MC:この掛け合いですよ。作中でも楽しみにしていただいて。そしてその松尾さんですが、ふうかの親戚のおじさんということで、「13アイスクリーム」という、アイスクリーム屋を営んでいる店主。会場が「ざわっ」としましたね(笑)。撮影中、思い出深かったできごとはありますか?
松尾:特にないんですけど、吉岡さんがデビューする前に劇団にいたという話を聞いて。
吉岡:はい、そうです。
松尾:嘘だろって思ったんですけど。
吉岡:本当です、本当です。地元の京都の小劇場を転々としてました。
松尾:小劇場に、こんな可愛い子いないじゃん。
阿部:………、はい。
ふせ:それは大人計画の話?
松尾:ブスばっかりです。
阿部:人を採ってるのは松尾さんでしょ(笑)。
松尾:ブスしか来ないんだもん(笑)。
三木:今日打ち合わせしたプロデューサーがいるんですけど、映画会社の。吉岡さんの劇団の先輩だと自慢してましたよ。
吉岡:え!?誰!?怖い!
松尾:劇団でもこんな綺麗な方がいるんだと夢を持ちました。
MC:そうだったんですね。吉岡さん。ありがとうございます。そして、三木監督。このオリジナル脚本、ぶっとんだストーリーですね(笑)。これを思い浮かんだきっかけというのは、なにかあったんでしょうか?
三木:一番最初は結構大御所のボイストレーニングのおばちゃんというか。結構高齢の方がいて、その人と話していて、「ロックの人って大声で歌っていて、自分で恥ずかしいと思うことはないですかね?」みたいな話をしていたら、「思いが強い人は、声がでかくなるのが割と普通なんですよ」みたいなことをその人が言っていて。その人がいろいろと面白い人で、頭蓋骨を触るんですよ。そうすると「あなたはGの音に向いているわ」って、なんか響きがあるんだって。頭蓋骨の響き方が。「あなたはEマイナーね、Eね」って、そういう人なんだけど、思いが強くなると、声がでかくなるという話を聞いた時が一番最初で、その時にちょうどベン・ジョンソンっているじゃないですか。恵比寿に動く歩道があるんですけど、ベン・ジョンソンがあの上を走ったら9秒切れるかみたいな企画があって。じゃあ声帯のドーピングもありうるのかなと思って(笑)。それがスタートですね。それの相手役は、声が小さいと面白いなと思って。舘ひろしさんだっけ?誰かが声小さいと言って。
ふせ:松尾さんが言ったんですよ(笑)。
松尾:なんでも僕にしないでくださいよ(笑)。
ふせ:ご挨拶とかすると、静かなんですよね。
三木:ご存知なんですね?
ふせ:いや、ご存知じゃないです(笑)。
三木:いい人なんですよね。
ふせ:いい人なんです。
松尾:舘さんの話、もうよくないですか?
(会場爆笑)
MC:それがつながって、この話になったと。監督は、それぞれ皆さんをなぜキャスティングされたんですか?
三木:ご覧になっていただくと分かると思うけど、このメンバーしかありえないですよね。結果。全方位的にこのシーンをできるのは阿部さんしかいないだろう、それをどういう形かで受けていくのは吉岡さんしかいないだろうと。観ていただくと、たぶん「そうですよね」って言ってくれるんじゃないかと思います。