柴咲コウ「脚本を読んでこれはいい作品になると確信した」「連続ドラマW 坂の途中の家」舞台挨拶レポート

「紙の月」、「八日目の蟬」といった代表作で知られる角田光代の“家庭に潜む究極の心理サスペンス”と賞賛された小説を、柴咲コウ主演で映像化するヒューマンサスペンス「連続ドラマW 坂の途中の家」が、4月27日よりWOWOWプライムにて放送開始される。このほど、3月27日にT・ジョイ博多にて舞台挨拶付き特別試写会が行われ、柴咲コウと脚本の篠﨑絵里子が登壇した。

会場は博多駅直結の映画館で、テレビ作品としては日本初となるドルビーシネマスクリーンにて4KHDR上映を実施。ドレッシーで華やかなワンピースに身を包んだ柴咲がステージに現れると、会場に詰めかけた300人を越える観客から、大きな歓声が上がった。

原作の角田光代の小説は、「裁判員制度」と「子どもの虐待」というテーマを扱ったもの。この小説を読み、脚本家の篠﨑は、Twitterで見かけた、あるお母さんが描いた育児漫画が頭をよぎり、「子育て中のお母さんが追い込まれているあまりにも孤独な状態に、自分でも驚くほど涙が溢れてしまって。とにかくお母さんたちが一人じゃないんだと伝える作品をつくらなくては」と考え、誰に頼まれるでもなく「坂の途中の家」を映像化するための企画書を書き始めたと明かした。

その脚本を受けて、主演を務めた柴咲は、「6話分の脚本を夢中になって一気に読んでしまいました。テーマと深く対峙し、丁寧に物語が紡がれていて、これはいい作品になると確信しました」と語った。「里沙子を演じていて最も印象的だったセリフは、『自分にはできない』という否定的な言葉。しかしよく考えてみると、里沙子はその言葉を言いたくて言っているようには思えなくて。里沙子が飲み込んで、自分のものにしてしまった過程が想像できて、胸が苦しくなりました」とコメント。深く役に入り込んで演じた様子を垣間見せた。

さらに、自ら歌と作詞を手がけた主題歌「silence」に話が及ぶと、「自分が“底辺”にいる様子をイメージしました。そこは底辺だからこそ、世の中の喧騒から離れて、かえって凪のような静けさが広がっているのではないかと考えて作りました」と制作時のエピソードを披露した。

福岡での初披露となったこともあり、福岡にまつわるエピソードを聞かれると、「世界遺産にもなった宗像大社が印象に残っています。こんなに文化的に豊かな場所を知らなかったなんて!と思いました」と話した。その後は、会場の観客と一緒に写真撮影。最後に「重たいシーンが続きますが、自分で言いたいけれど、普段は飲み込んでしまって言えないことを代弁してくれるような物語になっています。ぜひ作品をご堪能ください」と締めくくった。

「連続ドラマW 坂の途中の家」
4月27日(土)より、WOWOWプライムにて放送開始(全6話)
毎週土曜よる10時~放送 ※第1話無料放送
監督:森ガキ侑大
原作:角田光代「坂の途中の家」(朝日文庫刊)
脚本:篠﨑絵里子
音楽:山口由馬
主題歌:柴咲コウ「silence」
出演:柴咲コウ 田辺誠一 伊藤歩 眞島秀和 桜井ユキ 松澤匠 松本笑花 西田尚美 倍賞美津子 高畑淳子 佐藤めぐみ 滝沢沙織 利重剛 酒井美紀 光石研 風吹ジュン 水野美紀

【ストーリー】 山咲里沙子(柴咲コウ)は、三歳の娘・文香と夫・陽一郎(田辺誠一)と三人で平穏な日々を送っていた。そんな時、裁判所から刑事事件の裁判員候補者に選ばれたという通知が届く。対象となる事件は、里沙子と同じ年頃の専業主婦の母親・安藤水穂(水野美紀)が、生後八ヶ月の娘を浴槽に落として虐待死させたという衝撃的な事件だった。裁判所での面談を経て、里沙子は、裁判員の誰かが急病などで欠席せざるを得ないとき、代わりに裁判員を務める「補充裁判員」に選ばれた。同じ子供を持つ母として、我が子を殺めた水穂に嫌悪感を抱く里沙子だが、裁判の開廷後、徐々に安藤水穂という被告自身の境遇に自らの過去の記憶を重ねていくことになる。家庭という密室で、夫婦、そして親子の間で交わされた言葉は、時に刃物のように突き刺さることがある。里沙子はやがて自身の心に眠っていた混沌とした感情に惑わされていく―。

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