木﨑文智監督らが登壇!『HUMAN LOST 人間失格』シカゴ開催のポップカルチャーイベント「C2E2」レポート

日本文学の傑作である太宰治の小説「人間失格」を、主演声優に宮野真守を迎え、本広克行、木﨑文智監督らクリエイター陣がダイナミックにリメイクした劇場アニメーション『HUMAN LOST 人間失格』が、2019年に全世界公開される。このほど、3月22日に米シカゴで開催された全米有数の規模を誇るポップカルチャーイベント「CHICAGO COMIC & ENTERTAINMENT EXPO(C2E2)」のステージイベントにて、木﨑文智監督、アニメーション制作を手掛けるポリゴン・ピクチュアズの代表取締役・塩田周三、本企画のプロデューサーを務めるスロウカーブの代表取締役・尾畑聡明が登壇し、本作の企画の成り立ちや作品内容、意気込みを語った。

イベント後半では、初公開となるティザーPVを上映。上映後は大きな歓声が巻き起こり、会場のファンを熱狂させ、アメリカ公開への期待が高まるイベントとなった。

登壇者 コメント

■木﨑文智(監督)
この3~4年間はほぼかかりきりで本作に取り組んできた。試行錯誤を繰り返しながらも、見応えのあるSFアクションエンタテインメントになりながらも、原案となる「人間失格」に流れている、人間としての弱さや本質的な要素を含んだ“人間ドラマ”として仕上げたつもりでいるので、その辺りを楽しみにしてもらいたい。

■塩田周三(ポリゴン・ピクチュアズ代表取締役)
ポリゴン・ピクチュアズとしての初のオリジナル長編劇場アニメで相当力を入れて制作した。映像はこれまでの弊社作品よりまた一段進化したビジュアルになっており、手ごたえを感じているので、楽しみにしていて欲しい。

■尾畑聡明(プロデューサー/スロウカーブ代表取締役)
AKIRAや攻殻機動隊のような世界に通底する日本のSci-Fiアニメを今一度世界に向けて発信したい、そんな想いから2015年に企画がスタートした。太宰治氏の『人間失格』のアニメリメイクのネタを元に、大胆にSci-Fiアクションへと昇華したら面白くなるかもしれないと考え、一気に企画を練り上げた。

『HUMAN LOST 人間失格』
2019年 全世界公開
監督:木﨑文智
原案:太宰治「人間失格」
スーパーバイザー:本広克行
ストーリー原案・脚本:冲方丁
キャラクターデザイン:コザキユースケ
コンセプトアート:富安健一郎(INEI)
アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
企画・プロデュース:MAGNET/スロウカーブ
声の出演:宮野真守
配給:東宝映像事業部

【ストーリー】 医療革命により、“死”を克服した昭和111年の東京―。人々は体内の“ナノマシン”とそれらを“ネットワーク”により管理する“S.H.E.L.L.”体制の支配により、病にかからず、傷の手当を必要とせず、120歳の寿命を保証する、無病長寿を約束された。しかし、その究極的な社会システムは、国家に様々な歪を産み出す。埋まることのない経済格差、死ねないことによる退廃的倫理観、重度の環境汚染、そして、S.H.E.L.L.ネットワークから外れ異形化する“ヒューマンロスト現象”…。日本は、文明の再生と崩壊の二つの可能性の間で大きく揺れ動いていた。
大気汚染の広がる環状16号線外アウトサイド―イチロク。薬物に溺れ怠惰な暮らしをおくる大庭葉藏(声:宮野真守)は、ある日、暴走集団とともに行動する謎の男・堀木正雄とともに特権階級の住まう環状7号線内インサイドへの突貫に参加し、激しい闘争に巻き込まれる。そこでヒューマンロストした異形体“ロスト体”に遭遇した葉藏は、対ロスト体機関“ヒラメ”に属する不思議な力をもった少女・柊美子に命を救われ、自分もまた人とは違う力を持つことを知る―。堕落と死。生と希望。男は運命に翻弄され、胸を引き裂き、叫ぶ。怒り。悲しみ。憐れみ―絶望に呑みこまれ、血の涙とともに大庭葉藏は“鬼”と化す。貴方は、人間合格か、人間失格か―。

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