赤穂藩君主・浅野内匠頭の仇討のため、浪士となった47人の藩士たちの物語の秘話を、堤真一と岡村隆史のダブル主演で、『殿、利息でござる!』、『忍びの国』の中村義洋監督が映画化する『決算!忠臣蔵』が、11月22日より公開される。このほど、11月19日に京都・新京極商店街にて凱旋イベント、MOVIX京都にて舞台挨拶が行われ、堤真一、岡村隆史、中村義洋監督、池田史嗣プロデューサーが登壇した。
イベント開始間際になると一気に人が集まりだし、アーケード街は一時騒然とした雰囲気に。堤と岡村を一目でも見ようと声を掛けるファンや、学校帰りの学生たち、観光客が商店街に押し寄せ、大勢の観客が見守る中、人力車の前列に堤と岡村が、後列に中村監督と池田プロデューサーが乗り込み、新京極商店街の交差点を発車した。およそ250mほどの雑貨店や飲食店が立ち並ぶ商店街の中、4人は観客や商店街店主からの声援に見送られながらゆっくりと練り歩いた。
忠臣蔵の討ち入り装束を模した特注の法被に身を包んだ一行。トラメガを片手に、堤は「皆様ありがとうございます。『決算!忠臣蔵』は11月22日より全国公開です」、岡村は「劇場でカッコいい姿を見てください」と映画のPRを繰り返した。そうしてアーケード街を進み、中間地点の誓願寺に到着。誓願寺前にて、堤は「こんばんは。皆様寒い中どうもありがとうございます。今年の一月と二月の寒い京都で撮影をしました。忠臣蔵は京都でも縁のあるお話ですので、皆さんぜひ、劇場に足をお運びください」と力を込め、岡村も「本当に寒い中、沢山の方にお越しいただきありがとうございます。改めましてムービースター岡村隆史です。映画では今までとは違う岡村隆史が見られます!『役者やってんだな』と思っていただければと思います」とコメントし、会場を沸かせた。
その後の舞台挨拶で、初めて人力車に乗ったという堤は「みんなに晒されてるようで恥ずかしかったけど、乗り心地はすごいよかった」と感想を述べ、岡村は「堤さんが『なんでこんなに男同士密着して…別に隣に座ってるのが竹内結子さんでも石原さとみさんでもええのにな…』とブツブツ言ってました」と暴露して笑いを誘った。さらに、中村監督が「商店街のみなさんは暖かい恰好をされてますが、僕らは京都駅からタクシーで着いてすぐ、薄着の上に法被を着せられて外に放り出されて…寒かったです」と皮肉のコメントをするも、岡村が「ホッカイロは沢山もらいましたよ」とフォロー。そして堤が「商店街の皆さんに手を振っていただいて、とても温かかったです」と続けた。
京都での思い出を尋ねられると、堤は「京都では何度も撮影をしていますが、おばんざいが美味しいですよね。大体どこのお店も美味しいし、お店の人もええ人やし」と述べ、岡村は「大学が京都でしたので、1年だけ通ってました。ほとんど吉本の養成所とコンビニバイトの往復で、1回生の時は38単位くらいとれたんですけど、2回生のときは4単位しかとれなかったです。在籍は8年ほどさせていただいて…親父からは『金をドブに捨ててるようなもんや』と言われたんですけども…そんな京都に久しぶりにきて、撮影のときに美味しい所もたくさん連れて行っていただいて、堤さんともお食事も一緒にさせていただいて、とても楽しい時間を過ごさせていただきました」と京都の思い出に浸った。監督は「今まで地方でキャンペーンもしてきて、試写会の舞台挨拶もしたのですが、今日は有料上映だそうですね。金曜日から全国公開にはなりますが、京都で撮影もしてきた想いもありますので、僕は今日が初日だと思ってます」と続けた。また、本作は大石内蔵助が書き残した預置候金銀請払帳を元にしているが、監督は「今でも明細破棄しちゃう人とか、捨てちゃう人とかいるのに、江戸時代から現代までこんなに残ってるんだと、昔の人はすごいんだなと心打たれました」としみじみ語った。
