カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)、米アカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞したクロード・ルルーシュ監督の名作『男と女』(1966)の53年後を描く『Les plus belles années d’une vie』(原題)が、邦題『男と女 人生最良の日々』として、2020年1月に公開されることが決定した。
本作は、当時まだ無名だった29歳のルルーシュ監督が、“妻に自殺された男と夫を事故で亡くした女”の出会いと微妙な恋の心情を描いた『男と女』の主人公二人の愛の53年後を描く。当時と同じ俳優を起用し、2018年に他界した作曲家フランシス・レイの名曲も随所に散りばめられ、2019年カンヌ国際映画祭で発表、上映後20分にも及ぶスタンディングオベーションが止まらないほどの大喝采を浴びた。
6月20日から23日に開催された「フランス映画祭2019 横浜」では、ルルーシュ監督が団長として13年ぶりに来日。6月21日には『男と女 人生最良の日々』のプレミア上映が行われ、女優の岸惠子と登壇し、トークを実施した。
■「フランス映画祭2019 横浜」レポート
岸は、パリで暮らしていた際にルルーシュ監督のオフィスの向かいに住んでいたこともあり、その試写室で第一作の『男と女』ほか多くの彼の作品を鑑賞した思い出を語ったほか、最新作を鑑賞し、「ひどく感動した。53年たったジャン=ルイ・トランティニャンの顔が大きく映し出されたとき、こういう映画ができるフランスがうらやましい、こういう文化的土壌は日本にはないなと思った」と感動を述べた。
ルルーシュ監督からは「今日ここに来られたことを嬉しく思います。53歳若返ったような気がします。なぜなら、53年前に『男と女』を持って来日し、そして53年後にその映画のエピローグをもって日本に来ることは想像もしませんでした。この映画を見て頂けたら、私にとってどれほど重要なものか分かって頂けると思います。同じ監督が、同じ俳優を使って、53年後にその後のストーリーを撮るということは、映画史上ないことです」と今回の来日に対する感動を語った。さらに、「本作は『男と女』をすでに見た人に向けて作られた映画ではありますが、まだ一度も『男と女』を見ていない人にもわかるように構成しました。テスト上映を何回もしましたが、年老いた人も若い人も同じようにこの映画を楽しんでくれた。この映画は見る人の年齢を選ばないのです。まだ『男と女』を見てない方にも是非ご覧頂きたい」と温かい笑顔とともに語り、感情は大きな拍手に包まれた。
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『男と女 人生最良の日々』
2020年1月より全国公開
監督:クロード・ルルーシュ
音楽:カロジェロ フランシス・レイ
出演:アヌーク・エーメ ジャン=ルイ・トランティニャン スアド・アミドゥ アントワーヌ・シレ
配給:ツイン
【ストーリー】 元レーシング・ドライバーの男、ジャン・ルイ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は、今は老人ホームに暮らし、かつての記憶を失いかけている。彼の息子は父親を助けるために、父がずっと追い求めている女性アンヌ(アヌーク・エーメ)を探す決心をする。果たしてアンヌは、ジャン・ルイと再会し、二人の物語をまたあの場所から始めることできるのか…。
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