第90回アカデミー賞長編アニメ映画賞にノミネートされたノラ・トゥーミーの単独初監督作『ブレッドウィナー』が12月に公開されることが決定し、併せて、特報映像、ポスタービジュアル、場面写真がお披露目となった。
タリバン政権下、争いによって荒廃したカブールの町で、11歳のパヴァーナは、家族と小さな部屋に暮らしている。ある日、突然父親がタリバンに連行され、家族の暮らしは一変。家族のために、パヴァーナは髪を切り少年になりすまし町に出て、父親を救いだす方法を探そうと決意する。
制作は、『ブレンダンとケルズの秘密』、『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』とファンタジックな映像を手がけた、アイルランドでは“ポスト・スタジオジブリ”と称されるアニメ制作会社カートゥーン・サルーン。前2作とは異なる個性を持つ本作は、18年前の2001年9月11日、世界に衝撃を与えたアメリカ同時多発テロ事件の首謀者オサマ・ビンラディンを擁護していた、タリバン政権が支配するアフガニスタンが舞台。物語性を際立たせ、主人公の目の表情に恐怖や怒り、そして希望を語らせる細やかな演出によって、「アニメーションは子供向け」という先入観を打ち破る作品となっている。
本作は、アヌシー国際アニメーション映画祭にて観客賞、審査員特別賞、最優秀音楽賞を受賞、アニメ界のアカデミー賞と言われるアニー賞にて最優秀インディペンデント作品賞を受賞したほか、42の国と地域、102の映画祭で上映され、数多くの観客賞に輝いた。
トゥーミー監督に助言をし、共に本作を作り上げたのは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の特別大使を務めるとともに、アフガニスタンで少女たちの学校教育を支援しているアンジェリーナ・ジョリー。エグゼクティブ・プロデューサーとして本作に参加している。
『ブレッドウィナー』
12月、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
監督:ノラ・トゥーミー
原作:デボラ・エリス「生きのびるために」(さ・え・ら書房)
エグゼクティブ・プロデューサー:アンジェリーナ・ジョリー
アニメーション監督:ファビアン・アーリンハウザー
脚本:アニータ・ドロン
声の出演:サーラ・チャウディリー ソーマ・チハヤー ラーラ・シディーク シャイスタ・ラティーフ カワ・アダ アリ・バットショー ヌリーン・グラムガウス
配給:チャイルド・フィルム ミラクルヴォイス
【ストーリー】 タリバン政権下、争いによって荒廃したカブールの町で、11歳のパヴァーナは、家族と小さな部屋に暮らしている。足の悪い父は、アフガニスタンの歴史を美しい伝説になぞらえて話してくれていた。ある日突然父親がタリバンに連行され、家族の暮らしは一変する。タリバンは女性のみの外出を禁じているため、残された者だけではお金を稼ぐことも、食料を買いに行くこともできない。家族のために、パヴァーナは髪を切り少年になりすまし町に出て、父親を救いだす方法を探そうと決意する。