斎藤工「(SNSフォロワーが)思いの他伸びなくて…もう皆さんの靴を舐めてお願いしたいくらい(笑)」

俳優・フィルムメーカーとマルチに活躍する斎藤工が、お笑い芸人の永野、ミュージシャン・俳優の金子ノブアキ、CMや金子のMVを手掛ける清水康彦とともに結成した映像制作プロジェクトチーム「チームMANRIKI」による長編第一弾作品『MANRIKI』が、11月29日より公開される。それを記念し、10月19日に代々木公園で行われたBE Vint-Age 2019に、主演の斎藤工をはじめ、永野、SWAY、小池樹里杏など総勢12名が登壇した。

ステージ中央から斎藤工と永野が登場すると、詰めかけたファンから黄色い声が飛び交った。さらに、斎藤と永野の合図で、SWAY、小池樹里杏、三田尚人、清水監督とその他大勢の芸人が登場。会場はさらに盛り上がり、ランウェイを歩くキャスト陣にたくさんの声援が掛けられていた。斎藤と永野は本作用に作られた名刺を配り、ファンと交流。全員が奇抜な衣装を身にまとい、異例のランウェイとなった。

ステージに戻ると、MCから今日の衣装について聞かれると斎藤は、「日本のストレス社会を代表する“過度な肩こり”を象徴した衣装ですね」とジョークを飛ばしていた。また永野はスーパーマンの格好に生首を付けた奇妙な衣装で、「この生首、マネージャーが作ったんです。ファッションショーと仮装大会を間違えちゃったみたいな」と答えるも会場から笑いは起きず…。「もっと私語とかしていいから、静かすぎてイライラする」と述べ、客席から笑いの声が響いた。

また本作を作るきっかけもファッションショーだったということで、「別のファッションショーの舞台袖で、小顔矯正とか小顔マッサージに真剣になっているモデルさんたちをみて、それならもう万力でしめたらいいんじゃない?っていうところから始まりました」と永野が制作秘話を教えてくれた。その発想を聞いた斎藤は、「永野さんの発想を知って、こんな世界観は見たいことがないと思って、日本のみならず世界にも通用する面白いものが出来ると思ました。3年かかりましたけど、その分内容が濃くなって、すさまじい映画ができました」と熱く語った。本作で“ヒモ男”を演じたSWAYは、「ヒモ役って、気持ちいですね。お金ポンポンもらって、こんな人生ならいいなって思いました(笑)」と演じた感想を述べた。小顔になりたいモデル役を演じた小池は、「女性ならではの、普段は隠しているけど本当は思っているぞ、ということをふんだんにぶつけさせて頂きました。斎藤さんにがっつり顔を締めていただきました!」と笑顔で話した。また三田尚人はかなり面白い役ということで、あえてイベントでは役の説明はなく、「自分の役を作るのに、監督と色々相談して作れたのが思い出です」と答え、永野に、「ほんとこの役は大嫌いになるか、大好きになるか2極化します!」と説明されますます役どころが気になる展開となった。メガホンをとった清水監督は、まさかの“ベジータ”の格好で登場。「監督に見えないよ」と突っこまれ、会場は大笑い。初の長編作品だったとのことで、「この作品に怖いイメージを持っている方もいると思いますが、映像がスタイリッシュだったり内容で笑える部分もあったりして、怖いと面白いの瀬戸際を狙えるようにこだわりました」と振り返った。

今回「公式SNSフォロワー数1万人行かなかったら公開中止キャンペーン」中とのことで、今日もイベント前にキャストみんなでチラシ配りをしてフォロワー集めのための活動を行ったとのこと。このキャンペーンに、斎藤は「皆さんにこの『MANRIKI』に意識的に関係を持ってほしいという発想から始めたんですけど、思いの他伸びなくて…」と苦悩をこぼす場面も。「なので、皆さんおひとりおひとりのお力をお借りして公開を手伝っていただきたくて、もう皆さんの靴を舐めたいというくらいの心意気でお願いしてます」と斎藤、永野、SWAYの3人が冗談交じりで懇願すると、客席からは笑い声が溢れた。また公開に向けて永野は、「本当に刺激的な体験ができると思います!ぜひ!公開してほしい!」と力強くお願いした。さらにフォロワー獲得のため永野が一発芸を披露し、会場のボルテージもMAXになった。

イベント最後に斎藤から、「なんでも携帯・テレビで見られる時代の今、やっぱり映画というのは映画館に足を運ばないと見られない特殊な小屋だと思っています。その小屋にふさわしいとっておきの作品が出来ました。『MANRIKI』を観て、自分の中の奥底にあるスイッチを押される方もいると思います。劇場で映画体験として深いところに誘える作品です。騙されたと思ってぜひ応援・鑑賞のほど宜しくお願い致します」と熱い思いを語った。また永野は、「イージーでポジティブな感覚が多い中、ここまで闇やコンプレックスとかを見つめて笑いに浄化して、逆にポジティブになる作品なのでぜひ見てほしい!」と語り、最後に「MANRIKI-!!」という永野の掛け声に、「ヴォーー!」と観客全員が応え、大盛り上がりの中イベントは幕を閉じた。

『MANRIKI』
11月29日(金)より、シネマート新宿ほか全国順次公開
監督・脚本・編集:清水康彦
原作・脚本:永野
企画・プロデュース:齊藤工 永野
音楽監督:金子ノブアキ
出演:斎藤工 永野 金子ノブアキ SWAY 小池樹里杏 神野三鈴
配給:HIGH BROW CINEMA 東映ビデオ

【ストーリー】 日本。秩序と混沌の国。美と醜の国。過度な経済成長で得た豊かさの代償として、国民は様々なコンプレックスを抱えている。醜きを覆い隠し、美しきことのように振る舞う。奥ゆかしさとも言えるその性は、この国の様式美そのものなのだ。整形しているモデルの方が仕事が多い。駆け出しのファッションモデルが仕事欲しさに小顔矯正を決意。美容クリニックを営む美しき整顔師に小顔矯正施術を依頼し、モデルは変身を遂げる。整顔師の猟奇的哲学と万力によって…。ざる蕎麦を食べたのち、整顔師はクリニックを去り、新たな野望の地へ向かう。場末の街で美人局をするフーテンと年増。彼らと整顔師が突如遭遇することにより、物語は加速してゆく。光と闇。主観と客観。偽善と必要悪。美と醜。我々は、万力の間で暴かれる。世は、人は、すでに醜く美しい。

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