第20回ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭や第18回ニッポン・コネクションなど、世界各国の映画祭から招待された、作家・宇治茶が3年の歳月を掛けて完成させた全編ゲキメーション長編映画『バイオレンス・ボイジャー』が、5月24日より公開される。このほど、5月21日にシネ・リーブル池袋にて先行上映舞台挨拶が行われ、キャストの田中直樹(ココリコ)、宇治茶監督、プロデューサーの安斎レオが登壇した。
声優として出演したココリコ・田中は、「長く作品を制作している過程を、携わらせていただきながら見ていたので、ついに完成してこの日を迎えられて嬉しいです」と公開に向けて喜びのコメント。「2年前の沖縄国際映画祭の時に、宇治茶監督から『もうすぐ完成します!』と聞いてから2年が経って…平成のうちに完成すると思っていたので、僕、この作品きっと公開しないんじゃないかと…」と笑いを誘い、「監督の思いの詰まったこの作品をずっと見ていたこともあり、僕も特にこの作品には思い入れも強くて、今日を迎えられて本当に嬉しく思います」と喜びを語った。
宇治茶監督は、「本当は1年半前に完成していて、海外の映画祭に出品していたんですよ」と反論しつつ、「ようやくここまで辿り着いた。ほとんどの作業を一人でやっていたので、キャストの皆さんに演じてもらって初めてしっかりと映画になったと思います。そこにも注目して観てもらいたい」と満を持してコメントした。
安斎プロデューサーは、「世界初の長編ゲキメーションという非常に特異な映像表現を作る宇治茶監督の作品が、こうやって完成して皆さんにお披露目できるということがとても楽しみです」と語った。
また、4月に沖縄国際映画祭で上映された際に、「最初は見ていたけれど怖くて出てきちゃった!」という子供に出会ったという田中。「一瞬、怖いと思うシーンがあるかもしれませんが、ストーリーの奥にある、仲間を思う気持ちや家族の絆が伝わると思います。タイトル通り、ボイジャー、冒険をして、この映画を見終わった後に強くなってほしいです」と話した。
そしてこの夏、本作のハリウッド公開が決定したという発表も。先行上映の観客に向けて、ハリウッド版の予告編もお披露目された。ハリウッド進出を受け、外国での反応について宇治茶監督は「アルゼンチンでは上映が始まってすぐに笑いが起きて、その後も絶えず観客の方々が笑っていた印象があります。こんなところで笑うんだ!という新しい発見がありました」とコメント。しかし、全編吹替となる北米版。田中の出番は全くないということで、「私にとってのハリウッドはすごく遠いですね…」と笑いを誘った。
『バイオレンス・ボイジャー』
5月24日(金)より、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー
監督・脚本・編集・キャラクターデザイン・作画・撮影:宇治茶
声の出演:悠木碧 田中直樹(ココリコ) 藤田咲 高橋茂雄(サバンナ) 小野大輔 田口トモロヲ 松本人志
配給:よしもとクリエイティブ・エージェンシー
【ストーリー】 日本の山奥の村に住むアメリカ人少年のボビー(声:悠木碧)は、数少ない友人のあっくん(声:高橋茂雄)と飼い猫のデレクを連れて、村はずれの山に遊びに出かけた。その道中、娯楽施設“バイオレンス・ボイジャー”と書かれた看板を発見した彼らは、その看板に惹かれてその施設を目指すことに。彼らが遊び疲れて休憩していたところ、ボロボロの服を着た少女・時子と出会う。彼女は、数日前からここを出られずにいると言う。彼らは先客として迷い込んでいた村の子どもたちに出会うが、謎の白スーツを着た子どもの襲撃を受け、子どもたちは次々と捕獲されてしまう。時子の救出と復讐を果たすために、彼らは立ち上がるのだった…!
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