「美しすぎる海女さん」「美しすぎるタクシー運転手」など、「美しすぎる~」という存在が話題になっている今、「美しすぎる議員」をフィーチャーした、川村ゆきえと青柳尊哉がダブル主演を務める映画『美しすぎる議員』が、3月16日より公開される。このほど、3月14日に渋谷・ユーロライブにて完成披露試写会舞台挨拶が行われ、キャストの川村ゆきえ、聡太郎、内藤忠司、主題歌を担当する秀吉、そして企画・監督・脚本・編集を務める五藤利弘監督が登壇した。
企画・監督・脚本・編集を務めた五藤監督が、ビデオカメラを持参して登壇し、大林宣彦監督の『さびしんぼう』などの共同脚本家であり、本作では市議会議長役でキャストとして出演した内藤忠司にカメラを回してもらいながら、「こうやって現場も撮ってもらっていました」と実演し、「本作のサブタイトルは『カメラを止めるな!』です」とジョークを飛ばしながら始まった舞台挨拶。
本作のタイトルは『美しすぎる議員』という、一度聞いたら忘れられないキャッチーなタイトル。美しすぎる議員についての映画を作りたいと思ったきっかけを聞かれた五藤監督は、「親しくしていただいている町議会議員さんがいらして、4~5年前に町を案内してもらったことがあって、『あぁ、こんな綺麗な方とこの町に住めたらいいな』と思った、という不純な始まりだったんですけれど、二年前に『このハゲー』事件など、僕らが作るフィクションよりも、実際の政治家のみなさんの方が面白いと思ったので、僕らは負けちゃいられないなと思いました」と答えた。
次に、美しすぎる議員役に川村ゆきえを起用した理由については、「こんな方が議員でいたら、みなさんすごく親しみを持つのではないかなとお願いした」とコメント。当の川村は、「タイトルのインパクトがあり、『美しすぎる?いいんですか、私で?』というところと、『議員さん?(演じるのが)難しそうだな』というのと、『ドキュメンタリー風?どうなっちゃうの?』という驚きがたくさんありました。田中愛は元タレントという設定で、自分自身の表情などを活かせたので、すんなりと役に入ることはできました」と話した。
本作は、美しすぎる議員の裏の顔を暴きたい、と田中愛を執拗に追いかけるドキュメンタリーディレクター役の青柳尊哉と、カメラマン役の聡太郎にとっては、芝居もしながら、カメラも回さなくてはいけないという大変な現場だった。しかし、聡太郎は、「とにかく美しすぎる川村さんを美しく撮ろうと思いました」と話し、何かアドバイスをしたか聞かれた監督は、「カメラを止めるな!」とアドバイスをしたと明かし、会場を沸かせた。聡太郎は、「美しさのあまり、ズームアップしまして、本編でやたらズームアップしてるなというカットがあったら、それは僕が撮ったカットです」と白状した。
続いて、市議会議長役の内藤は、「市議会のシーンにいるエキストラの方々は、実際の取手市の議員さんたちなんです。現場に入るとすぐ一段高いところに乗せられて、議長はどういうことをするのかと色々レクチャーを受けました。川村さんが現場に入られて、いきなり撮影が始まりまして、私は高いところから川村さんを見ていまして、撮影が終わって、川村さんとお話しできるかなと思ったら、『お疲れ様でした。駅までお送りします』と言われて、話ができなかった」という裏話をして、会場を笑わせた。
さらに、主題歌を担当した秀吉は、本作の脚本と完成前の映像を見て、主題歌「デクノボー」を書き下ろしたとのこと。「映画を見た後に、どんな曲が自分から出てくるかなと思って歌い出したら、一番最初にサビの部分が浮かびまして。それが、『そよ風に打たれて、全部なくなってもこの一個だけ残ればいいぜ』みたいな感じなんですが、自分の中で宮沢賢治さんの『雨ニモマケズ』の文章とリンクしまして、『ミンナニデクノボートヨバレ』という一節が自分の中の感覚と近かったので、『デクノボー』というタイトルにしました。本作には、川村さんたちの表情の強い部分や弱い部分など色んな部分があったと思ったので、力強いロックの演奏だけれど、メロディーはちょっと切ないところも気にしていただけると有難いです」と口にした。
「ご自身に『○○すぎる』と形容詞がつくとしたら、どういう形容詞がつきますか?」と聞かれた登壇者たち。川村は、「(キックボクシングをやっているので)パワフルすぎる女優」、聡太郎は「毛深すぎる俳優。脱ぐとすごいんです」、内藤は「暇すぎる監督」、秀吉は、「歌詞を飛ばしすぎる歌手」と告白した。
最後に、美しさの秘訣を聞かれ、「食べたいので、食べるために運動したり、ビタミンをフルーツで取ったりとか気をつけています」と話した川村は、「今後議員になることは?」と聞かれ、「ちょっとやだー。タレントより私生活がないように感じました。ちょっと私にはできそうにもないので、田中愛さんを応援してください」と観客に訴え、本舞台挨拶は終了した。
『美しすぎる議員』
3月16日(土)より下北沢トリウッドにて公開
監督・企画・脚本・編集:五藤利弘
主題歌:秀吉「デクノボー」(sirosiba record.)
出演:川村ゆきえ 青柳尊哉 聡太郎 内藤忠司 大桃美代子 真中乃亜 堰沢結衣 城之内正明 鈴木トシアキ 高崎佳代 青山マリア 片山享 沖正人 山本真由 清野りれ 椋田涼 中村史彦 廣川真菜美 高橋美波 さいださだこ わかばかなめ 佐藤ザンス 雑賀克郎 山崎和哉 宮崎恵治 高田舟 双松桃子 川口和宥 塩田将大 志城璃磨 一之瀬友美
配給:渋谷プロダクション
【ストーリー】 「美しすぎる議員」として世間で話題の元人気タレントの田中愛(川村ゆきえ)は、ひたすら地域密着型で懸命に日々奮闘していた。そんな愛を、ドキュメンタリーディレクターである村上一朗(青柳尊哉)が取材にやって来る。最初は単なるインタビュー映像だったが、村上のインタビューの方法は徐々に度が過ぎてゆく。四六時中愛を監視するかの様になり、「清くて美しい政治家」としての愛の姿に疑問を抱いている村上たち取材側は、愛の裏の顔を暴きたいと執拗に仕掛ける。愛は常に老若男女に対して親身で、献身的に接していた。忖度!セクハラ!経歴詐称?真実はどこに!?愛はとにかく真っ直ぐだった。取材を通して、村上の心にはいつしか変化が表れる。真っ直ぐな人間を前に、村上は何を見たのか。そして愛は、本当はどんな人間なのか…。
©映画「美しすぎる議員」製作委員会