最後に、堤は「僕はコメディとは言いたくない。確かに笑える場面もありますが、人間関係や一人ひとりを細かくしっかり描いていて、共感できる誰かが必ずいると思います。脚本も読んだ時点で絶対に面白くなると思っていましたが、色んな役者さんと演じて、撮影でどんどん立体的になってくるような、初めての感覚がありました。撮影中に絶対間違いないと自信を持てた作品です」、岡村は「皆さんが知ってる忠臣蔵とは全然違う角度からの忠臣蔵になってます。自分がここは見せ場かなと思っているシーンがありまして、『太陽にほえろ!』を参考にしました。この後見てもらったら『あいつ、あれ、そうか!』と思っていただける所がありますので(笑)。今日は最後まで楽しんで帰ってください」、中村監督は「お二人をはじめ、次から次に素晴らしいお芝居がどんどん続いていきます。たぶん1回だけでは見きれないと思いますので、2回、3回と観ていただきたいと思います!」とコメントし、本イベントは幕を閉じた。
『決算!忠臣蔵』
11月22日(金) 全国公開
監督・脚本:中村義洋
原作:山本博文『「忠臣蔵」の決算書』
出演:堤真一 岡村隆史 濱田岳 横山裕 妻夫木聡 荒川良々 石原さとみ 竹内結子 西村まさ彦 寺脇康文 小松利昌 沖田裕樹 上島竜兵 堀部圭亮 山口良一 鈴木福 千葉雄大 滝藤賢一 笹野高史 橋本良亮 木村祐一 板尾創路 村上ショージ 西川きよし 桂文珍 鈴鹿央士 阿部サダヲ
配給:松竹
【ストーリー】 今から約300年前。江戸城・松の廊下。赤穂藩藩主・浅野内匠頭(阿部サダヲ)は、かねてより賄賂まみれだった吉良上野介に斬りかかる。通常であれば喧嘩両成敗となるはずが、幕府が下した結論は、赤穂藩のお取り潰しと、内匠頭の即日切腹。吉良へはお咎めなし。突然藩主を亡くしたことで、浅野家は断絶、藩士たちは路頭に迷う。筆頭家老・大石内蔵助(堤真一)は、嘆く暇もなく、浅野家復活を願い出て、ひたすら残務整理に励む日々。しかし、御家再興にも当然、お金が必要。内蔵助は、幼馴染の勘定方・矢頭長助(岡村隆史)の力を借りて、亡き内匠頭の妻・瑤泉院(石原さとみ)の化粧料(嫁入りの時の持参金)をかき集める。その金額は、およそ800両(9500万)!しかし、金の使い道がわからない内蔵助は、長助らの助言も聞かず、行き当たりばったりの大盤振る舞い。金はどんどん減っていく。一方、浪人となった藩士たちは、宿敵・吉良への仇討ちを勝手に計画。加えて、江戸の庶民たちまでもが、赤穂浪士たちによる仇討ちを超熱望。やがて、大金をはたいた甲斐もなく、御家再興は幕府の決定であっさり却下。「なんでやねん!」ようやく討ち入りを決意したものの、もはや予算残高は、微々たるものに…。討ち入るのか討ち入らないのか、迷っているうちにも予算はさらに減っていく。前線基地として購入した屋敷も火事で全焼。浪士たちの日々の生活費や食費に家賃、江戸までの旅費、武器の購入等々、お金は出ていくばかりで、プロジェクトは超難航。挙げ句の果てには、やる気満々の浪士たちのリストラも余儀なくされる始末。一方、自分の金を勝手に使われている瑤泉院の怒りもエキサイトして…。果たして彼らは“予算内”で、一大プロジェクト“仇討”を、無事に“決算”することができるのか!?
(C)2019「決算!忠臣蔵」製作委員会