大泉洋と小池栄子がニセ夫婦に!ケラ原作の戯曲を映像化『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』2020年2月公開!

今年で生誕110年を迎えた昭和の文豪・太宰治の未完の遺作を、ケラリーノ・サンドロヴィッチが独自の視点で完成させた戯曲「グッドバイ」を、大泉洋と小池栄子のダブル主演で映像化した『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』が、2020年2月14日より公開されることが決定し、特報映像とティザービジュアルがお披露目となった。

戦後の混乱から復興へ向かう昭和の日本が舞台の本作。文芸雑誌の編集長・田島周二は、気がつけば何人もの愛人を抱えていた。このままではいけないと愛人たちと別れる決心をするも、彼女たちを前にすると別れを切り出すことができない。困り果てた田島は、金にがめつい担ぎ屋・キヌ子に、女房を演じてくれと頼み込み、二人の“嘘(にせ)夫婦”の企みが始まる。

原作は、昭和の文豪、太宰治の未完の遺作を、鬼才、ケラリーノ・サンドロヴィッチが独自の視点で完成させた戯曲「グッドバイ」。観客を笑いと多幸感で包み込み、第23回読売演劇大賞最優秀作品賞に輝いた。

なぜか周囲の女たちが好きになってしまうダメ男・田島周二を演じるのは大泉洋。ガサツで小汚いけれど実は美人なパワフル女・永井キヌ子を演じるのは、舞台版で同役を演じ、読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞した小池栄子。嘘夫婦が別れを告げに行く愛人役には、クールな女医・大櫛加代を水川あさみ、挿絵画家の水原ケイ子を橋本愛、儚げな花屋の青木保子を緒川たまきが扮し、それぞれ生き生きと演じている。さらに、離れて暮らす妻・田島静江を木村多江、田島を尊敬する編集部員・清川伸彦を濱田岳が務め、“嘘夫婦”の計画を提案する作家・漆山連行役で松重豊が出演する。監督は、『八日目の蝉』で日本アカデミー賞最優秀監督賞に輝いた成島出。そのほか、皆川猿時、田中要次、池谷のぶえ、犬山イヌコ、水澤紳吾、戸田恵子が顔を並べ、日本映画界、演劇界を担う実力派俳優、監督が集結した。

特報映像には、「僕が狂っていたんです」と愛人たちと別れる術を連行に相談し途方に暮れる田島や、嘘夫婦を演じることになりレトロモダンな洋服に身を包み、すまし顔で「田島の家内でございます」と愛人に挨拶するキヌ子、さらには、なぜか喪服を着た愛人たちが楽し気に踊る姿などが収められる。

ティザービジュアルでは、女がほっとけないダメ男・田島が愛人たちから引っ張りだこになり困り果てる姿を、パワフル女・キヌ子が何かを企むように不敵な笑みを浮かべて見ており、何やらワケありな様子を醸し出している。

▼キャスト&スタッフ コメント

■大泉洋(田島周二役)
脚本が面白くて読んでいる途中でマネージャーに「面白い!ドキドキする!こういう作品に出たかった!」とメールしたのを覚えています。今回、(撮影に入る前に)成島さんがご病気もなさったということもあり、撮影時に、“笑う”ということがいかに大事かと改めて感じたと話して下さいまして、そのため“笑い”というものをとても重視した映画になっていると思います。コメディもお上手なんだな、と改めて思いました。とにかく成島さんの演出が面白く、いつも笑っていました。小池さんのことは傍から見ていても「この人、すごいな」と思っていて、まさか自分がこんなにしっかりとお仕事できると思っていなかったので嬉しかったです。小池さんは、今回のキヌ子もそうですが、“いっちゃってる役”を演じているのがいいですよね。今回の作品では彼女の美しさを存分に成島さんが引き出していて、改めて綺麗な人だなーと思いました。撮影以外でも延々と漫才のようなやりとりをしていたから、共演していて楽しかったです。僕が演じた田島という男が、どんどん愛人を作ってしまい、彼女たちとお別れしていくというお話で、どうやって女性と“グッドバイ”していくのか、その度に田島がどうなってしまうのか、というところを楽しんでもらえたらと思います。

■小池栄子(永井キヌ子役)
成島さんは私が出演した舞台「グッドバイ」をとても気に入ってくれていたのですが、本当に映画化してくれるんだと驚き、そんな監督の熱意が嬉しく、ホントに頭が下がる思いでした。また、成島さんがコメディを撮るというのも新鮮だなとワクワクしました。(5作目となる成島組は)とても穏やかで明るい現場でした。本読み、リハーサルといつものように丁寧に作ってくださり、初日からスムーズで、とにかく信頼している監督ですので、いつも通り行くぞ!という気持ちでした。(大泉さんとの共演は)毎日楽しかったです。母性本能をくすぐられる魅力的なダメーな田島でしたが、役者さんとしては何でも受け止めてくださるので、安心しきってました。チャーミングな人が沢山出てくる、チャーミングな作品を大いに楽しんでください。

