森山未來と、『アイカ』(原題)で第71回カンヌ国際映画祭最優秀主演女優賞に輝いたサマル・イェスリャーモワがダブル主演を務める、日本とカザフスタンの合作映画『オルジャスの白い馬』が、2020年1月18日より公開される。このほど、本作の予告編がお披露目となった。
予告編は、カザフの大草原を舞台に描かれる、父であることを語れない男と、父を失った少年の心の触れ合いを捉える。カザフスタンの広大な空に抱かれた草原の小さな家。仕事に出かける父と畑仕事に勤しむ母アイグリと息子オルジャス。家族はいつもと同じ朝を過ごしていた。そんな中、突然父が銃弾に撃たれ、帰らぬ人に。一家の大黒柱を失い、大きな岐路に立たされてしまった母子のもとに、一人の男・カイラート(森山未來)が訪ねてくる。実は、オルジャスはカイラートとアイグリの間にできた子供だったが、オルジャスはそのことを知らない。本当のことを伝えられないカイラートと、母から“馬飼い”と聞かされ本当のことを知らないオルジャスの束の間の心の触れ合いが、詩情豊かでありながら抑制されたタッチで描かれる。
本作の監督の一人で、原案に加えてカザフ側のキャストやスタッフを取りまとめたエルラン・ヌルムハンベトフは、「この映画で、私は家族の失われた物語を照らしたかった」と作品に込めた想いを語る。カザフ語で“強い男”の意味である“カイラット”にちなんだ名前であるカイラートら親子による普遍的な父と子のドラマと、それを包み込むカザフの果てしない空と大地、光を美しく捉えた圧倒的な映像美にも注目だ。
『オルジャスの白い馬』
2020年1月18日(土)より新宿シネマカリテほか全国ロードショー
監督・脚本:竹葉リサ エルラン・ヌルムハンベトフ
撮影監督:アジズ・ジャンバキエフ
出演:森山未來 サマル・イェスリャーモワ マディ・メナイダロフ ドゥリガ・アクモルダ
配給:エイベックス・ピクチャーズ
【ストーリー】 夏の牧草地、草の匂いが混じった乾いた風、馬のいななく声。広大な空に抱かれた草原の小さな家に、少年オルジャスは家族とともに住んでいる。ある日、馬飼いの父親が、市場に行ったきり戻らない。雷鳴が轟く夕刻に警察が母を呼び出す。不穏な空気とともに一家の日常は急展開を迎える。時を同じくして、一人の男が家を訪ねてくる…。
©『オルジャスの白い馬』製作委員会