野宮真貴「前作のアヌーク・エーメは私にとって大人の憧れの女性像」、高橋幸宏「最初の10分のジャンの表情だけで成功と思った」

カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)、米アカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞したクロード・ルルーシュ監督の名作『男と女』(1966)の53年後を描く『男と女 人生最良の日々』が、1月31日より公開される。それに先立ち、1月17日にスペースFS汐留にて公開記念トークイベントが行われ、高橋幸宏と野宮真貴が登壇した。

1966年の映画『男と女』公開時に劇場で18回鑑賞した高橋幸宏と、2016年に映画『男と女』50周年記念としてフランシス・レイの世界的名曲「男と女」をオフィシャル・サポーター・ソングとして発表した野宮真貴という、『男と女』を愛してやまない二人。音楽活動はもちろん、様々な分野でトップを走り続ける“かっこいい大人”の代名詞である二人が本作を通して“大人の恋愛のたしなみ方”をたっぷりと語り、登壇前には野宮真貴がアコーディオン奏者を従えてしっとりと「男と女」を歌い上げた。

クロード・ルルーシュ監督にこれまで2回ほど会ったことがあるという高橋幸宏。一足早く『男と女 人生最良の日々』鑑賞した感想を「最初の10分のジャンの表情だけでこの映画は成功と思いました」「劇中、すごいシュールな映像やギャグを入れてくる、映画なのか夢なの分からない。その映像がすごくいいですよね」「トリュフォーやゴダールも好きですが、それとこれとは別。こういう映像はルルーシュにしか撮れないと思う。『男と女』は当時としてはとても斬新だったよね」と語り、野宮真貴は「第1作目は、大人の恋のおしゃれ映画として大好きだったので。だから、今回はまたあの二人に会えるという嬉しさ、どういう風に描かれているかという期待と不安が入り混じって観たのですが、また二人が再会して、新しい恋が始まるという本当に素敵で幸せな映画になっていました」と二人揃って絶賛した。さらに野宮は「前作でのアヌーク・エーメは私にとって大人の憧れの女性像で。第1作目当時の彼女の年齢を超えた今でもそう思っています。私自身ファッションにもとても影響受けていて、ベッドシーンの黒い下着やムートンコート、シンプルなセーター、センターパーツのボブヘア、クラシックなアイラインメイクとか、ちょっと意識しているんです。あと、彼女の髪の毛が艶々でふわっとしていて、、、。加齢していくと普通水分を失っていくものだから、あれはさすがだなと思いました(笑)!フランス人特有のさりげないメイクをしているのですが、赤い口紅をつけているのは女性であることの誇りのように感じましたね」とその想いを語った。

劇中に登場する、ドーヴィルの有名なホテルに2回宿泊したことがあると明かした高橋。第1作目の『男と女』がヒットしたことで有名になったホテルだが「僕が泊まったのは(劇中で2人が泊まる)26号室じゃないけどね!見学させてくださいとは恥ずかしくて言わなかったけど(笑)、昔と全然変わっていなかった。大好きなホテルです。ドーヴィルは可愛い街だから。虜なんですよ」と語り、まだ本作を観ていない人について聞かれた高橋は「若い人になら『まず、前作を観なさい』っていいますね。そうではない人は、まあ、観なくてもわかるから(笑)。とてもわかりやすいストーリーだし」、続いて野宮は「私も、若い方なら前作をすぐ観てといいますが、親御さんと一緒に観に行くのもいいのかなと思います!それぞれの恋愛のときめきとか語り合って」と述べた。最後に、高橋が「僕が観たときは中学3年生だったから、親と一緒に行ったことはないですね(笑)。今の中学3年生が観たら頭でっかちな子供になるかもしれませんねえ。お勧めしない!」と語り、場内の笑いに誘った。

『男と女 人生最良の日々』
1月31日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー
監督:クロード・ルルーシュ
音楽:カロジェロ フランシス・レイ
出演:アヌーク・エーメ ジャン=ルイ・トランティニャン スアド・アミドゥ アントワーヌ・シレ
配給:ツイン

【ストーリー】 いまや記憶を失いかけている元レーシング・ドライバーの男ジャン・ルイ(ジャン=ルイ・トランティニャン)。過去と現在が混濁するなかでも、かつて愛した女性アンヌ(アヌーク・エーメ)のことだけを追い求めていた。そんな父親の姿を見た息子は、アンヌを探し出すことを決心。その想いを知ることになったアンヌはジャン・ルイの元を訪ね、そしてついに、別々の道を歩んでいた二人は再会を果たすことに。長い年月が過ぎたいま、アンヌとジャン・ルイの物語がまたあの場所から始まる。

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