『この世界の片隅に』の片渕須直監督も称賛!台湾アニメ『幸福路のチー』11月公開

東京アニメアワードフェスティバルのグランプリ受賞を皮切りに、名だたる映画祭で受賞を重ねてきた台湾発の傑作アニメーション映画『幸福路のチー』が、11月29日より公開されることが決定し、予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。

無邪気な子ども時代、親の期待に応えることが至上命題だった学生時代、理想とは違う社会、友人との別れ、そして新しい出会い…。本作では、その背景にある、台湾語禁止の学校教育、少数民族である祖母との関係、学生運動など、戒厳令の解除を経て民主化へと向かう現代台湾の大きなうねりが、1975年生まれの一人の女性の半生を追って描かれる。

2018年のTAAF東京アニメアワードフェスティバルにて上映された本作。本編終了後、会場は鳴りやまない大きな拍手と、ほかの候補作とは比較にならない熱気に包まれ、その熱狂は本作を同映画祭グランプリに輝かせた。この台湾発の小さな映画が最高賞を受賞するとは、当初誰も想定しておらず映画祭最大のサプライズであった。「この作品がより多くの国で上映され、全世界に台湾の感動的な物語を見てもらえたら」との監督の言葉通り、その後、本作はアヌシー、オタワなど名だたる国際アニメーション映画祭を席巻。ついには2019年アカデミー賞長編アニメーションの25作品にエントリーされるなど快進撃を続け、ついに日本劇場公開となる。

オリジナルアニメーションの土壌が無い台湾で、一人の実写映画監督ソン・シンインが、自らアニメーションスタジオまで立ち上げて完成させたこの半自伝的な奇跡の一本は、国籍、世代、性別を問わず、世界中の人々から「自分たちの物語」だと絶大な共感を呼んでいる。『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の公開を控える片渕須直監督は本作に、「歴史を描く、暮らしや景色の変化を描くというテーマについて、アニメーションだからこそ出来ることがある」とコメントを寄せた。

『幸福路のチー』
11月29日(金)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで公開
監督:ソン・シンイン
主題歌:「幸福路上/On Happiness Road」ジョリン・ツァイ
声の出演:グイ・ルンメイ チャン・ボージョン リャオ・フェイジェン ウェイ・ダーション
配給:クレストインターナショナル

【ストーリー】 チーは祖母が亡くなった知らせを受け、長らく疎遠にしていた故郷、幸福路に帰ってくる。記憶にあるのとはすっかり変わってしまった景色を前に、チーは人生、そして家族の意味を考え始める。子どもの頃の夢、老いていく親、大人になった自分。「あの日思い描いた未来に、私は今、立てている?」。実は人生の大きな岐路に立っていたチーは、幸福路である決断をする。

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