玉城ティナ「観たことの無い邦画になった」と自信!「スター誕生!!」と町山智浩も絶賛!

累計発行部数300万部を記録した押見修造の人気コミックを、メインキャストに伊藤健太郎、玉城ティナ、秋田汐梨、飯豊まりえを迎えて実写映画化する『惡の華』が、9月27日より公開される。このほど、9月15日に東京・神楽座にて公開直前特別試写会が行われ、映画評論家の町山智浩、原作者の押見修造、井口昇監督、そしてスペシャルゲストで玉城ティナが登壇した。

以前から業界内で度々持ち上がっていた『惡の華』の映画化。町山は「映画プロデューサーと『惡の華』に関して話すと、中学生の性描写がある点でこのまま映像化することは危険で難しい、高校生に設定を変えないとまずいんじゃないかという話もあったけれど、これは突破しましたね!」と一言。監督は「僕もそういうことは言われたことがありましたが、映像化するのであればやはりなるべく忠実にしたかった。そうでないと全く意味が変わってしまうので」と話す。「実現できたというのも日本映画界がだんだん変わってきたからだと思うんです。それまではキラキラ映画が主体というか、『惡の華』が映画化しにくい環境だった。それが少しずつ変わってきたのだと思います」と、今だからこそこの作品が映像化された背景を説明した。

押見が唯一訪れたのは桐生市での撮影。本作のハイライトとなるお祭りの櫓のシーンだが、町山はこのシーンを「非常に美しかった」と語る。井口監督は「あのシーンは11月の寒い時期に撮ったのですが、少しずつエキストラさんが減っていくんですよ。気づいたら1時間後くらいに100人ぐらいいなくなっていて。カットが進むごとに画が狭くなっていくんです」と裏話を披露し会場には大きな笑いが起きた。

「空の色がとても綺麗だった」と、町山がもう一つ美しいシーンとして挙げたのはクライマックスの海のシーン。撮影の順番が変わり、急遽海に入ることになったキャスト陣だったが、ウエットスーツを着ることなく撮影に臨んだという。それによってリアルな姿を撮ることができ、「もしウエットスーツを着ていたら、あんな風には撮れなかった」と監督は撮影当時を振り返った。

玉城が仲村佐和として目の前に現れたときの感動を聞かれた押見は、「感動しました。恋をしてしまいました」と真っ直ぐに答える。そこへ町山から「そんな玉城さんが今日ここへ来ています!」とサプライズ発表。「あ!そうなんですか!」と驚く押見の横から現れた玉城に、客席からも大きな拍手が起きる。舞台に出るや否や、町山からのお願いで、映画とは打って変わり穏やかな声で「クソムシが」とキメ台詞を披露した玉城。劇中で度々ショッキングなセリフを口にするキャラクターを演じたが、撮影前に「言えない日本語はありません」と監督に宣言したという。押見は玉城演じる仲村と、自身の描いた仲村に「全くズレを感じなかった」と語る。さらには「仲村さんのシーン全部最高。改めて自分の漫画を読み返すと、なんてショボいんだと思いますね」と衝撃発言をし、会場は笑いに包まれた。

出来上がった作品を観ての感想を聞かれた玉城は、「1回目観た時は自分が仲村さんに近づけているのかという不安が残ってしまっていたんですけど、2回目では『惡の華』の世界観としてちゃんと一つの仲村というピースになれているのかなと思えました。観たことの無い邦画になったなと思いました」と作品に対する自信をのぞかせ、町山は「僕はこの映画を観た時にスターの誕生する瞬間を見た時の感動を味わいました。『愛のむきだし』を観た時に感じた“これはすごいことになるぞ”という衝撃を受けました。玉城さんをキャスティングした時点で勝ったね!」と大きな太鼓判を押した。

『惡の華』
9月27日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督:井口昇
原作:押見修造「惡の華」(講談社「別冊少年マガジン」所載)
脚本:岡田麿里
主題歌:リーガルリリー「ハナヒカリ」(Office Augusta / Bandwagon)
出演:伊藤健太郎 玉城ティナ 秋田汐梨 飯豊まりえ 北川美穂 佐久本宝 田中偉登 松本若菜 黒沢あすか 高橋和也 佐々木すみ江 坂井真紀 鶴見辰吾
配給:ファントム・フィルム

【ストーリ―】 山々に囲まれた閉塞感に満ちた地方都市。中学2年の春日高男(伊藤健太郎)は、ボードレールの詩集「惡の華」を心の拠り所に、息苦しい毎日をなんとかやり過ごしていた。ある放課後、春日は教室で憧れのクラスメイト・佐伯奈々子(秋田汐梨)の体操着を見つける。衝動のままに春日は体操着を掴み、その場から逃げ出してしまう。その一部始終を目撃したクラスの問題児・仲村佐和(玉城ティナ)は、そのことを秘密にする代わりに、春日にある“契約”を持ちかける。こうして仲村と春日の悪夢のような主従関係が始まった…。仲村に支配された春日は、仲村からの変態的な要求に翻弄されるうちに、アイデンティティが崩壊し、絶望を知る。そして、「惡の華」への憧れと同じような魅力を仲村にも感じ始めた頃、二人は夏祭りの夜に大事件を起こしてしまう…。

©押見修造/講談社 ©2019 映画『惡の華』製作委員会