桜田ひより、福原香織、山本寛監督が登壇!『薄暮』舞台、福島県いわき市・舞台挨拶レポート

山本寛監督が贈る、東日本大震災・復興プロジェクト「東北三部作」最終章である『薄暮』が、5月24日より福島県にて先行公開、6月21日より全国順次公開される。このほど、5月24日に福島県いわき市にて記者会見&舞台挨拶付き特別試写会が行われ、桜田ひより、山本寛監督、福原香織(試写会のみ)が登壇した。

ヒロイン小山佐智の声優を務めた主演・桜田ひより、佐智の姉役として共演の福原香織、そして山本寛監督による舞台挨拶が行われた。主演の桜田は、「もともとアニメがすごく好きで、声優に憧れて、尊敬している部分がありました。それゆえ、声優のオファーをいただいたときは、嬉しさとともに、“私でいいのだろうか”と不安もよぎりました。しかし、監督が薄暮への想いをたくさん伝えてくださったので、その分、私も期待に応えたいと思いました」と、声優初挑戦となった本作への意気込みを話し、続けて、「アフレコは、台本をめくる時に音がでないようにしたり、セリフの息の出しかたを試行錯誤するなどしながら演じましたが、収録自体すごく楽しかったです」と振り返った。

監督は、「20数年前の学生の時、田園風景に佇む女の子のイメージを描き、それ以来あたためてきた作品です。主題歌「とおく」のミュージック・ビデオも、僕が監督していわきで撮影し、桜田さんに出演していただきました。ヒロインの佐智のイメージに桜田さんはぴったりだと思っていましたが、ミュージック・ビデオ撮影のために桜田さんが制服をきた瞬間、そこには、僕の心の中にいた佐智が存在していました」と、桜田が監督のイメージ通りだったことを伝えた。また、「今回、作品を通して主に伝えたいことは、“福島県いわき市が美しいこと”だと思っています。それゆえ、複雑なストーリーにはしておらず、シンプルなボーイミーツガールのお話になっています。ヒロイン佐智は、その風景を存分に味わい尽くしています。日本中・世界中の人に、福島って素敵だと思っていただきたいし、日常があることは素晴らしいということを伝えたいと思っています」と作品に込めた想いを語った。

福原は、「薄暮のオファーをいただいたとき、ふたをあけたら“いわき”のお話でした。私の母方の親戚はいわき出身なので、お盆と正月は毎年いわきで過ごしているほどで、そんな馴染みのあるいわき作品に出演できることが、本当に嬉しかったです。山本監督とは12年くらいお仕事でご一緒させていただいておりますが、監督と一緒に歳を重ねて、いろんな作品を共にして、それから今この薄暮がめぐってきたこと、非常に貴重な経験をさせていただいているように感じています」と、運命的な巡り合わせに感謝した。

最後に桜田は、「初めてのことばかりで、貴重な体験をさせていただいた感覚があります。佐智と私は似ている部分があり、自分の気持ちをあまり表にださずに、自分で深く考えてしまうところなど、共通している点が多いです。佐智のことを大好きになった作品なので、6月21日の公開を皆様と一緒に楽しみにしています」と挨拶した。

『薄暮』
5月24日(金)より福島県先行 全国順次公開
監督・原作・脚本・音響監督:山本寛
主題歌:AZUMA HITOMI「とおく」
声の出演:桜田ひより 加藤清史郎 下野紘 島本須美 福原香織 雨宮天 佐倉綾音 花澤香菜
配給:プレシディオ

【ストーリー】 福島県いわき市の女子高校生・佐智(声:桜田ひより)は、2011年3月11日に起きた東日本大震災で心に傷を持ち、それ以来、友達や家族とどこか距離をおきながら、人にも恋にも無関心に生きていた。幼い頃からヴァイオリンを続け、高校で音楽部に所属しながら文化祭で四重奏を披露するため、日々練習に追われている。同じ頃、震災で実家が帰宅困難地域となりいわきに避難してきた男子高校生・祐介(声:加藤清史郎)は、当たり前の景色が失われてしまう現実を目の当たりにし、“美しい今”を絵画として残すため描きはじめる。展覧会に出品する夕景画を描くため田園風景を訪れた祐介は、夕映えの中、佐智と出会い心の交流を続けていく。やがて、二人の淡い想いは「恋」へと発展し…。

©Yutaka Yamamoto/Project Twilight