千葉県初上映のフレッシュな若手監督の作品を特集!「第10回ちば映画祭」3月29日~31日開催!清原惟監督特集ほか全ラインナップ発表

千葉県初上映のフレッシュな若手監督が手掛けた作品を中心に上映する「第10回ちば映画祭」が、3月29日から31日の3日間にわたって千葉市生涯学習センターホールにて開催されることが決定し、併せて、全上映作品のラインナップが発表された。

2018年の充電期間を経て今回で節目の10回目を迎える本映画祭では、「ただいま~地味目な地方都市より、若手映画監督へ愛をこめて~」というコピーを掲げ、近年の話題作からレア作まで幅広いラインナップでお届け。千葉市のみならず千葉県初上映の、将来を期待するフレッシュな若手監督の作品をメインに上映する。

3月30日、31日の本祭の上映は、2日間で合計8プログラム、16作品を上映。30日は、まつむらしんご監督『恋とさよならとハワイ』、杉田協士監督が撮影を担当した丹野幸一郎監督『席の向こう』と、ポレポレ東中野での公開も記憶に新しい野村奈央監督『からっぽ』、清原惟監督特集「おとめ心・あそび心」1(『火星の日』『波』『ひとつのバガテル』)、松本花奈監督が町あかりによる同名楽曲をもとに制作した短編『僕もあの子も』と、ちば映画祭では再上映となる田崎恵美監督『海にしずめる』の4プログラムを上映する。

最終日となる31日は、頃安祐良監督が石野理子を主演に迎えた『ファーストアルバム』と、大工原正樹監督『やす焦がし』、清原惟監督特集「おとめ心・あそび心」2(『網目をとおる すんでいる』『わたしたちの家』)、いずれも福永朱梨が主演を務める亀山睦実監督『恋はストーク』と中川奈月監督『彼女はひとり』、PFFアワード2018で審査員特別賞を受賞した道本咲希監督『19歳』と村松正浩監督『兄兄兄妹』の4プログラムがラインナップ。3日間にわたり、すべての回でゲストを迎えての上映後トークを予定している。

さらに、3月29日には前夜祭として、杉作J太郎監督・松本さゆき主演による我妻ひでお原作の実写映画化作品『チョコレートデリンジャー』の上映(有料)のほか、「趣味は映画づくりです~千葉県で活躍するアマチュア映画作家たち」、「千葉県とゆかりのある作品たち」と題された地元ならではの特集上映が入場無料で開催される。

映画祭プログラム

■特集上映:ベルリン国際映画祭正式出品『わたしたちの家』の清原惟監督が贈る「おとめ心・あそび心」

清原惟監督は武蔵野美術大学映像学科卒業後、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻監督領域にて、黒沢清監督、諏訪敦彦監督に師事。修了制作の初長編作品『わたしたちの家』が、ぴあフィルムフェスティバル(PFFアワード)2017でグランプリを受賞、全国各地での上映や第68回ベルリン国際映画祭をはじめとする海外の国際映画祭での上映が続いている。監督作品の多くは少女が主人公であそび心に溢れており、本映画祭では「おとめ心・あそび心」と題し、全世界初の特集上映を実施。代表作『わたしたちの家』の上映のほか、ぴあフィルムフェスティバル2015入選『ひとつのバガテル』、ほぼ上映機会のない『火星の日』、『波』、『網目をとおる すんでいる』といった短編映画も含め、2日にわたり5作品を上映する。ゲストには清原監督のほか、武蔵野美術大学在学中に監督した作品に出演し、その後の作品もスタッフとして参加している青木悠里、東京藝術大学大学院の同期である竹内里紗監督を迎え、清原監督とその作品の魅力に迫る。また、3月31日には、千葉アートネットワーク・プロジェクト(WiCAN)とのコラボ企画として、神野真吾千葉大学准教授と清原監督、第9回特集監督の大河原恵監督とのトークが行われる。※聴講無料。

▲『わたしたちの家』

■ラブコメ映画の傑作『恋とさよならとハワイ』が遂に千葉県に登場!

第12回大阪アジアン映画祭インディー・フォーラム部門にてJAPAN CUTS Award受賞、第20回上海国際映画祭「Asian New Talent Award」部門にて脚本賞・撮影賞を受賞し、国内外で評価の高いラブコメ映画の傑作『恋とさよならとハワイ』(まつむらしんご監督)を上映する。

▲『恋とさよならとハワイ』 ©2017Ippo

■全国の映画祭で話題の『からっぽ』、現役高校教員・丹野幸一郎監督が監督し、杉田協士監督が撮影をつとめた『席のむこう』

ぴあフィルムフェスティバル2018にてエンタテイメント賞、第12回田辺・弁慶映画祭TBSラジオ賞を受賞し、その後、2018年12月に劇場公開されたばかりの新鋭・野村奈央監督『からっぽ』を上映する。併映は、現役の高校教員である丹野幸一郎監督による『席のむこう』。出演者にも現役高校生(撮影当時)を起用し、撮影は、第8回ちば映画祭にて特集上映し、今年は監督作『ひかりの歌』が劇場公開され、好評を博している杉田協士が担当した。

