望月衣塑子(東京新聞記者)のベストセラー「新聞記者」を原案に、政権がひた隠そうとする権力中枢の闇に迫ろうとする女性記者と、理想に燃え公務員の道を選んだある若手エリート官僚との対峙・葛藤を描いた、松坂桃李とシム・ウンギョンのダブル主演で贈る映画『新聞記者』が、6月28日より公開される。このほど、6月4日に丸の内ピカデリーにて完成披露上映会が行われ、キャストのシム・ウンギョン、松坂桃李、高橋和也、北村有起哉、田中哲司、藤井道人監督が登壇した。
本作は「国家権力と報道メディア」をテーマに、官邸が主導する“大学新設計画の真相”に迫ろうとする女性記者と、秘かにメディアを駆使して“都合のよいファクト”を造り上げようとする官僚たちとの葛藤を、大胆に生々しく描くサスペンス・エンタテインメント。
東都新聞記者・吉岡役を演じるシムは、日本と韓国での仕事の違いについて聞かれると「撮影の期間」だと答え、「インディーズだと2週間で撮れる映画もたくさんあると聞いて驚いた」という。本作の撮影前にも不安で「悩んだ時期もありましたが、自分が持っている集中力を全部出して」乗り切ったと述べ、「この映画は、すごく貴重な経験。自分の芝居も成長できたと思います」と日本語でコメントした。
内閣情報調査室の官僚・杉原役を演じる松坂。チャレンジングな役どころで「ズシリと来るシーンが多くて、メンタル的にも気持ちを上げるのが難しかった」という。「杉原は、ひとつのできごとに対して、自分の思いをぶつけて立ち向かっていくんですが、自分はそうできているか」を改めて考えさせられた役だったことを明かした。
映画『新聞記者』にちなみ、シムが共演者にするどくツッコむ質問コーナーがスタート。「セリフを覚えるときどこで覚えますか?」というシムからの質問に、松坂は「焼き肉を焼きながらとか。家に帰ってからでも、何かをしながらとか、何か自分の中で負荷を与えながら覚える」とコメント。さらに「休みは何をして過ごしますか?」という質問には、「ずっとダラダラとテレビを観ています。朝のニュース番組から、お昼のワイドショー、アニメ、夕方のニュース、ドラマ…」と、一日中テレビを観ていることを告白すると、北村から「自分を追い込んだりしないの?」という質問が。これに松坂が「解放されたいですね〜(笑)」と答えると、シムも「私も同じです(笑)」と笑顔で同調して会場から笑いが起こった。
最後は松坂からシムに「気に入っている日本語は?」という質問が。シムは「ナウい!」と答え、一同から「古い(笑)」とツッコまれたが、すかさず松坂に向かって「今日はナウいですね(笑)」と言い放ち、松坂をタジタジにさせていた。
『新聞記者』
6月28日(金)新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国ロードショー
監督:藤井道人
企画・製作:河村光庸
主題歌:OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND「Where have you gone」
出演:シム・ウンギョン 松坂桃李 本田翼 岡山天音 郭智博 長田成哉 宮野陽名 高橋努 西田尚美 高橋和也 北村有起哉 田中哲司
配給:スターサンズ イオンエンターテイメント
【ストーリー】 東都新聞記者・吉岡(シム・ウンギョン)のもとに、大学新設計画に関する極秘情報が匿名FAXで届いた。日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育ち、ある強い思いを秘めて日本の新聞社で働いている彼女は、真相を究明すべく調査をはじめる。一方、内閣情報調査室の官僚・杉原(松坂桃李)は葛藤していた。「国民に尽くす」という信念とは裏腹に、与えられた任務は現政権に不都合なニュースのコントロール。愛する妻の出産が迫ったある日彼は、久々に尊敬する昔の上司・神崎(高橋和也)と再会するのだが、その数日後、神崎はビルの屋上から身を投げてしまう。真実に迫ろうともがく若き新聞記者。「闇」の存在に気付き、選択を迫られるエリート官僚。二人の人生が交差するとき、衝撃の事実が明らかになる。
©2019『新聞記者』フィルムパートナーズ