里杏、三田尚人、清水康彦監督が登壇した。
公開初日を迎え、本作の企画・プロデュース、そして主演を務めた斎藤は「構想から3年以上かかっているんですけど、全ての時間が必要だったと今は思います」と感慨深い様子で、「最初は“昼顔”と“ラッセン”が映画を作るという、そうやった色眼鏡で見られるということに抗うということもエネルギーにして」制作したと語った。派手なサングラスをかけて登壇した永野は「すいません!取ります!お前が色眼鏡してんじゃねぇよって(笑)」と改めて素顔で挨拶し、「斎藤くんとの何気ない会話が皆さんの協力と熱い応援によって、とりあえず初日を迎えることができたので嬉しいです!」と本作の公開を喜んだ。
音楽監督を務めた金子は「次、何作ろうかな?なんて。どうする?『MANRIKI2』!?」と次回作へ期待を寄せる。SWAYは「こんなにも仲良くなるとは思わなかったですね。さっきも一緒にしゃぶしゃぶを食べました。永野さん、しゃぶしゃぶがめちゃめちゃ下手なんですよ!肉の種類を知らなくて、鶏肉を赤いまま食べようとしたり(笑)」と、チームMANRIKIの仲の良さを見せつつ暴露。「しゃぶしゃぶを知らずにどうやって生きてきたのかな」というSWAYの疑問に、永野は「僕、物心ついたのが去年なので(笑)」と返し、会場の爆笑を誘った。
本作の制作にあたって、斎藤は「最初は文字通り“小顔矯正スプラッター”という雑な入口」からスタートしたが、「アートフィルムのような感覚的な作品に寄せたかった」と言い、「3年という月日とともに、なかなかいいところに落ち着けたんじゃないかな」と自信を見せた。永野も「『ライ麦畑でつかまえて』のような」作品に仕上がり、「なんとも言えない欲望と感情を斎藤工くんに預けて、独特な映画になった」とコメント。また、斎藤は永野について、「“ラッセンの人”というだけで捉えている人はかわいそうだと思っていた」と同時に、「永野さんは見ちゃいけない人」であり、「それが映画的だなと。こんなに芸術的な人はいない」と、その才能を大絶賛した。
さらに、本作は“コンプレックス”を一つのテーマとしていることから、自分のコンプレックスは?という質問も。斎藤は「ものすごくありますよ。僕はヨダレがものすごくて。わら半紙を溶かしたこともありますね。家庭科の提出物を提出できないぐらい」という意外な過去も明かし、「今は口にテープをして寝ています」とのこと。「コンプレックスだらけ」という永野は、本作の制作にあたって「コンプレックスをテーマにしたら、とんでもなくいけるなと思っていました。コンプレックスは武器になると思うので」と語り、「映画というところで消化できたのが気持ちよかった。全てがコンプレックス!」と大満足の様子だった。
『MANRIKI』
11月29日(金)より、シネマート新宿ほか全国順次公開
監督・脚本・編集:清水康彦
原作・脚本:永野
企画・プロデュース:齊藤工 永野
音楽監督:金子ノブアキ
出演:斎藤工 永野 金子ノブアキ SWAY 小池樹里杏 神野三鈴 三田尚人
配給:HIGH BROW CINEMA 東映ビデオ
【ストーリー】 日本。秩序と混沌の国。美と醜の国。過度な経済成長で得た豊かさの代償として、国民は様々なコンプレックスを抱えている。醜きを覆い隠し、美しきことのように振る舞う。奥ゆかしさとも言えるその性は、この国の様式美そのものなのだ。整形しているモデルの方が仕事が多い。駆け出しのファッションモデルが仕事欲しさに小顔矯正を決意。美容クリニックを営む美しき整顔師に小顔矯正施術を依頼し、モデルは変身を遂げる。整顔師の猟奇的哲学と万力によって…。ざる蕎麦を食べたのち、整顔師はクリニックを去り、新たな野望の地へ向かう。場末の街で美人局をするフーテンと年増。彼らと整顔師が突如遭遇することにより、物語は加速してゆく。光と闇。主観と客観。偽善と必要悪。美と醜。我々は、万力の間で暴かれる。世は、人は、すでに醜く美しい。
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