作家の西加奈子が小説「サラバ!」で第152回直木賞受賞後に一作目として書き下ろし、累計55,000部の売り上げを記録した児童小説を、山﨑光主演、草彅剛共演で映画化した『まく子』が、3月15日より公開される。このほど、2月20日にシネ・リーブル池袋にて、本作の完成披露上映会が行われ、山﨑光、新音、須藤理彩、草彅剛、鶴岡慧子監督が登壇した。
草彅が主演の山﨑とヒロイン新音の演技を絶賛するトークからスタート。そして本作で描かれた、かけがえのない“あの頃”にまつわるトークで草彅、須藤がどんな思春期を過ごしてきたかを発表。14歳(※現15歳)で初主演を務めた山﨑とこれから大注目の若手女優・新音がどんな大人になりたいか、「未来予想図」をイラストで披露した。
山﨑:出来るだけ多くの方に映画『まく子』を楽しんでもらいたいので、映画の撮影裏話などたくさん話していきたいと思います。
新音:初めての舞台挨拶でとても緊張していますが、映画『まく子』の魅力を伝えられるように頑張ります。
須藤:今日の先行上映は高い倍率で当選されたお客様ということでありがとうございます。原作の西加奈子さんの世界観と、監督の奇想天外なアイデアと優しさが溢れた作品だと思います。私はこの映画の草彅さんが素晴らしいと思います。何度か共演していますが、初めて見る草彅さんがこの映画には映し出されていて、すごく感動して、尊敬しました。
草彅:(開口一番に)山﨑くん、新音ちゃんも(撮影の時より)大きくなったね!山﨑くんは撮影の時と違いすぎて今日はスーツを着こなしていてカッコいい!撮影の時は田舎の子供だから役作りで幼く見えたのかな?もう立派な俳優だね。新音ちゃんは撮影の時から大人っぽかったけれど一段と大人っぽいね。背も伸びたの?ようやくお客様に届けられる日が来て嬉しいです。この映画は、サトシとコズエの2人のあの時あの瞬間にしか切り取れないもの、ピュアな心が詰まった映画です。僕はどうしようもないダメ親父役で、この映画で新しい新境地を切り開くことができたと思います。
監督:去年の3月に群馬四万温泉オールロケしたので、ちょうど一年前に準備・撮影した作品がこうして完成して、素晴らしいキャストの皆さんと舞台に立つことができて感無量です。たくさんの方が楽しみにしてくださり、予想以上に多くの劇場で上映も決まり、とても嬉しいです。
Q:原作の映像化について。
草彅:実は昨日から今朝にかけて読み終えました。すごく面白かった。映画見た後だからすごく感動しました。原作にぴったりで監督は素晴らしい手腕だなと感心しました。
須藤:いま?でも、そういう飾らないところが草彅さんらしいです(笑)。私の周りにも西加奈子さんのファンがたくさんいて、「まく子」をどうやって映像化するの?とにかく楽しみにしてる!という声をよく聞くんです。監督がものの見事に映像化してくれて素晴らしい出来だと思いますので、ファンの期待に応えられると私も思います。
Q:父と息子役での共演について。
山﨑:草彅さんとのシーンは心強かったです。オーラがあって素敵でした。
草彅:山﨑くんとのシーンは思い出深いです。親子でおにぎりを食べるシーンがあるのですが、山﨑くん、たくさん食べていたよね。そして食べながら話すシーンだったので難しいのに、山﨑くんが凄く上手に演じてたね。
Q:未来予想図(未来に向けてどんな大人になりたいか、描いていただいた未来予想のイラスト)の発表。
新音:将来も女優を目指してるので、たくさんの人に感動を与えられる人になりたい、という思いを込めて、色んな表情をしている自画像を描きました。
草彅:わーすごい!女優さんの鏡だね。たくさんの自画像なんだね。絵も上手で、将来は個展も開けるんじゃない?
山﨑:この次に出すのはハードルがあがって…。僕はアカデミー賞をとってレッドカーペットを歩いてる時にサインを求められている様子を絵にしました。
草彅:これは山﨑くんのサイン?かっちょいい!
山﨑:このサインは草彅さんと須藤さんにアイデアを頂いて。
草彅:そうそう。撮影の合間にあーでもないこーでもないと考えたよね。でも撮影の時よりさらに進化してかっこよくなってる!山﨑くんのままで進んで行ってよいと思います!凄い才能を持っている。撮影の時は山﨑くんとのシーンで僕も緊張するくらいでした。このまま頑張ってください。
Q:最後にメッセージをお願いします。
監督:本当にこんなに素敵な皆さんとこの場にいる事が出来るのは感謝でいっぱいです。役者、スタッフが最高のパフォーマンスをしてくれました。最後まで楽しんでください。
山﨑:初めての主演でとても緊張したのですが、皆さんにサポートしてもらってやりきることができました。ぜひ映画を楽しんでください。
『まく子』
3月15日(金)よりテアトル新宿ほか全国公開
監督・脚本:鶴岡慧子
原作:西加奈子「まく子」(福音館書店 刊)
主題歌:高橋優「若気の至り」(ワーナーミュージックジャパン/unBORDE)
出演:山﨑光 新音 須藤理彩 草彅剛 つみきみほ 村上純(しずる) 橋本淳 小倉久寛 根岸季衣 内川蓮生
配給:日活
【ストーリー】 ひなびた温泉街の旅館の息子で小学5年生のサトシ(山﨑光)は、自分の身体の変化に悩み、女好きの父親(草彅剛)に反感を抱いていた。ある日、美しい少女コズエ(新音)が現れる。言動がどこか不思議な同い年のコズエは、「ある星から来た」と信じがたい秘密をサトシに明かす。枯葉や紙の花を楽しそうにまくコズエが、やがてサトシや町の人々みんなにまいたものとは…。
©2019「まく子」製作委員会/西加奈子(福音館書店)