▲『席のむこう』

▲『からっぽ』

■松本花奈監督『僕もあの子』&10回記念!好評再上映『海にしずめる』(千葉県撮影作品)

町あかりによる同名楽曲をもとに制作された、松本花奈監督による貴重な短編『僕もあの子も』を上映。荒んだ生活のなかで生まれた、少女の叔父へのほのかな愛と絶望を描く。併映は、第6回映画祭にて上映し好評を得た、田崎恵美監督『海にしずめる』(主演:遠藤新菜)を再上映。両作品とも、父親が不在の家庭に育った、多感な時期の少女を主人公にした作品で、主題歌も印象に残る。なお、『海にしずめる』は物語の重要な後半部分は千葉県富津市で撮影された。

▲『僕もあの子も』

▲『海にしずめる』

■石野理子主演『ファーストアルバム』&大工原正樹監督『やす焦がし』それぞれの「歌」を楽しめる2本立て

石野理子(赤い公園、ex.アイドルネッサンス)主演、頃安祐良監督『ファーストアルバム』は、石野の美しい歌声が堪能できる作品。併映は、大工原正樹監督の『やす焦がし』で、本作でも、近年の大工原監督作品の魅力のひとつである「歌」の演出が楽しめる。

▲『ファーストアルバム』 ©2016「ファーストアルバム」製作委員会

▲『やす焦がし』 ©2017 THE FILM SCHOOL OF TOKYO

■新鋭俳優・福永朱梨主演作『彼女はひとり』&『恋はストーク』

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2018国際コンペティションに唯一選ばれた日本映画『彼女はひとり』(中川奈月監督)は、同映画祭にてSKIPシティアワードを受賞するなど高い評価を得た。徐々に過去が明かされる物語もさることながら、主演の福永朱梨の、愛憎を言葉と表情で表現した演技にも注目だ。撮影は芦澤明子が担当。一方、福永の過去の主演作である『恋はストーク』(亀山睦実監督)は、モノローグで進行し、その疾走感に魅了される短編作品。「好き」と「嫌い」それぞれに執着する主人公を演じる福永の魅力に迫るプログラムとなっている。なお、福永は30日上映『恋とさよならとハワイ』にも出演しており、さらに「ちば映画祭のテーマ~初期衝動~2019ver.」(監督:大河原恵)のミュージックビデオでも主演を務めている。※YouTubeで公開中。

▲『恋はストーク』 ©「恋はストーク」

▲『彼女はひとり』 ©「彼女はひとり」

■大人になる前の揺れ動く心理を描く2作品 道本咲希『19 歳』&村松正浩監督『兄兄兄妹』

ぴあフィルムフェスティバル2018審査員特別賞『19歳』(道本咲希監督)は、20歳を目前にした主人公を監督自らが演じるドキュメンタリーのような作品でありながら、エピソードや言葉の一つ一つが活きている作品。一方、村松正浩監督の短編『兄兄兄妹』は、兄が3人に見えるようになったというSFのような設定ながら、大人になれない妹の心理を見事に描く。大人になる前の揺れ動く心理を全く違う手法で描いた作品をプログラムし、ゲストとして両作品の監督のほか、村松正浩監督とも親交が深く、ぴあフィルムフェスティバル2018 で最終審査委員を務めた冨永昌敬監督を迎える。

▲『19歳』

▲『兄兄兄妹』

■杉作J太郎監督『チョコレートデリンジャー』最新バージョン上映(前夜祭)

吾妻ひでおワールド初の実写化。2007年12月のクランクインから9年、幾多の困難を乗り越え遂に完成した2017年、そして第9回ちば映画祭での上映から2年。編集に編集を重ね、さらに進化した最新バージョンが再度ちば映画祭に登場する。

▲『チョコレートデリンジャー』 ©吾妻ひでお・男の墓場プロダクション

■「趣味は映画づくりです」「千葉県とゆかりのある作品たち」(前夜祭/入場無料)

前夜祭では「趣味は映画づくりです」として、千葉県で活躍するアマチュア映画作家たちの作品や、千葉市芸術文化新人賞にて奨励賞を受賞した映像プロデューサー兼ディレクターのマツムラケンゾーが講師の映画制作教室「稲毛映画学校」の作品上映。また「千葉県とゆかりのある作品たち」では、千葉県で撮影をした作品などを上映する。※入場無料。

ちば映画祭実行委員会スタッフ一同 コメント
多くの皆さまからのあたたかなご支援ご協力により、2年ぶりに映画祭を開催出来ること、スタッフ一同大変うれしく思います。地味目な地方都市の小さな映画祭から、すべてのご来場の皆さまに、最高の上映作品を大きな愛で包みお届けいたします。春はちばでお会い出来たら幸いです。そう、皆さん一人一人がちば映画祭です!

「第10回ちば映画祭」
3月29日(金)~31日(日) 千葉市生涯学習センターホールにて開催