■水川あさみ(大櫛加代役)
ケラさんの書いた「グッドバイ」の脚本を元に作ったという事で、人物像のユニークな部分がより浮き立っていて思わず吹き出してしまうようなやりとりとフィクションで描かれている部分のバランスが何とも心地よく、心奪われました。人物像の面白さや、掛け合いの面白さ、沢山の女が翻弄された姿を面白おかしく観て頂ければ嬉しいです。

■橋本愛(水原ケイ子役)
戦後の混沌とした時代が背景にありながらも、愉快で軽妙な物語に惹かれました。読み進めていくうちに希望に溢れたテーマを発見し、心が震えたのを覚えています。キヌ子さんの存在に、私は大きな人生賛歌を感じました。生きるだけの魅力がこの世界にはあるはずだと、一人でも思ってもらえたら嬉しいです。

■緒川たまき(青木保子役)
「おとなしく控えめな性格の戦争未亡人が、やがて楽天的に人生を謳歌する明るい女性へと変わっていく」というのが舞台版の保子でしたが、映画版ではそこに、「アンバランスな情熱を内に秘めた官能的な要素」が加味されています。男性からすれば、「現実にはちょっと危険すぎて関わらないほうがいい」タイプの女性かもしれません。『グッドバイ』は、保子も含めて登場人物全員が溢れんばかりのエネルギーを内に秘めて織りなすラブ・コメディ、そして、逞しくもまぶしい人間賛歌に満ちあふれた映画だと思います。

■木村多江(田島静江役)
舞台を拝見していたので内容は知っていましたが、舞台とはまた違って可愛らしい脚本でした。どう妻を演じられるか、台本からは想像できず心配になりましたが、(成島監督は)ご一緒したい監督でしたので、とても嬉しかったです。リハーサルや撮影中、私も好きな監督の視点に、何とか近づきたいと久々に悩みました。おとぼけな登場人物たちと、日本映画を回顧するようなひとときを、楽しんでいただきたいです。

■濱田岳(清川伸彦役)
この、太宰の世界観。この脚本ならではのコミカルな空気。そして、これをあの成島出監督がお撮りになるのかと思って読むだけで、楽しく、可笑しく、ワクワクしたのを覚えています。さらに、このキャストの中に参加できると再確認した時、不安と緊張が湧き上がりました。今ではこんな素敵な映画に参加できた事を幸せに思っております。そんな作品をお客様にも楽しんでいただけたら幸いです。

■松重豊(漆山連行役)
太宰作品もKERAさんが料理することで、こんなにも生き生きとした現代喜劇に仕上がるのだと感心しました。大泉くん(演じる田島と)と小池さん(演じるキヌ子)の関係は、過去の文豪の作品にありがちな、今に置き換えると極めてブッ飛んだ関係性です。そこをどう演じられたか、僕が観客として最も楽しみにしているところです。

■成島出(監督)
「ラブコメがやりたかったのだ」というケラさんの言葉が真っすぐに響きました。大人が楽しめる洒脱なコメディを観たい。その欲望に忠実に映画を作りました。私も「ロマンチックな恋愛狂騒劇」=スクリューボールコメディってやつを昔からやりたかったのです。主役はこの二人(大泉&小池)しかない、と最初から思っていました。今は「喜劇役者」という言葉が死語になってしまいましたが、この二人はまさに「喜劇役者」ですから。シチュエーションコメディではなくヒューマンコメディを撮りたいと思いました。やっぱり人間が一番面白いから。登場人物の過ちと欲望によってすべてのドタバタが起きていきます。だからみんなが憎めなく、どこか愛おしい。そこを楽しんでいただければ、と思います。

『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』
2020年2月14日(金)、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
監督:成島出
原作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:大泉洋 小池栄子 水川あさみ 橋本愛 緒川たまき 木村多江 皆川猿時 田中要次 池谷のぶえ 犬山イヌコ 水澤紳吾 戸田恵子 濱田岳 松重豊
配給:キノフィルムズ

【ストーリー】 戦後の混乱から復興へ向かう昭和のニッポン。文芸雑誌の編集長の田島周二(大泉洋)は、気がつけば何人もの愛人を抱える始末。このままではいけないと愛人たちと別れる決心をしたものの、優柔不断な田島は、彼女たちを前にすると別れを切り出すことができない。困り果てた田島は、金にがめつい担ぎ屋・キヌ子(小池栄子)に、女房を演じてくれと頼み込む。そう、キヌ子は泥だらけの顔を洗うと誰もが振り返る女だったのだ。男は、女と別れるため、女は、金のため…。二人の“嘘(にせ)夫婦”の企みが始まった。

©2019『グッドバイ』フィルムパートナーズ