西田敏行が「また逢う日まで」を熱唱!「おれ、歌で泣かせることできるんだ!」

昔気質のヤクザ者が、義理と人情を武器に、倒産寸前の私立高校や出版社、病院などの経営再建を試みる、累計45万部突破の今野敏による人気小説「任俠」シリーズ。その一作を、西島秀俊と西田敏行のダブル主演で映画化する『任俠学園』が、9月27日より公開中。このほど、10月10日にTOHOシネマズ 日比谷にて舞台挨拶&歌唱イベントが行われ、キャストの西田敏行、本作の主題歌と挿入歌を手掛けた東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦、そしてMCとして前田航基が登壇した。

この日は、阿岐本組のメンバーとして組長の西田を支えたIT系頭脳派の徹(てつ)を演じた前田がMCに挑戦。前田は「本当に今日初のMCで大変舞い上がっております」と話すも、お客さんからは温かな笑顔で迎えられ和やかな雰囲気でイベントは始まった。前田の呼び込みで西田と谷中が颯爽と登場するやいなや、乗っけから大盛り上がり。映画公開から早2週経つも見事満席に埋まった客席を見渡すと、西田は「嬉しいなぁ(笑)」と満足気な笑顔を見せ、初のMC業務に緊張した前田の様子を見て「大丈夫か?(笑)」と優しく語りかけた。

主題歌「ツギハギカラフル」を手掛けた谷中は、訪問した撮影時について「(訪問したのは)乱闘シーンだったんですが、西島さんが立ち回りで上の服をお脱ぎになられた時、現場誰もが息を呑んだんですよね…すごい身体されてますよね」と振り返り、西田も「鍛えてるからすごい。僕は西島くんと同じジムなんですけどすごいですよ~。たまに奥の方からうめき声が聞こえてくる(笑)」と冗談を交えて称えると、思わず場内は大爆笑した。そんな現場訪問を経て「ツギハギカラフル」のインスピレーションを得たという谷中は、「僕らスカパラのメンバーも9人いるので、ツギハギなキャラクターな感じなんですけど、『任俠学園』のキャラクターたちも、ツギハギな方たちがカラフルに成し遂げてる物語だなと思えたので、“愛のあるポンコツ”“友情のパッチワーク”“ズレたままハジキ飛ばしていこう”という歌詞のキーワードを考えられたので、すごくいい訪問になりましたね」と述懐した。

そしてそんな主題歌を手掛けたスカパラメンバーと挿入歌「また逢う日まで」をコラボして歌った西田は「(原曲を歌う)尾崎紀世彦さんとは『釣りバカ日誌』で共演して一緒に歌うシーンがあってハモったんだけど、その時に尾崎さんは僕のこと歌うまいなぁと思ってくれてたみたいですよ(笑)」と思い出を交えておどけると、すかさず谷中は「本当に西田さんの歌は素晴らしいですよ」とコメント。前田も「撮影中に反省会と称して行った飲み会でも歌ってくださって、本当に感動でした。今日はそんな西田さんの『また逢う日まで』が聴けるなんてみなさんラッキーですよ!」と客席を煽り大きな拍手が沸き起こった。また、谷中は西田とのレコーディングについて「スタジオに来てもらった時に、西田さんが登場されて一言『スカパラ』と言っていただいただけでもうギューと胸掴まれて。リハーサルだったんですが、『もうそのままでいいんじゃないか』と言っていたメンバーがほとんどでした。『なんで今、録音してなかったんだ!』と言うくらいお上手でした。一緒にやれるのが本当に嬉しくてレコーディングが終わって欲しくなかったくらい」と感慨深げに回想した。

そして、西田はこの日メインの「また逢う日まで」を歌唱。会場は一体となって手拍子を交えて西田の歌声に聞き入る。実は初日舞台挨拶で西田が「大ヒット御礼では歌います!」と宣言していたことが、今回約束通り実現したという。「鳥肌が立ってしまった」と涙を浮かべる前田を見て西田は「おれ歌で泣かせることできるんだ」と大喜び。すると谷中も「笑ってようと思ったんですけど感動してしまって」と涙を拭いながら「本当に素晴らしいです」とコメント。場内はまるでライブ会場のように、一層大きな拍手が沸き起こり笑顔に包まれた。

最後に、西田は「明日から本当に今年度最大なんじゃないかという台風が来る中、みなさんお越しいただきありがとうございました。大変ですがまたこの台風が去ったら『任俠学園』って面白い映画だったよと言っていただいて、また劇場にお越しいただけると嬉しいです」と人情味あふれる阿岐本組長のキャラクターさながら、優しく気遣いのあるコメントをして本イベントを締めた。

『任俠学園』
9月27日(金)より全国公開中
監督:木村ひさし
原作:今野敏「任俠学園」
脚本:酒井雅秋
主題歌:「ツギハギカラフル」東京スカパラダイスオーケストラ
挿入歌:「また逢う日まで」歌:西田敏行 演奏:東京スカパラダイスオーケストラ
出演:西島秀俊 西田敏行 伊藤淳史 葵わかな 葉山奨之 池田鉄洋 佐野和真 前田航基 戸田昌宏 猪野学 加治将樹 川島潤哉 福山翔大 高木ブー 佐藤蛾次郎 桜井日奈子 白竜 光石研 中尾彬 生瀬勝久
配給:エイベックス・ピクチャーズ

【ストーリー】 困っている人は見過ごせない、義理と人情に厚すぎるヤクザ“阿岐本組”。組長(西田敏行)は社会貢献に目がなく、次から次へと厄介な案件を引き受けてしまう。今度はなんと、経営不振の高校の建て直し。いつも親分に振り回されてばかりの阿岐本組No.2の日村(西島秀俊)は、学校には嫌な思い出しかなく気が進まなかったが、“親分の言うことは絶対”!子分たちを連れて、仕方なく学園へ。待ち受けていたのは、無気力・無関心のイマドキ高校生と、事なかれ主義の先生たちだった。

© 今野 敏 / © 2019 映画「任俠学園」製作委員会